超域史・隣接学概説I/CROSS-TERRITORIAL
文学部 - 史学科
HHT51310
コース情報
担当教員: 川村 信三
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 木3
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
30%
授業参加
20%
定期試験
定期試験期間中
50%
その他
毎回出席をとる。欠席が4回になった者は,期末試験の受験資格がない。 2024/7/8 授業内期末試験から定期試験へ変更
0%
詳細情報
概要
日本の中世末期(戦国期及び織豊期),および近世初期にいたる概説。室町の終焉,戦国動乱,織豊政権,徳川幕府初期の通史。東アジアの国際情勢を踏まえた日本史の位置づけをめざす。扱うテーマは,室町幕府末期の畿内政治,惣村発展論,一揆論(土一揆・宗教一揆),東アジア貿易圏,織田信長の「天下一統」,秀吉政権の対外政策,徳川幕藩体制成立,キリスト教の発展と禁教など。 参考資料・文献は,各テーマにつき随時紹介する。隣接学概説とタイトルにあるように,宗教史,思想史などについても言及する。 時間の余裕があれば,グローバルヒストリーの観点から,16世紀の日本の歴史的意義を取り上げる。
目標
大学レベルでの日本史(戦国末期から近世)の概説的把握をめざす。従来の日本近世史にくわえて,16世紀および17世紀初頭のアジアとヨーロッパ人の交流史についても目配りしていきたい。
授業外の学習
授業資料は前もって提示されるので,それをあらかじめ読んで発表準備にあてること(70分) また,授業時間内に示された課題のなかから,Reading Assignments としてレポート提出を求める。課題図書は授業の予習としての内容を含むため120分程度をあて,週平均190分程度を各自考慮すること。
所要時間: 190分
スケジュール
- 導入: 中世から近世へ 日本史時代区分の問題:マルクス主義史学(社会構成史的認識・法則認識)と実証主義史学(個別認識・アカデミック史学)
- 中世史学と近世史学の考え方:黒田俊雄の「権門体制論」考察
- 戦国のはじまり: 応仁・文明の乱の史的意義の考察および室町中期の農村変化 中央政権としての室町幕府の崩壊と農村におけるエネルギーの蓄積(気候変動と社会変動)
- 一揆の諸相:土一揆(徳政一揆・国一揆) 幕府,土倉 酒屋,農民の相互依存関係 徳政の効果 一揆の意味
- 宗教一揆論: 一向一揆 法華一揆: 顕密仏教と異端的新仏教の興隆(13世紀)から真宗,法華宗のそれぞれの発展を基礎とした16世紀宗教状況の概観
- 戦国大名論:大名領国制の形成(貫高制のプロセス),戦国時代の「国家」概念
- 織田信長論(1)「天下一統」と「天下布武」:織豊政権についての学説史まとめ,『信長公記』の歴史史料的価値の検証,信長における「権力power」と「権威authority」と朝廷および幕府
- 織田信長論(2)安土城:「信長の天下統一イデオロギーの目に見えるしるし」として
- 東アジアの国際情勢と日本:日明勘合貿易のプロセスと東シナ海におけるポルトガルの参入(日欧関係史の端緒)
- 豊臣秀吉論(1):国内統一政策(九州征伐以前) 秀吉は信長の継承者か,オリジナリティーをもった為政者か
- 豊臣秀吉論(2):秀吉の対外政策 朝鮮侵略:日本国内政治の視点,朝鮮半島からの視点,明(中国)の視点の多角的考察による日本の国際的位置づけの模索,「武威」概念
- 徳川政権成立期の課題:織豊政権との連続性と断続性
- 寛永期における「鎖国」体制の成立
- 江戸の「勤勉革命」考
教科書
担当教員作成のプリント集を配布
参考書
書籍情報はありません。