母子と家族の心理

助産学専攻科

HMID1050

コース情報

担当教員: 岐部 智恵子

単位数: 1

年度: 2024

学期: 2クォーター

曜限: その他

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

授業参加

10%

リアクションペーパー

20%

レポート

70%

詳細情報

概要

妊娠期に始まる母子関係を中心とした家族関係の形成過程について,子どもが成人期に至るまでの長期的な視点から,発達心理学的観点を基礎に論じていく。また,助産学領域で重要となる母親役割への移行期の諸課題について,現代的な社会状況の中で概観する。具体的な課題として,児童虐待,周産期の抑うつ,低出生体重児や多胎児,障がいを持つ子ども,若年・高齢での子育て等のトピックを取り上げる。さらに,今日的課題である父親の育児参加や立ち合い出産についても心理的側面から検討していく。 理解の定着を図り,支援の実際に活かすために,課題の発見と探求,それらに対するアプローチについてディスカッションなどを積極的に取り入れる。

目標

以下の諸点について理解を深めることを目標とする: 1. 母性の発達は生物-心理-社会に及ぶ多様な要因の影響を受ける。 2. 母親役割や母子関係は子どもの特性や発達段階に応じて変化し,それぞれの時期の特徴を持つ。 3. 養育の病理的形態である児童虐待は,多様なリスク要因と関連して出現し,反応性愛着障害など子どもの発達に重大な悪影響を及ぼす。 4. 周産期のうつ病は母子関係形成の観点から早期の介入が必要である。 5. 低出生体重児や多胎児,障がい児,若齢・高齢出産,共働き家庭といった様々な状況での子育てについて,その背景と母親の心理的特徴について理解する。 6. 父親の出産・育児へのかかわりと促進及び阻害要因について理解する。

授業外の学習

予習・復習を時間外学習として課す。講義で扱った内容について,テキストを基に概要をまとめ,各自の意見を小レポートにまとめる。授業内で発表し,討議を行う。

所要時間: 予習60分,復習130分(計190分)

スケジュール

  1. 母性の発達過程: 母親の発達的トランジション,母親の心理的ウェルビーイング,母親の育児感情,子どもの発達に沿った母親の養育役割の変化
  2. 妊娠期の母子関係・家族関係: 胎児期の子どもの発達,妊娠期の母性の発達に関連する心理・社会的要因,胎児への愛着の発達とその関連要因,妊娠・出産における父親のかかわり
  3. 新生児期・乳児期の母子関係・家族関係: 新生児期/乳児期の子どもの発達,子どものアタッチメントの発達,新生児期/乳児期の養育課題
  4. 幼児期・児童期の母子関係・家族関係: 幼児期/児童期の子どもの発達,幼児期/児童期の母子関係と養育課題
  5. 思春期・青年期の母子関係・家族関係: 思春期/青年期の子どもの発達,思春期/青年期の母子関係と養育課題,成人期へのトランジション
  6. 母子関係・家族関係の病理: 児童虐待.周産期の抑うつ等
  7. 多様な状況下で子育てする母親の心理: 低体重児,多胎児,障がいを持つ子ども,若年/高齢での子育て,共働き家庭や貧困家庭での子育ての問題等

教科書

  • 基礎助産学[4] 母子の心理・社会学(第6版)

    著者: 我部山キヨ子・菅原ますみ

    出版社: 医学書院 2024年

参考書

書籍情報はありません。

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