歴史学特講(中国古代・中世史)
文学部 - 史学科
HHT56310
コース情報
担当教員: 大川 裕子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 月1
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
授業内期末試験
授業期間中
その他
【課題・提出物について】 ・毎回授業内においてリアクションペーパーを提出してもらう。 ・身近な「水」をめぐる調査レポート〔1500字程度)を提出してもらう予定である。 ・学期末に授業内試験を行う予定である。 【出席状況について】 ・4回以上の欠席は認めない(大学から認められた理由に基づく欠席を除く)。 ・常習的な遅刻に対しては,厳しく対応する。
詳細情報
概要
人類の営みと水の利用とは不可分の関係にある。歴史上,人々は水からどのような恩恵を受け,どのような脅威にさらされたのだろうか。水という自然にどのように向き合い,利用・改変あるいは共生してきたのだろうか。そうした水と人々との関係は,地域の政治・社会とどのように絡み合うのだろうか。あるいは,どのような文化を育んできたのだろうか。本講義では,治水・灌漑・排水・水運・生活用水,祭祀など水をめぐる多様な側面に着目しつつ文献史料もとに中国前近代の歴史を考える。
目標
①水と人間との関わりの歴史を理解することができる。 ②中国史の概略を理解し,水利史を通して経済・社会・文化を理解することができる。 ③現代社会が抱える水の問題を解決するためのビジョンを,自分なりに描くことができる。
授業外の学習
【予習(100分程度)】授業では様々な水の問題を取り上げ歴史的に考察するが,各回のテーマについて,現在どのような問題が発生しているのかを調べておく。 【復習(90分程度)】授業内で様々な参考資料を紹介するが,授業終了後に目を通して理解を深める。
所要時間: 190分
スケジュール
- イントロダクション
- 水をめぐる歴史学:政治史・経済史・農業史・地域史・文化史そして環境史
- 東アジアにおける水利技術の伝播①:安豊塘・碧骨堤・狭山池
- 東アジアにおける水利技術の伝播②禹・河伯信仰と祭祀
- 都市と水利:洛陽盆地を例に
- 権力と水利①:暴れ川・黄河を例に
- 権力と水利②:古代の大規模灌漑
- 水利社会論①:山西省不灌漑水利組織を例に
- 水利社会論②:淮河流域のため池を例に
- 環境適応①:長江下流低湿地を例に
- 環境適応②:銭塘江の潮汐への対応を例に
- 身近な「水」の問題を求めて①:中国映画にみる「水」
- 身近な「水」の問題を求めて②:春学期のまとめ
- 春学期の学習の確認(授業内試験)
教科書
教科書は指定せず,毎回授業で関連資料を配付する。
参考書
『中国21 特集:中国水利史』vol.37)
著者: 愛知大学現代中国学会編
出版社: 東方書店,2012年
『東アジア経済史の諸問題』(Ⅰ章3節本田治「中国水利開発史」)
著者: 松田孝一
出版社: 阿吽社,2000年
『中国経済史』
著者: 岡本隆司
出版社: 名古屋大学出版会,2013年