英語学概説I
文学部 - 英文学科
HEL70120
コース情報
担当教員: 小河 舜
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金3
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
授業内期末試験
授業期間中
小テスト等
その他
全体の3分の1を超える欠席があった場合,単位取得不可。
詳細情報
概要
■ 現在私たちが触れている英語には,1500年以上の歴史があり,今の英語の性質や特徴は,その長い歴史の中で徐々に形成されてきた。ある人がそれまで何をしてきたのか,何を考えてきたのかを聞くと,その人のことをより深く理解できるようになるのと同様に,歴史的に英語を捉えることが,ひいては今の英語をより深く理解することに繋がる。本講義では,英語の始まりから現代英語まで,その歴史を辿っていき,それぞれの時代に見られる英語の特徴や変化を考察する。「なぜ英語の複数形は -sだけじゃないのか?」「なぜ英語の綴りはこんなに発音と違うのか?」といった疑問の答えは,英語の歴史を辿ることで見えてくる。 ■ 言葉の特徴やその変化を形作るのは,それを話す話者に他ならない。したがって,英語の歴史を理解することは,英語を話してきた(いる)人々や社会の歴史を理解することでもある。本講義では,特にそれぞれの時代の社会背景との繋がりに注目しながら英語の歴史を学ぶ。それぞれの時代に見られる英語の言語的特徴を把握するだけでなく,英語のルーツはどこか,人々が英語をどう捉えてきたのか,英語の変化にはどのような社会背景が関わっているのか,といった問題に取り組む。各講義では,それぞれの時代の英語の特徴や変化を論じ,最後にその時代の文章に実際に触れることで,講義内容の理解と定着を図る。
目標
・言語としての英語の歴史的変化とその特徴を,その話者の社会や歴史と関連づけて理解できるようになる。 ・現代英語を歴史的視点から考察し,英語学習の上で生じる疑問を解決することができる。 ・英語史の知識を現代英語の学習や指導に活かせるようになる。 ・現代の標準英語とは異なる特徴を持つ英語について,英語史の知識を利用して考察できるようになる。
授業外の学習
【予習】(60分程度) ・普段の英語学習で感じる疑問点を整理しておく。 ・次回授業で扱われる時代の歴史的背景を調べておく。 【復習】(130分程度) ・授業資料を読み直し,用語や概念の理解を深める。 ・授業で学習した特徴や現象,変化が当てはまる現代英語の例を考える。 ・学習した英語史の知識を使って説明が可能な現代英語の特徴を考える。
所要時間: 190分以上
スケジュール
- イントロダクション/印欧祖語から英語の始まり
- 古英語:「古英語」の成立背景と言語的特徴
- 古英語:ヴァイキングの侵入とその影響
- 中英語:ノルマン・コンクエストとフランス語の流入
- 中英語:英語の復活
- 近代英語:活版印刷とルネサンスが英語に及ぼした影響1
- 近代英語:活版印刷とルネサンスが英語に及ぼした影響2
- 近代英語:綴字改革運動とシェイクスピアの英語
- 辞書の編纂と規範文法
- 綴字と発音の乖離とその歴史的要因
- 語の意味変化と発音変化
- アメリカの英語とその特徴
- イギリス,オーストラリアの英語とその特徴
- World Englishesの時代へ:世界各地の英語とその特徴
教科書
パワーポイント,ハンドアウト教材を使用する。関連する資料は適宜授業内で指示する。
参考書
英語の歴史:過去から未来への物語
著者: 寺澤盾
出版社: 中央公論新社, 2008
英語教師のための英語史
著者: 片見彰夫, 川端朋広, 山本史歩子
出版社: 開拓社, 2018
A History of the English Language, (6th edition)
著者: Albert C. Baugh and Thomas Cable
出版社: Routledge, 2012