歴史学特講(事例研究)IIa
文学部 - 史学科
HHT58510
コース情報
担当教員: 笹川 裕史
単位数: 1
年度: 2024
学期: 1クォーター
曜限: 木5
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
30%
授業内期末試験
授業期間中
70%
詳細情報
概要
本授業は,日中戦争から中華人民共和国の誕生にいたる中国の社会変容を追跡する事例研究である。ここで焦点をあてるのは,主に食糧と兵士の戦時徴発である。中国の場合,この課題を首尾よく実現するには,末端行政による社会の掌握力を強化すると同時に,社会それ自体の自律的な組織性を向上させる必要があった。それはとりもなおさず,伝統的な王朝国家から引き継いだ中国社会の構造的特質の克服にほかならなかった。しかし,その過程は中国が前例のない管理社会へと向かう道程とパラレルであり,国家の暴走や行き過ぎた収奪強化から住民を守っていた緩衝空間を大幅に縮減する結果をもたらしたことを展望する。
目標
本授業を受講することによって,20世紀の総力戦がもたらした社会変容の実態について,中国に即して理解することができる。近代日本とは異なった課題や困難に直面した中国の歴史的経験を学ぶことで,より広い視野を獲得できる。
授業外の学習
(1)授業中に適宜指示された参考文献を読むこと。 (2)授業時に配布したプリント等を熟読し,授業の予習・復習を行うこと。予習には30分程度,復習には160分程度,必要です。
所要時間: 190分
スケジュール
- 第1回 ガイダンス *授業の進捗状況によって,講義スケジュールを一部変更することがある。
- 第2回 日中戦争期の戦時徴発と社会変容
- 第3回 日中戦争期の食糧政策の執行過程
- 第4回 食糧徴発からみた1949年革命の位置(その1:断絶)
- 第5回 食糧徴発からみた1949年革命の位置(その2:連続性)
- 第6回 戦時災害リスクと管理社会化
- 第7回 授業期間内期末試験の実施
教科書
授業中に適宜配付するプリントがテキストになる。
参考書
授業中に適宜,指示する。