国際教育学 II

総合人間科学部 - 教育学科

HED51600

コース情報

担当教員: 杉村 美紀

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 火4

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

50%

定期試験

定期試験期間中

50%

詳細情報

概要

本科目は,春学期の国際教育学Iでとりあげた国際教育をめぐる制度や政策の歴史的背景を基に,多文化教育の領域に焦点をあて,発展途上国を含む諸外国および日本における多文化共生社会構築の課題を考えます。授業では,各事例の比較を重視することにより,比較研究方法の特質と課題についても考察します。こうした分析の視点においては,持続可能な開発目標(SDGs)の中で議論されている多様性と包摂性,平等と公正の概念が重要になります。こうした一連の検討をふまえ,多文化教育学ならびに関連する諸学に関する幅広い知識を身につけ,人間尊重 の教育を実現する筋道について総合的・多角的に考究し,自らの考えを的確に表現する能力ならびに 国際的な視野を習得することを目指します。

目標

本講義は,国際教育学の中でも特に多文化共生と教育の問題に焦点をあて,さまざまな事例を基に考察する科目であり,細かな知識事項を覚えるというよりも,多様な事象を比較・総括し,そこから共通課題を見出す総合力を習得することを目標とします。本授業の到達目標は以下の通りです 1)多文化主義及び多文化教育に関する様々な事例をとりあげ,現代社会における多文化共生をめぐる状況と問題点を把握する。 2)多文化共生をめぐる諸事象を比較考察することにより,比較研究の方法的特徴を習得する。 3)最終レポート作成を通じて,比較検討の結果を研究レポートとしてまとめる技法を習得する。 4)比較研究を行うことにより,一つの事象を多角的に捉えることの意義を確認するとともに,批判的思考の基礎を習得する。

授業外の学習

授業の進度にあわせて参考書を講読するほか,多文化共生と教育にかかわる事例に日頃より注意を向け,多文化教育の観点からどのような点が課題となるかを検討します。また,昨今深刻化している移民や難民の問題は本授業の内容とも深くかかわります。国際社会における多文化共生社会の構築と教育の役割にかかわるテーマを軸に,関連するニュースや事象に広く目を向けることを期待します。また次回の授業と関連した課題文献を事前に目を通し,毎回の小課題(リアクションペーパー)の他,学期の学期の最後には,最終レポートを課します。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. ガイダンス: 国際教育学における多文化教育
  2. 多文化主義と多文化教育
  3. 多文化教育と比較の視点
  4. 多文化教育と言語(1)アメリカの事例
  5. 多文化教育と言語(2)カナダの事例
  6. 多文化教育と宗教(1)フランスの事例
  7. 多文化教育と宗教(2)ドイツの事例
  8. 国民統合と多文化教育:マレーシアの事例
  9. 経済発展と多文化教育:オーストラリアの事例
  10. 多文化共生と開発教育
  11. インクルーシブ教育
  12. 日本における多文化教育(1)オールドカマーと教育
  13. 日本における多文化教育(2)ニューカマーと教育
  14. 多文化共生社会の構築と国際教育学

教科書

教科書は特に指定しません。教材や資料等はMoodleを通じて配布いたします。

    参考書

    • 民主主義と多文化教育:グローバル化時代における市民性教育のための原則と概念

      著者: ジェームズ・A・バンクス

      出版社: 明石書店,2006年

    • 日本に住む多文化の子どもと教育:ことばと文化のはざまで生きる

      著者: 宮崎幸江(編)

      出版社: 上智大学出版,2014年

    • 移動する人々と国民国家:ポスト・グローバル化時代における市民社会の変容

      著者: 杉村美紀(編)

      出版社: 明石書店,2017年

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