学校臨床社会学 I
総合人間科学部 - 教育学科
HED20900
コース情報
担当教員: 酒井 朗
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金1
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
出席状況
20%
授業参加
10%
リアクションペーパー
30%
レポート
40%
詳細情報
概要
現代社会の教育に関わる諸問題や諸課題ならびに学校内部のミクロな相互作用や教師・生徒の教育経験を扱う研究に関する理論および質的方法論について講義する。また,教育社会学と教育現場との関係の問い直しから,臨床的なアプローチの必要性が指摘されてきた経緯についても講義する。 具体的なテーマは,いじめや不登校,非行・逸脱などの「児童生徒の問題行動」や,外国人の子どもの教育問題,学力格差をめぐる問題,教師生徒関係の成立,教師のライフストーリーなどを扱う。
目標
1.教育社会学における臨床的アプローチの意義と課題について理解する。 2.問題行動の原因に関する諸理論について理解する。 3.学校内部の研究の基本的な問題関心と研究分野の広がりについて理解する。 4.学校をフィールドとした調査研究の方法論について理解する。
授業外の学習
授業で指定した教科書の該当箇所やムードルに挙げた論文を読んでくること。また,次の講義で扱うトピックについて調べてくること。 また,授業で扱うテーマのうち1つについて先行研究を読みレポートをまとめることが課題の1つとなる。
所要時間: 190分
スケジュール
- イントロダクション:教育問題に対する社会学的視点の有効性と臨床的アプローチの意義
- 教育的日常を支えている物語の異化:不登校を事例に
- 不登校・長期欠席問題をめぐって
- 教育問題の構築 ・学校に行かない子ども,児童虐待,ヤングケアラー
- いじめ問題について ・いじめ調査の開始,いじめ問題への社会学的アプローチ
- いじめが生み出される人間関係
- ジェンダーと教育(1) ・ジェンダーと教育研究の展開,教育社会学におけるジェンダー研究
- ジェンダーと教育(2) ・性の多様性と学校教育
- グローバル化がもたらした問題(1) ・グローバリゼーション・国際労働移動・外国にルーツをもつ子ども
- グローバル化がもたらした問題(2) ・外国人の子どもの就学,不就学,学校適応問題,移住者のアイデンティティ問題
- 教師の社会学 ・職業としての教師,日本の教師の役割,教師の多忙化
- 教員のメンタルヘルス,教師の働き方改革,
- 学校内部の諸過程を対象とする社会学的研究
- 教育研究における質的研究,講義のまとめ
教科書
酒井朗・多賀太・中村高康編『よくわかる教育社会学』ミネルヴァ書房,2012
参考書
『教育臨床社会学の可能性』
著者: 酒井朗
出版社: 勁草書房,2014
『新・教育の社会学-<常識>の問い方,見直し方』
著者: 苅谷剛彦・濱名陽子・木村涼子・酒井 朗
出版社: 有斐閣,2023