文化人類学に学ぶインタビューの方法
共通 - 全学共通
GST20260
コース情報
担当教員: 相田 豊
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 月4
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
小テスト等
その他
レポートは中間レポート(1500字以上)を20%,期末レポート(3000字以上)を30%とする。
詳細情報
概要
わたしたちは,日常会話の中で,単に情報の交換をするだけでなく,時にそれぞれの「体験談」を話したり,聞いたりして生活している。素敵なカフェに行ったときの様子の語り。中学生時代にしたいたずらの話。朝,電車が遅延してぎりぎりに授業に駆け込んだ時の武勇伝。私たちの生活の中には,私たち自身についての物語が満ちている。 しかし,改めて考えてみるとどうして人は,こんなにも物語好きの生き物なのだろうか?これらのふつうの人のふつうの物語にはそもそも意味があるのだろうか。そこから私たちは何を知り,あるいは,学術的に把握することができるのだろうか。 実は,文化人類学という学問は,様々な人の様々な経験談を聞きながら,世界中のいろいろな人が考えていることや,生きていることの不思議を解明しようとする学問である。この授業ではこの文化人類学が持っている「文化人類学的インタビュー」の方法に学ぶことによって,生涯にわたる学びの基本となる「他者から学ぶ」ための方法,より具体的に言えば,他者の語りに耳を傾け,そこから自分の思考を書き起こしていく方法を学んでいく。 授業ではまず,文化人類学や社会学の質的調査におけるインタビューのあり方について,具体的な調査事例などを示しながら,講義を行う。この講義では,インタビューの現代的意義や,その分類や分析法,具体的な実施手順や倫理的側面などのトピックが扱われる。 その上で,授業内でテーマを決め,履修生それぞれにインタビュー調査を行い,中間レポートとしてまとめる作業を行う。さらに,授業内で中間レポートの相互評価を行い,そこでの意見交換をもとに,期末レポートを各自作成する。
目標
(1) 他者に対して謙虚な姿勢で接し,他者から学ぶことができる学習者となるための基本的な姿勢や方法を身につけること。 (2) 文化人類学・社会学のインタビューの方法論の学習を通じて,他者の語りに耳を傾け,「聞く」ために,必要に応じて自分なりの方法を組み立てることができるようになる力を養うこと。 (3) インタビューの背景にある文脈や社会的背景,各個人の人生史などを踏まえて,他者の語りを深く解釈し,また厚く記述できるようになること。 (4) インタビューの内容を聞き手と自分を留めず,公共知にしていくために,他者との協働の中で,学術的な文章を書く力を養うこと。
授業外の学習
コメントペーパーを授業後に毎回提出する必要がある。また,毎回の授業冒頭で,前回の授業内容についての小テストを行うので,復習が求められる。 授業の後半では,自ら調査協力者を探してインタビューを実施することになるので,相応の負担があることを理解しておくこと。
所要時間: 190分
スケジュール
- ガイダンス/今なぜインタビューなのか?
- 文化人類学的インタビュー
- インタビューの文脈と解釈
- インタビューの倫理
- インタビューの実施手順
- 研究計画を立てる
- 調査分析を進める(1)
- 調査分析を進める(2)
- 中間レポートをまとめる(1)
- 中間レポートをまとめる(2)
- 中間レポートを発表する
- 期末レポートを仕上げる(1)
- 期末レポートを仕上げる(2)
- まとめ
教科書
適宜,授業内で参考資料を配布する。
参考書
適宜,授業内で参考資料を紹介する。