国際教育学演習 I*

総合人間科学部 - 教育学科

HED52700

コース情報

担当教員: 杉村 美紀

単位数: 2

年度: 2024

学期: 1クォーター

曜限: 火1, 火2

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

授業参加

40%

リアクションペーパー

20%

レポート

40%

その他

発表で提示された課題について議論を行うとともに,それを通じて学んだものを学期末にレポートにまとめます。発表では,自分の意見とは異なる立場に立つ場合もあり,物事を多角的に考えることの重要性と課題を考える機会になるため,ディスカッションを含めて授業への積極的な参加を期待します。

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詳細情報

概要

2024年度の国際教育学演習Ⅰは,秋学期に別途開講される国際教育学演習Ⅱとの兼ね合いを考慮しながら,「人間の保障と国際教育」をテーマにゼミを行います。人間の安全保障は,2030年を目標とした持続可能な開発目標(SDGs)の基盤となる概念です。授業では,「人間の安全保障」をめぐる国内外の文献および実践を検討することで,その意義と課題について考えます。 本演習では,参加メンバーの研究関心に基づき,特定のトピックを決め,共通文献や資料を参照に各回の担当者による発表(個人またはグループ)と議論を行い,国際教育学の研究課題と可能性を分析することを目的としています。1~2年次に国際教育学概論で学んだ知識や考え方を基礎に,課題に取り組むことで,事象を教育学的に読み解き問題解決の筋道を模索する能力,人間の尊厳を希求する態度,国際的な視野などを育みます。なお演習では,グループ討論を重視し,他者との議論やディベートを通して多角的に考察する経験を積むと同時に,協働して学ぶことの異議を合わせて習得できるようにします。講義を聴くだけではなく,議論を通じて様々な意見交換の場をもち,比較の視点を重視した学びができるように努めます。昨年度に続き,コロナウイルスの問題が様々な影響を及ぼしている現状をふまえながら,教育(学)が「持続可能な開発のための教育(ESD)」という観点からどのような役割と課題を担っているかに留意しながら議論を深めたいと考えています。 本授業は第1クォーターに実施いたします。1回の授業は2コマ続き(100分×2コマ)で原則として対面授業で実施する予定です。課題の設定や提出等はロヨラやMoodleを利用し,資料や映像を用いて進める予定です。またクォーターの終わりには,個別に面談を行い,学びの振り返りと秋学期以降の卒業論文研究に向けたフィードバックを行います。

目標

授業は,各参加者からの発表と全体での討論から成り,いずれも積極的な取り組みや発言が求められます。本演習では,課題に対して各人が問題の発見や解決に向けた調査分析を行う力とともに,グループのメンバーと協力して研究調査を進める調整能力を重視し,多角的・複眼的なものの見方・考え方を習得することを目指します。また模擬授業を参加者が経験することにより,自分の考えを発表するとともに,それをいかに他者に伝えるかということを実際に体験することで学びを深めます。具体的な到達目標は以下の通りです。 1)教育を含む社会事象に対して,様々な角度から課題を発見する力を養います。 2)演習での議論を通じて,国際教育に関するテーマについて多角的な視点や意見の差異,ならびにそれらを総括的にまとめる力を習得します。 3)課題に関する調査分析結果について,それらをレポートにまとめることを通じ,表現力,構成力,論理力を養います。

授業外の学習

1)前回の授業の振り返り(30分) 1)毎回の課題についての関連文献資料の予習を求めます。(80分) 2)調査分析と発表準備。(80分) 本演習の終了までに,秋学期から始まる卒業研究に向けての個別のテーマと方法論を模索し,研究計画を立てることを目指します。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. ガイダンス:本演習の趣旨と目的,参加者の自己紹介および問題関心の発表,今後の授業計画
  2. 国際教育学の枠組み 課題研究別発表の取り組み方
  3. 国際教育学の研究手法(1) 課題の発見と探求方法:社会と個人をめぐる教育課題のとらえ方
  4. 国際教育学の研究手法(2) 先行研究と研究課題の選定:教育課題にどうアプローチするか 「教育について研究するとは」(討論)
  5. 「人間の安全保障」概念の検討ー歴史的背景ー
  6. 「人間の安全保障」をめぐる具体的問題(討論)
  7. 「人間の安全保障と格差」に関する文献講読(1):澤村信英ほか編『SDGs時代に見る教育の普遍化と格差』(明石書店,2023年)から参加者の希望も踏まえて2つの章を選択・講読
  8. 文献講読(2) :同上文献より2つの章を選択・講読
  9. 文献講読(3):同上文献より3つの章を選択:講読
  10. 「人間の安全保障と多文化共生」に関する文献講読〈1〉:杉村美紀編『人の国際移動と国民国家』(明石書店,2017年)から2つの章を選択・講読
  11. 文献講読(2):同上文献より2つの章を選択・講読
  12. 参加者による調査分析発表(1) 課題文献を基に,発表者が問題設課題研究別発表定を行い,それに基づいて調査分析した内容を発表します。発表は個人別に行い,発表者以外の参加者は,発表に対してコメントを求めます。
  13. 参加者各人による調査分析発表(2)
  14. 参加者各人による調査分析発表(3)

教科書

〇持続可能な開発のための教育(ESD)に関する国内的・国際的動向については,次の文部科学省のサイトを参照。 https://www.mext.go.jp/unesco/004/1339971.htm 〇人間の安全保障全般については,以下の国連広報センターのサイトを参照。https://www.unic.or.jp/activities/humanitarian_aid/human_security/

    参考書

    • 多文化共生社会におけるESD・市民教育

      著者: 田中治彦・杉村美紀共編

      出版社: 上智大学出版,2014年

    • SDGs時代にみる教育の普遍化と格差

      著者: 澤村信英,小川未空,坂上勝基編著

      出版社: 明石書店,2023年

    • 移動する人々と国民国家:ポスト・グローバル化時代における市民社会の変容

      著者: 杉村美紀編

      出版社: 明石書店,2017年

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