メディアと文化IIb(コミュニケーションと技術)

文学部 - 新聞学科

HJN67600

コース情報

担当教員: 仁藤雅夫

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 火2

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 可

評価方法

出席状況

20%

授業参加

10%

リアクションペーパー

40%

レポート

30%

詳細情報

概要

人工衛星とデジタル技術を使って,地上波放送にはない多様な放送の実現を目指した有料多チャンネル放送を中心に,ベースとなる技術,多チャンネル放送ならではのコンテンツ,視聴者の視聴動向,マーケティングの変遷,直面する課題などを学習し,ビジネスとしての多チャンネル放送の実情を理解するとともに,動画配信サービスが大きく台頭する中での多様性のある放送の在り方を探求していく。多チャンネル放送(スカパー)の企画段階から携わってきた講師(仁藤)自身の経験をもとに,企業の悪戦苦闘が随時紹介されます。授業後半では,ネット社会の環境負荷問題と２０３０年頃を目指す次世代ネットワークや,報道における衛星画像の利用についても解説します。質問や意見,知りたいことなどを把握するための授業後にリアクションペーパーを提出していただき,次週の授業時に質問への回答や追加の説明を行っていきます。

目標

小さいながらも一つの新たな放送メディアである「有料多チャンネル放送」。事業を構成する様々な側面からその歩みを見ることで,ビジネスとしてのメディアの実態を理解すること。巨大資本やグローバルに事業展開する企業による動画配信サービスが益々拡大して可処分時間を奪っていくなか,多様性のある放送の今後の姿を考える視座を得ること。さらに２０３０年を睨んで注目すべきテクノロジーのいくつかを概観し,新たなコミュニケーションの姿を考察する機会とすること。

授業外の学習

第１１回授業の際にレポートの課題を提示し,第１３回の授業時にレポートを提出していただく予定です。また,それぞれの授業の最後にその授業に関連した簡単なクイズを出すことがありますので,次週までに自分なりの答えを考えてみてください。

所要時間: 190分

スケジュール

(以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数や順序は変更することがあり得ます) 「秋学期のイントロダクションと春学期の要約」春学期の要約として,人工衛星の特徴,民間衛星ビジネスのスタート,デジタル多チャンネル放送の苦難のスタート,プラットフォームの競争,多チャンネル放送のコンテンツなどをカバー
「春学期の要約(つづき)」春学期の要約として,衛星放送の現状と課題,スカパーとJSATの垂直統合,サブスクリプション・ビジネス,春学期のレポートの課題などをカバー
「放送におけるデジタル技術の進歩」放送におけるデジタル技術の進歩。HD化,３D,４K8K。超高精細映像の構成要素について解説。
「多チャンネル放送のオリジナルコンテンツ」(その１) 衛星放送協会オリジナル番組アワード受賞作品を２週にわたって紹介。多チャンネル放送ならではのオリジナルコンテンツを視聴。
「多チャンネル放送のオリジナルコンテンツ」(その２) 衛星放送協会オリジナル番組アワード受賞作品の紹介のつづき。多チャンネル放送ならではのオリジナルコンテンツを視聴。
「多チャンネル放送の視聴者」スカパー視聴者の特徴と課題。多チャンネル放送研究所の調査結果などから若年層へのアプローチについての考察。
「多チャンネル放送におけるマーケティングの変遷」 1996年のサービススタートから現在に至るまで,マーケティングの考え方の変遷とそれに伴うTVCMの変化を追う。
「カスタマーセンターにおけるお客様との向き合い」プラットフォームの重要な機能のひとつであるカスタマーセンター。複雑さへの対応とより良いカスタマーセンターを目指した改革の道のり。
「動画配信ビジネスの動向」動画配信ビジネスの仕組みやビジネスの現状を概観。配信サービスのランキング。多チャンネル放送視聴者における動画配信の影響。
「FTTH事業と2030年に向けた次世代ネットワークについて」スカパーJSATにおけるFTTH事業の立ち上げ。その構想と総務省とのやり取り。通信量の急増と電力問題。「光」を中心としたNTTの次世代ネットワーク構想。
「テレビと動画の未来」秋学期のレポートの課題提示テレビと動画の未来像をシナリオ・プラニングの手法で考察。秋学期のレポートの課題提示。
「衛星画像と放送サテライト・ジャーナリズム」衛星画像から真実を読み取る。衛星画像を利用した報道について具体的な例を挙げて説明。
「(番外編)宇宙人とのコミュニケーション「我々は孤独なのか?」」宇宙人とのコンタクト可能性と人類の未来についての考察
「レポートの講評と秋学期の総括」提出されたレポートにおける様々な意見の共有と全体講評。秋学期の総括。
第１１回の授業で提示されたレポート課題に対し,自分なりの考えをまとめて第１３回授業の際に提出。第１４回授業で発表できるように準備をしておく。

教科書

テキストは指定しません。

参考書

書籍情報はありません。