歴史学特講(日本中世政治史)
文学部 - 史学科
HHT55210
コース情報
担当教員: 中澤 克昭
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金3
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
15%
リアクションペーパー
15%
レポート
70%
その他
講義内容をふまえたレポートを課す(詳細は授業のなかで指示する)。 出席・リアクションペーパー・レポートを総合して評価する。
0%
詳細情報
概要
この講義では,日本の中世における政治の実態を探るが,教科書的な政治史の叙述をするのではない。時期により,また権力の所在により,政治のあり様はどのように異なるのか,通底する原理はないのか。そうしたことを考える具体的な切り口として,希求された平和に着目したい。一般に中世は,戦乱に明け暮れた時代であったとイメージされている。たしかに,分立した権力が互いに争い,武士が支配者となった中世は,武力がものを言う時代だったと言えよう。しかし,だからこそ中世の人々は平和を希求した。中世において,どのように平和が祈願され,実現されたか。そして,どのように踏みにじられたかを確認し,そこから政治の構造や特質について考える。内容は,9世紀以前にはじまり,17世紀にまでおよぶはずである。
目標
日本中世政治史の研究成果とその方法を学び,前近代の政治史について考える際に必要な,しなやかな思考と広い視野の獲得をめざす。
授業外の学習
予告する次回授業内容について,講義のなかで紹介する参考書等を読んで予習をする。(各回90分以上) 授業内で紹介する文献を読み,得られた知見を,次回以降の授業の理解,リアクションペーパーや学期末のレポートに活かす。(各回100分以上)
所要時間: 190分以上。
スケジュール
- ※以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数は変更することがありうる。 ガイダンス/「中世」とは?/「政治」とは?/「平和」とは?
- 王土王民思想の形成
- 承平・天慶の乱の衝撃
- 鎮護国家と祈禱,御願寺の系譜
- 奥州藤原氏と平泉の繁栄
- 治承・寿永の内乱と鎌倉幕府
- 在地領主と地域の寺社
- 蒙古襲来と国土観
- 「悪党」とその召し捕り
- 足利政権と安国寺
- 自力救済と一揆
- 「室町の平和」をめぐって
- 戦国時代の調停者
- 惣無事をめぐって,まとめ
教科書
必要な資料は配布する。
参考書
授業のなかで随時紹介する。