近代文学演習IIIa

文学部 - 国文学科

HJL57900

コース情報

担当教員: 加藤 夢三

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火5

形式: 対面授業

レベル: 400

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

授業参加

80%

リアクションペーパー

20%

詳細情報

概要

2024年は,雑誌『文藝時代』の創刊100年目に当たる。この雑誌に集った作家たちは,新奇な表現技巧と独特の対物描写,そして行き過ぎたほどの思弁的な理論趣味によって新感覚派と命名され,大正末期の文壇において確かな存在感を放つとともに,上記の創作方法をめぐって数多くの論争を巻き起こしていくことになる。 今年度は,新感覚派のメモリアル・イヤーということもあり,その文学史的な可能性を改めて再考するような討議ができればと思う。『文藝時代』の同人は10人以上に及ぶが,ここでは特に著名な書き手として,川端康成と横光利一を取り上げ,彼らの言論営為を(小説/評論/随筆を問わず)通時的に辿りなおしていく。授業担当者(加藤)自身が新感覚派の研究者であり,先端的な研究動向なども適宜紹介できればと思うが,あまり堅苦しい学術上のプライオリティを追究するのではなく,ともかく新感覚派とはどのような運動で,歴史的にどのような意味を持つものであったのかについて,半期の教室空間の中でひとつの納得解を導くことを目指したい。

目標

(1)ある言説資料について,特定の立場から解釈・理解するための論理的思考力を養う。 (2)さまざまな研究手法や分析アプローチに触れることで,抽象的な情報処理能力を修得する。 (3)どのような読書行為も,何かしらの歴史的・社会的条件の中で成立しているものであることを理解する。

授業外の学習

国会図書館などを用いて,できるだけ初出当時の雑誌資料に触れることを心がけてください。

所要時間: 200分前後

スケジュール

  1. オリエンテーションと発表順序の決定
  2. 年前の文壇状況
  3. 新感覚派の「新しさ」
  4. 川端康成「新進作家の新傾向解説」に関する発表と討議
  5. 横光利一「感覚活動」に関する発表と討議
  6. 川端康成『青い海黒い海』に関する発表と討議
  7. 横光利一『蠅』に関する発表と討議
  8. 川端康成『伊豆の踊子』に関する発表と討議
  9. 横光利一『日輪』に関する発表と討議
  10. 川端康成『水晶幻想』に関する発表と討議
  11. 横光利一『機械』に関する発表と討議
  12. 川端康成『禽獣』に関する発表と討議
  13. 横光利一「純粋小説論」に関する発表と討議
  14. 授業のまとめと展望

教科書

テキストはこちらで用意します。

    参考書

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