ヨーロッパ・アメリカ史系概説III
文学部 - 史学科
HHT50910
コース情報
担当教員: 坂野 正則
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火4
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
授業内期末試験
授業期間中
詳細情報
概要
この授業では,16-18世紀のヨーロッパ世界を対象として,近年,研究が進んでいる分野を取り上げて,西洋史研究の入門とする。今回は近世ヨーロッパの都市を扱う。 ヨーロッパ世界において個性豊かな社会と文化を成熟させてきた場所のひとつが都市であり,ヨーロッパ都市は現在でも旅行者を魅了し続ける要素の一つである。これまで都市の歴史は,政治権力や制度から考察されることが多かった。しかし,この授業では,都市社会と空間との関係に着目する中で,都市と地理環境との関係,都市内部の空間構成,建築物と日常生活との関係を論じていく。 授業実施方法は,教室での対面授業とMoodle での教材提供によるオンデマンド方式を組み合わせて行う。 教材提供や資料の掲示,課題提出には Moodle を使用するので,授業受講にあたっては,Moodle でコースの登録を済ませておくこと。履修登録とは連動していないので,各自で別途登録が必要である。 授業の実施方法の概要は初回で詳しく説明するため,必ず出席すること。
目標
この授業では,歴史における広域的・国際的視点,都市空間の文化的複合性,ネットワークやコネクションの社会的重要性についての理解を深め,学生が現代的な問題意識からヨーロッパ都市社会の歴史についての独自の視角を持てるようになることを目指す。 以上の作業を通じて,高校まで学習してきた歴史や世界史の構造・叙述・視点を脱構築し,現代社会を理解・解釈する基礎的枠組みと認識を獲得する。
授業外の学習
毎回の授業後は以下の学習(合計200分)を行うことが求められる。 ・授業資料を用いて内容を復習する(30分) ・授業の内容に関するリアクション・ペーパーを提出する(20分) ・指定された複数の文献を読む(120分) ・読んだ文献の内容をまとめ次回の授業の準備を行う(30分)
所要時間: 約200分
スケジュール
- イントロダクション
- 問題の提起:都市史研究の枠組み
- カトリック(対抗)宗教改革と都市空間:16‐17世紀ローマ
- カトリック(対抗)宗教改革と都市空間:「バロック」とローマ都市改造
- カトリック(対抗)宗教改革と都市空間:サン・ピエトロ大聖堂とモニュメント群
- 近世ヨーロッパの水都:アムステルダムの都市構造
- 近世ヨーロッパの水都:アムステルダムの近世的景観
- 近世ヨーロッパの水都:アムステルダムの越境性
- 都市空間と社会権力:近世パリ
- 都市空間と社会権力:近世パリと周辺領域
- 近世フランスにおける都市改造:ボルドーとマルセイユ
- 近世ヨーロッパのアメリカ植民都市:ケベックとニューオリンズ
- 近世ヨーロッパのアジア植民都市:ポンディシェリとマドラス
- 期末試験
教科書
特になし。
参考書
陣内秀信・高村雅彦(編)『水都学I~V』(法政大学出版局,2013-2016年)