歴史学教養演習(アジア・日本史系)

文学部 - 史学科

HHT51910

コース情報

担当教員: 北條 勝貴

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火3

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

授業参加

30%

リアクションペーパー

10%

その他

各自の報告(出席は前提である。参加者には,授業計画に沿った課題で調査・発表を行ってもらう。レジュメの完成度,発表の仕方,質疑応答の内容などから総合的に評価する)

60%

詳細情報

概要

「人文学の危機」が叫ばれ,歴史学にも常に,役に立つか立たないかという二者択一の社会的評価が突きつけられている。本授業では,学生が日本古代史/民俗学の研究を始めるにあたり,各自の根本的な問題意識を大切にしながら,過去を探究し現代に活かす方法を学ぶ。 卒業判定の中心的対象となる卒業論文は,学生個々の問題意識が,現代社会と切り結ぶ媒介となっている。論文自体は一般に公開されなくとも,個々の実践は,将来のキャリアへ確実に繋がってゆく。そのため本演習では,具体的には,研究初学者が論文を執筆しようとする際に突き当たる主要な課題について分担し,順々に解決する方式で進めてゆく。 例えば,授業開始時に参加者それぞれが仮想の研究テーマを定め,それを明らかにするために必要な研究史の整理,文献の検索,史資料の収集,参考資料などについて調査・報告を繰り返し,論文を執筆する基礎的な態度を涵養する。 また,エクスカーションやフリーディスカッション,フィールドワークのワークショップも適宜設けて,歴史学/民俗学の相互交渉から,より自由な発想,方法を用いた過去の探究を目指す。

目標

1)歴史学/民俗学の論文を執筆する際に必要な基礎的手順,a)研究史の整理,b)研究文献の検索,c)史料の収集,d)参考資料の選択を身体化する。 2)歴史学/民俗学的思考の基礎をなす想像力,論理的思考力を養う。

授業外の学習

1)自分に割り当てられた課題について調査し,レジュメにまとめ,適切に発表するための準備を行う。 2)予習(90分程度):次回報告のテーマ(他の受講生による報告分)について自分なりに調査し,疑問点を整理しておく。 3)復習(100分程度):他の受講者の報告,討論の成果を踏まえ,その際に疑問に思ったこと等について自分なりに調査し,リアクション・ペーパーにまとめて Moodle に提出する。

所要時間: 190分以上

スケジュール

  1. ガイダンス)過去を学び現在に活かす
  2. ワークショップ1)四ツ谷界隈のエクスカーション
  3. パブリック・ヒストリーの実現のための卒業研究:問題意識とテーマの設定
  4. 研究史と文献検索:諸分野の「回顧と展望」
  5. 研究史の整理と基礎知識:概説・講座類
  6. ワークショップ2)意見交換:何が史資料になりうるのか?
  7. 史資料の検索・収集1)史資料目録・検索サイト類・解題類
  8. 史資料の検索・収集2)史資料集・叢書類A
  9. 史資料の検索・収集3)史資料集・叢書類B
  10. 史資料の検索・収集4)全文検索サイト類
  11. ワークショップ3)講義と実践:フィールドワーク論
  12. 参考資料の準備1)辞典・事典類
  13. 参考資料の準備2)年表類・地図類その他
  14. まとめ)個々の達成度と社会との向きあい方

教科書

テキストはとくに設定しない。必要な資料は毎回配付する。

    参考書

    授業の進行情況,各自の報告の準備や達成度に応じて適宜指示する。

    • 『パブリック・ヒストリー入門─開かれた歴史学への挑戦─』

      著者: 菅豊・北條勝貴 編

      出版社: 勉誠出版,2019年

    • 『療法としての歴史〈知〉─いまを診る─』

      著者: 方法論懇話会 編

      出版社: 森話社,2020年

    • 『みんなの民俗学─ヴァナキュラーってなんだ?─』

      著者: 島村恭則

      出版社: 平凡社新書,2020年

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