歴史学特講(日欧交渉史)
文学部 - 史学科
HHT55410
コース情報
担当教員: 川村 信三
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 木3
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
授業参加
50%
定期試験
定期試験期間中
50%
その他
4回以上の欠席者には単位を与えない。 上記パーセンテージは全講義のうち,欠席が4回未満の受講者にのみ適用する。 10分以上の遅刻も原則として欠席扱いとする。
0%
詳細情報
概要
戦国期から徳川初期に生じた日欧交渉の歴史を概観する。とくに,宗教文化に注目し,日本のキリスト教の移入について考えていく。キリシタン史が主なテーマとなるが,社会史,文化史,宗教史的解明に留意するとともに,欧文文書からひもとく「日本史」の,史学研究上の特殊性を考慮する。本講義は,「キリシタン史」「日欧交渉史」「織豊政権論」「戦国民衆史」などに興味をもつ学生を対象とする。 本年度は,遠藤周作『沈黙』にもとづく,フィクションとノンフィクションの考察も加える時間をもちたい。
目標
16世紀,大航海時代とよばれる「グローバル」ヒストリーを考えるうえで,日本の認識,位置づけ,そこに移入されたヨーロッパ文化(キリスト教文化)の概要を知ることが目的である。
授業外の学習
課題図書による読書によって,基本知識を整理・充実されるための工夫をする。 そのため予習の読書時間を120分程度確保すること。また,復習として,授業内容を整理などに70分程度を時間をとること。 課題図書の準備時間(授業外)の目安は,週190分程度とする。
所要時間: 190分
スケジュール
- イントロダクション
- 本講義に使用する史料についての根本問題(欧文で書かれた日本史史料)
- 南蛮文化交流事始め(イエズス会と東アジアキリスト教)
- F.ザビエルについての史料的分析(上洛と畿内諸集団の関連から)
- 日本の民衆組織とキリシタン共同体
- 社会福祉分野での東西交流(西洋式病院の設立)と日本初のボランティア福祉活動の状況
- 畿内の戦国諸勢力とキリシタン:(都,堺,河内の諸集団)と三好,松永,和田諸氏の動向
- 比較宗教史的観点の考察(仏教とキリスト教の宗論)
- アレッサンドロ・ヴァリニャーノの「順応」
- 天正遣欧使節と日本に於ける西洋式教育の起源
- 第一次IT革命として位置づけることができる「活版印刷」の導入:キリシタン版成立の背景
- 豊臣秀吉の伴天連追放令をめぐる政治史的分析(長崎教会領の功罪)
- 江戸幕府開設初期のキリシタン共同体および殉教(殉死)論
- 潜伏キリシタンと信徒発見
教科書
プリント配布によって,テキストのかわりとする。
参考書
キリシタン信徒組織の誕生と変容
著者: 川村信三
出版社: 教文館 二〇〇三年
超領域交流史の試み
著者: 川村信三編
出版社: 上智大学出版 二〇〇九年
キリシタン書・排耶書(日本思想大系25)
著者: 海老沢有道他編
出版社: 岩波書店 一九七五年