文献演習B7
文学部 - フランス文学科
HFL54300
コース情報
担当教員: 小倉 博孝
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 月3
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
レポート
授業内期末試験
授業期間中
その他
授業への積極的な参加,レポート,期末試験等により総合的に評価する。よって評価基準・割合は微調整することがある。
詳細情報
概要
悲劇で描かれる登場人物と劇展開の特徴をローマ史に取材した作品の中で考察していきたい。扱う作品はジャン・ラシーヌの悲劇『ベレニス』(1670)である。ローマ皇帝になったばかりのティテュスと異国の女王ベレニスの恋が展開の中心におかれるが,登場人物の心理的葛藤はどのように生まれ,それが作品の悲劇性をどのように練り上げていくのか。それをテクスト分析を中心におきながら考えていきたい。その上で,同時代の作品,コルネイユ『ティットとベレニス』(1670),ラ・ファイエット夫人『クレーヴの奥方』(1678)との比較もまた,ラシーヌ悲劇の特徴を浮かび上がらせるのに有効であろう。 授業は,問題提示とそれに対する応答が中心軸となり展開される。受講生は問題に積極的に答え,さらに,自ら疑問の所在を明らかにしそれを提示していくことが求められる。問題点がどこにあるのかを常に明瞭にしながら,授業を進めていきたい。秋学期の講義,文献演習B8とは相互補完的であり,できれば一年をとおして受講するのが望ましい。
目標
登場人物と劇展開の関係を考察することによってラシーヌの劇作法の特徴をさぐる。また,この授業は作品読解とともに,作品が生まれた十七世紀フランスにおける文化的背景や「演劇」のあり方を考察し,「偉大な世紀」のフランス語,文学をすこしでも身近に感じるようにしていくことが目的である。
授業外の学習
毎回の授業のため,該当箇所を前もって読み,語彙等を調べておくことが要求される。予習・復習の時間の目安は,授業の倍程度である。
所要時間: 200分
スケジュール
- 以下は予定であり,授業の進捗状況により各幕にあてる回数は変更することがありうる。 授業内容・主旨の説明,古典主義演劇の誕生と発展(1)
- 授業内容・主旨の説明,古典主義演劇の誕生と発展(2)
- 『ベレニス』読解(第一幕)1
- 『ベレニス』読解(第一幕)2
- 『ベレニス』読解(第一幕)3
- 『ベレニス』読解(第一幕)4
- 『ベレニス』読解(第二幕)1
- 『ベレニス』読解(第二幕)2
- 『ベレニス』読解(第二幕)3
- 『ベレニス』読解(第二幕)4
- 『ベレニス』読解(第三幕)1
- 『ベレニス』読解(第三幕)2
- まとめ
- 期末試験
教科書
Moodleをとおして配布する。
Bérénice
著者: Jean Racine
参考書
書籍情報はありません。