史料講読演習(アジア・日本史系)
文学部 - 史学科
HHT52210
コース情報
担当教員: 北條 勝貴
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火3
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
授業参加
リアクションペーパー
その他
各自の報告(出席は前提である。参加者には,授業計画に沿った課題で調査・発表を行ってもらう。レジュメの完成度,発表の仕方,質疑応答の内容などから総合的に評価する)
詳細情報
概要
過去に書かれたもの,考えられたこと,それらを踏まえていま語られるものは,いずれもひとつの歴史実践であり,歴史学/民俗学が向きあうべき史資料である。本演習では,歴史学教養演習で得た知識を前提に,それら日本古代史の基礎史料(神話,六国史,律令格式,正倉院文書,出土文字資料,説話集,絵巻など),民俗学に関わる伝承資料などを読解し,過去・現在の探究に必要な能力を習得させる。 具体的には,活字翻刻された史資料のコピーを参加者に割り当て,各種事典類・注釈書類を使っての読解作業を基本に,当該史料の解説と研究史などについて調査し発表してもらう。単に書かれたものの向こう側にある〈史実〉を一般化するのではなく,〈書く〉あるいは〈語る〉という行為やその現場について,具体的に復原しながら考えてゆく。また,それぞれの報告とそれに対する討論をめぐって,日本古代社会あるいは列島民俗社会のあり方,文化の諸相,国家体制その他に対する総合的な理解を目指す。 また,受講者の視点を深めるため,フィールドワークや博物館・史跡の見学も実施し,文化財の実物を前に読解を試み意見交換を行う。
目標
1)日本古代史を構成する史料について見通しを持ち,基本的な読解の仕方,それに基づく歴史像の構築の方法を習得する。 2)古代史のディシプリンを通して,自己の研究テーマを深められるようにする。 3)民俗学を志望する学生は,神話・説話・伝承研究,史料読解の基礎を学び,民俗研究・フィールドワークにかかる想像力・思考力を涵養する。
授業外の学習
1)自分に割り当てられた課題について調査し,レジュメにまとめ,適切に発表するための準備を行う。 2)予習(90分程度):次回報告のテーマ(他の受講生による報告分)について自分なりに調査し,疑問点を整理しておく。 3)復習(100分程度):他の受講者の報告,討論の成果を踏まえ,その際に疑問に思ったこと等について自分なりに調査し,リアクション・ペーパーにまとめて Moodle に提出する。
所要時間: 190分以上
スケジュール
- ガイダンス:史料を読むこととは
- 律令を読む
- 神話を読む
- 史書を読む
- 地誌を読む
- 格(官符)を読む
- 式を読む
- 正倉院文書を読む
- 古記録(貴族日記)を読む
- 木簡を読む
- 祝詞・儀式書を読む
- 絵画資料を読む
- 民俗資料を読む(口頭伝承)
- エクスカーション(休日に日程調整して実施)
教科書
テキストはとくに設定しない。必要な資料は毎回配付する。
参考書
授業の進行情況,各自の報告の準備や達成度に応じて適宜指示する。
『日本史史料』1/古代
著者: 歴史学研究会 編
出版社: 岩波書店,2005年
『古代史料を読む』上・下
著者: 佐藤信・小口雅史 編
出版社: 同成社,2018年
『民俗学入門』
著者: 菊地暁
出版社: 岩波新書,2022年