ENGLISH STUDIES SEMINAR 2
文学部 - 英文学科
HEL58104
コース情報
担当教員: 永富 友海
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火3
形式: 対面授業
レベル: 400
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
授業参加
レポート
その他
出席は必須のため上記の割合には加えていない。発表が当たっているのにやむをえず欠席しなければならない場合は,作成した課題を事前にグループの誰かに送り,代読を依頼すること。
詳細情報
概要
19世紀イギリス小説史においてメルクマール的な位置づけにあるJane Eyreの精読を通じて,当該テクストが持つ言語構築物としての力を楽しむと同時に,その言葉がヴィクトリア朝という時代のさまざまな言説とどのように響き合っているのかを探ることにより,本テクストへの多角的,立体的接近を試みる。副題に「自伝」とあるように,本テクスはご都合主義でメロドラマ的なプロット構成をものともせず,有無を言わせぬ力で読者を巻き込んでいくジェイン・エアの強烈な一人称語りの力によって成立する。ヒロインの語りを特徴づける抑圧と想像力は,シャーロット・ブロンテの独創性の産物であると同時に,時代のイデオロギーに関わる言説のなかで開かれ,読み解かれるべき特性でもある。本演習では,ブロンテが興味を抱いていた骨相学の言説に着目しながら,『ジェイン・エア』というテクストが秘めている欲望の構造を明らかにしてみたい。
目標
(1) 当該テクストの文学史的位置付け,関連する文化背景,ヴィクトリア朝の他の正典小説への影響関係についての基本的な知識を獲得する (2) テクストの丹念な精読を通して,キーとなる単語やフレーズ,概念に留意し,テクスト内で構築されている論理を把握する能力を身につける (3) ディスカッションをおこなうことで,各人の読みの修正を図ると同時に,新たな読みの切り口を探る訓練をおこなう (4) アカデミック論文の書き方の基礎を習得する
授業外の学習
最低限,次回に進む範囲までは読了のうえ,授業に臨むこと。翻訳を参照しても構わないが,必ず原文と突合せで予習をおこなうこと。授業前日に斜め読みするだけでは到底追いつかないので,時間をかけた精読を意識的に心がけるようにする。グループ・ワークに基づいた発表,ディスカッションを予定しているので,受講者各人の積極的な取り組みが求められる。
所要時間: 予習には3~4時間以上かけること
スケジュール
- Introduction まずは翻訳で構わないので,第二週目が終わるまでに全体のストーリーを押さえておくこと
- 以下,前半は鍵となる場面の精読(原典購読)をおこないつつ,関連の文化事象についての資料を読み,後半は,批評を参照しながら受講者による発表とディスカッションを中心に授業を進めていく。
- テクスト精読+関連の文化背景の学習
- テクスト精読+関連の文化背景の学習
- テクスト精読+関連の文化背景の学習
- テクスト精読+関連の文化背景の学習
- テクスト精読+ディスカッション
- テクスト精読+ディスカッション
- 批評文献読解+ディスカッション
- 批評文献読解+ディスカッション
- 批評文献読解+ディスカッション
- 批評文献読解+ディスカッション
- 発表
- 発表 MLA style及びターム・ペーパーの注意事項に関する説明
教科書
テクストは教員が一括購入するので,初回の授業で購入すること(代金については一斉メールでお知らせします)
Jane Eyre
著者: charlotte Bronte
出版社: Penguin, 2006
参考書
授業中に適宜紹介する。関連の文献については随時Moodleにアップする。