メディアと文化Ib(表象文化論)
文学部 - 新聞学科
HJN68000
コース情報
担当教員: 髙橋 直治
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火5
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
リアクションペーパー
授業内期末試験
授業期間中
その他
授業中の私語・居眠り・授業と関係ない作業等を発見した場合は,退席を求め,減点対象とします。
詳細情報
概要
表象(representation)という概念は, 哲学,心理学,認知科学,政治学,人類学,美術理論など,研究領域及び研究者によって,また用いられる場によって様々に定義されます。 本授業においては, 表象を「人間が,自己や他者や世界を,様々なメディアを通して形象化する行為,またその行為を通じて生み出されたもの」と定義し,表象文化とは「表象行為を通じて創造される文化」であるとします。したがって表象文化論は,文学,絵画,写真,映画,音楽,演劇,建築等を対象とした,いわゆる芸術表象研究から,日常生活における多様な文化的事象を歴史・制度・権力・メディアなどを起点に考察する文化表象研究までを射程とします。 前期は,主に,「写真」「絵画」「彫刻」「建築」「風景」等を扱う。 後期は,主に,「言葉表現(現代詩,コピー,ラップetc)」「音楽」「身体表現(ダンス,演劇)」等を扱う。 新聞学科が開講する本授業では, 表象文化を批評的に受容し再生産していく「メディア当事者」としての態度を自覚的に養うため,表象文化を単なるコンテンツとしてのみ取り扱うのではなく,表象文化を,「表現行為」と「受容行為」の入れ子構造的な循環「行為」として捉え直します。 講義では,表象概念そのものを問い直す原理的考察と,メディア表現の諸ジャンルの具体的な事例を分析する各論とを往復していきます。「作品,商品,表現」を達成された結果として消費するのではなく,その制作生成過程を遡及的かつ内在的に捉える視座を獲得することを目指します。 ▶︎春学期の履修が,秋学期の履修の前提となります。 ▶︎毎授業ごとにリアクション・ペーパーをgoogleforms等の指定のURLに提出し, 履修者全員と共有する。 ▶︎授業の進行状況にもよりますが,表現と受容の循環による表象行為を実感してもらうための「ミニ・ワークショップ型」の時間を適宜挟む可能性があります。 (但し,コロナ禍の状況も鑑みて検討します。) ※抽選科目(定員70名)のため,履修希望者は事前登録期間に必ず登録すること。 新聞学科優先。履修要覧記載の「年次」に満たない学年の学生は履修不可。 要覧記載の履修対象とする年次を確認してください。 ※授業中の私語や居眠り,授業とは関係ない通信行為は,真摯に授業を受ける学生にとっての不利益となり,授業妨害とみなし,厳格に退席を求めます。
目標
多種多様な表象文化を,内在的に批評し,再生産する「まなざし」を獲得する。 「受け手」目線だけでなく「作り手」目線を交差させ,循環させられるようになること。 表象文化論の具体的な発想や視座,分析手法を習熟する。
授業外の学習
参考文献の精読および参考作品の観賞・分析,簡単なミニワークのための作業などを,自主的に進めていただく必要があります。 また,リアクションペーパーは,必須。 学習到達状況を見て,レポート等の提出の可能性もあります。
所要時間: 240分
スケジュール
- ガイダンス/本授業の対象領域について/グランド・クエスチョンの提示「表象とは何か」/授業の進め方 (以下,コロナ禍の状況,授業の進行及び受講生の学習状況により,週ごとの予定は,適宜,修正の可能性があります)
- 言葉/文字という表象行為①
- 言葉/文字という表象行為②
- 音楽という表象行為①
- 音楽という表象行為②
- ミュージックヴィデオという表象行為
- Workshopを予定(授業の進捗状況,ゲスト招聘等によります)
- Workshopを予定(授業の進捗状況,ゲスト招聘等によります)
- 身体表現という表象行為①
- 身体表現という表象行為②
- 身体表現という表象行為②
- 演劇という表象行為①
- 演劇という表象行為②
- 全体のまとめとしてのCritical Writing
教科書
必要に応じて,その都度指示し,プリント配布等も適宜行います。
参考書
参考文献は随時提示するが,授業でとりあげた文献・書籍・映像作品などは,図書館や書店,ネット上などで,積極的に閲覧してほしい。
表象―構造と出来事
著者: 小林康夫,松浦寿輝ほか
出版社: 東京大学出版会・2000