国際教育学 I
総合人間科学部 - 教育学科
HED11100
コース情報
担当教員: 杉村 美紀
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 火4
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
定期試験
定期試験期間中
その他
授業で使用する資料には,特にユネスコの文書など英語で書かれたものや準備された映像を含みます。
詳細情報
概要
国際教育学は,教育事象に国際関係,地域間関係がどのような影響を及ぼすか,あるいは逆に教育がどのような役割をになっているかを明らかにしようとする教育学の一領域です。本授業では,前半で国際教育学の諸分野で論点とされる開発と教育,国際理解,教育文化交流,多文化共生と教育の各側面をとりあげ,それぞれの制度や政策の歴史的展開と課題を整理します。授業後半では,特に教育問題をめぐる多国間関係,国際移動と教育,トランスナショナル教育,教育における国際地域連携の事例をとりあげ,その現代的意味と課題を検討します。なお,これらの観点のうち,「多文化共生と教育」については,2024 年度秋学期に開講する国際教育学Ⅱでとりあげます。このように, 国際関係では,国内外の人間と教育を巡る諸問題を教育学的 に考察するとともに,人間尊重 の教育を実現する筋道について総合的・多角的に考究し,自らの考えを的確に表現する能力 や国際的な視野を習得します。 本授業は基本的に講義形式を中心としますが,授業の中では適宜,話し合いやグループワークを取り入れるようにします。また単に講義を聴くだけではなく,また講義内容に関する知識や理解の定着と振り返りを目的として,適宜リアクションペーパーの作成を課します。課題の提示や提出,資料の掲示にあたってはMoodleを利用しますので,参加者はMoodle内にある本科目のサイトに事前に登録をお願いします。また実際の授業では,教材や資料をZOOM上で共有して検討することを前提として授業を進めます。
目標
本授業の到達目標は以下の通りです。 1)国際教育学の学問的特徴と領域について基礎的知識を習得する。 2)授業で取り上げるトピックを通じ,国際関係の中での教育の役割について多角的・多面的な分析力と理解力を習得する。 3)国際教育学に関係する関連領域の学問分野と関連づけながら,学際的な学びの特徴と課題を明らかにする。
授業外の学習
1)前回の授業でとりあげた内容を振り返るとともに,疑問点などがあればまとめておく。あわせて授業時に配布する資料に目を通す。(70分) 2)授業で示された課題に取り組む(80分) 3)日常生活で目にする国際教育学と関連する事象を整理する。(40分)
所要時間: 190分
スケジュール
- ガイダンス:教育学における国際教育学の位置づけ
- 国際教育の歴史的背景
- 国民国家と国際教育
- 国際教育学と国際理解教育
- 人間の安全保障と国際教育
- 教育内容をめぐる国際関係:平和構築と教育
- 国際教育協力
- 国際社会の動向と国際教育(1):持続可能な開発目標(SDGs)と教育
- 国際社会の動向と国際教育(2):持続可能な開発のための教育(ESD)
- 多文化共生社会の実現と教育:インクルーシブ教育
- 多文化共生社会の実現と教育:平等と公正
- 国際交流と教育
- 国境を越えるトランスナショナル教育と多国間・地域連携と教育
- 国際教育学と「教育の未来(Future of Education)」
教科書
教科書は特に指定しません。授業では参考文献のほか,授業内容に応じて適宜資料をMoodleで 提示します。
参考書
日本で出会う世界:国内で実現する短期集中型国際研修
著者: 櫻井勇介,文 景楠,佐藤亮司,杉村美紀/編
出版社: 上智大学出版,2020年
多文化共生社会におけるESD・市民教育
著者: 田中治彦,杉村美紀編
出版社: 上智大学出版,2014年
国際社会学入門
著者: 石井香代子編
出版社: ナカニシヤ出版,2017年