哲学対話

共通 - 全学共通

GST20190

コース情報

担当教員: 梅田 孝太

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 木2

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

授業参加

15%

リアクションペーパー

15%

レポート

40%

その他

ワークシート(全8回提出)

30%

詳細情報

概要

この授業の内容は,「哲学対話」ないし「哲学プラクティス」の名で近年注目を集める対話型の知的探求のあり方についての理論と実践知を学ぶ,というものです。 「哲学対話」とは,哲学的な問いをめぐって他者とことばを交わし,共にじっくり考えることによって「探求の共同体」を形づくる,対話型の知的探求の実践のことです。参加者はその実践を通じて,自己と世界についての見方を豊かにすることができるだけでなく,多様性を認めつつも対話によって意思決定をしていく共生社会の理念や,批判的・自律的な思考の重要性を学ぶことができます。なお,今日の「哲学対話」のあり方は,1960年代以来アメリカの哲学教育の現場で育まれてきたP4C(Philosophy for Children)についての研究成果を基礎としつつ,国内外での多様な実践の成果を取り入れて発展してきたものです。 受講生は教科書の内容を授業時間外に自ら学修してワークシートにまとめて提出する必要があります(反転学習方式)。授業では担当教員によるレクチャーを通じて理解を深めた上で,哲学対話のグループワークで実践的に学びます。1グループは8人程度で,メンバーは毎回ランダムで決定し,ファシリテーターも受講生が務めることを想定しています。 単位認定はワークシートの内容および授業参加の姿勢,期末レポートで判断します。期末レポートの内容は哲学的なトピックについてのエッセイではなく,哲学プラクティスについての研究報告とします。 *授業は日本語で行い,資料配布などのためにMoodleを利用します。 *授業の順序や内容の細目は予告なく変更される可能性があります。

目標

この授業のねらいは,受講生が知的探求の場において互いの自由と多様性を認め合う知的安全性について理解し,またそれを実現できるような対話的態度を身につけ,哲学対話の方法に習熟することにあります。そのために,この授業を通じて受講生に求められるのは,哲学的な対話の空間を実現するためのさまざまな実践方法についての知識を獲得し,グループワークの円滑な実施に協力し,自由な対話の場を自らデザインできる実践能力を身につけ,自ら問題意識を持って哲学対話について研究し,その成果を明晰に提示することです。

授業外の学習

毎週190分以上の授業時間外学習時間を予定し,指示された教科書の部分を読み,その内容をワークシートにまとめて授業時に提出してください。また,レポート執筆に向けてさらなる文献調査を行い,哲学プラクティスについて各自のテーマに沿って研究を進めて進めてください。

所要時間: 190分以上

スケジュール

  1. オリエンテーション 授業概要と評価方法,哲学対話および哲学プラクティスについての概括的説明 *授業の順序や内容の細目は予告なく変更される可能性があります。
  2. 哲学対話の歴史/哲学対話①「友達」(コミュニティボールの活用)
  3. 哲学対話の目的①/哲学対話②「幸福」(ホワイトボードの活用)
  4. 哲学対話の目的②/哲学対話③「正義」(見て学ぶ,対話に参加する)
  5. さまざまな哲学プラクティス①問いをつくるワークショップ
  6. 哲学対話の方法①/哲学対話④「かわいい」(フィロソフィーネームの活用)
  7. 哲学対話の方法②/哲学対話⑤「プライド」(見て学ぶ,対話に参加する)
  8. 哲学対話の方法③/哲学対話⑥「国」(レポートに向けた準備I)
  9. 哲学対話の方法④/哲学対話⑦「愛」(レポートに向けた準備II)
  10. さまざまな哲学プラクティス②絵本鑑賞✕哲学対話
  11. さまざまな哲学プラクティス③道徳問題✕哲学対話
  12. さまざまな哲学プラクティス④哲学相談および対話型鑑賞
  13. さまざまな哲学プラクティス⑤社会問題✕哲学対話
  14. 探求の共同体とは何か/総括

教科書

河野哲也(2020)『ゼロからはじめる哲学対話 哲学プラクティス・ハンドブック』(ひつじ書房)

  • ゼロからはじめる哲学対話 哲学プラクティス・ハンドブック

    著者: 河野哲也

    出版社: ひつじ書房・2020年

参考書

授業時に参考⽂献を提示します

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