フランス文学研究5
文学部 - フランス文学科
HFL57700
コース情報
担当教員: 中野 芳彦
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 水4
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
授業参加
リアクションペーパー
授業内期末試験
授業期間中
詳細情報
概要
19世紀フランスの作家ヴィクトル・ユゴー(1802-1885)は,数々の長編小説や詩集によってその名を知られています。しかしそれらの「フィクション」は,もっぱら娯楽に供するために書かれたわけではありません。政治社会活動のなかで得られた知見と問題意識とが,ユゴーのさまざまな作品の源泉となっています。同時代のほかの多くの有名作家と同じように,彼において文学と政治とは裏表の存在でした。今年2月に没したフランスの元法相ロベール・バダンテールが死刑廃止(1981年)にあたって議会演説で引用したのも,他ならぬユゴーの言葉(1848年9月15日の演説)だったのです。 本講義ではユゴーの代表的な政治テキストや議会演説を読むことで,この作家についてだけではなく,19世紀フランスの社会背景についても知識を深めることを目的とします。
目標
1)高度なフランス語を辞書を用いながら正しく読解できるようになる。 2)現代とは異なる社会状況のもとに書かれたテキストを,その背景を含めて調査・読解・理解できるようになる。 3)ひとつのテキストを著者の他ジャンルのテキストと相関させながら理解できるようになる。
授業外の学習
予習:指定した箇所について,辞書を引きながら訳文を作成しておくこと。また,不明点があれば必ずメモを取っておくこと。 復習:予習段階で得た疑問点について振り返り,あらためて辞書等にあたって理解を深めておくこと。また,授業を通じて新たに関心を持った事項について調査しておくこと。
所要時間: 予習・復習にそれぞれ2時間程度
スケジュール
- イントロダクション 授業であつかうテキストの性質,およびユゴーについての説明。履修上の注意点や評価方法など。
- 小説『死刑囚最後の日』序文(1832)(1)
- 小説『死刑囚最後の日』序文(1832)(2)
- 小説『死刑囚最後の日』序文(1832)(3)
- 旅行記『ライン河』結論部(1842)(1)
- 旅行記『ライン河』結論部(1842)(2)
- 教育の自由について〜立法議会における1850年1月15日の演説(1)
- 教育の自由について〜立法議会における1850年1月15日の演説(2)
- 教育の自由について〜立法議会における1850年1月15日の演説(3)
- リールの貧民窟〜立法議会における1851年2月・3月の演説(1)
- リールの貧民窟〜立法議会における1851年2月・3月の演説(2)
- リールの貧民窟〜立法議会における1851年2月・3月の演説(3)
- メキシコ戦争(1863年)
- 授業内試験
教科書
プリントを配布します。
参考書
Écrits politiques
著者: Victor Hugo
出版社: Le Livre de poche, 2002