日本のアニメ作品・アニメ製作の研究

共通 - 全学共通

GSS30390

コース情報

担当教員: 川口 茂雄

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 月5

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

出席状況

15%

リアクションペーパー

20%

レポート

65%

その他

中間レポートと,期末レポートとが設定される予定。 中間・期末レポートにおいては,通俗的な語彙ではなく,専門的・研究的に適切な語彙を用いることが求められる。 (大学三年生以上の人にとって特段困難なレベルのことを求めているわけではないが,語彙の研鑽が十分でないという自己認識のある学生は安易な受講は控えたほうがよい。)

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詳細情報

概要

アニメ作品がアニメ作品として創り上げられてゆくクリエイティヴな側面について,またそうした作品をプロデュースするビジネス・産業としての側面について,基礎的な知識を身につけ,あわせてその実際のあり方を学ぶ,高学年向け授業。 21世紀に入って以降,飛躍的に国内外で注目を高めている日本のアニメ作品(特にいわゆる深夜アニメ作品)およびその製作について,研究的・専門的な視野を獲得することを目標とする。 アニメは総合芸術であり,部分においては小説・絵画・音楽といった芸術諸分野と共通しつつ,総体においてはオペラ・人形浄瑠璃・バレエ・ミュージカルなどと類似した総合性を特徴とする。そのためアニメ作品の分析・研究には,学際的な視座が必要とされる。この授業では,アニメ作品の構成要素について,また作品の成り立ちおよび作品解釈について,方法論と語彙を受講者に取得してもらう。 あわせてアニメは近年,産業としてもいっそう大きな存在感を示している。一方で,デジタル制作技術の進展や国際的な視聴者層の広がりは,同時に,先人が積み重ねてきた既存の表現手法の衰退や,過度な経済的競争といった必ずしもポジティヴではない面をも有する。アニメ作品の製作の持続的な未来を展望するための的確な知見を,これから社会人となってゆく受講者の方々に是非,この授業を通して確保しておいていただければと願う。 授業は輪講形式で実施し,学術研究者による理論的観点からの基礎的な講義にくわえて,アニメ作品制作に携わる演出家,企画に携わるプロデューサーなどを講師として招き,受講者がアニメについて具体的に理解を深められるよう授業設計する。 そのぶん,アニメ作品について一定程度以上の関心を有していることは受講者に前提として求められている。高学年向け科目として,意欲ある受講を期待したい。

目標

1)アニメ作品についての一定水準での理解力・鑑賞力を獲得し,かつ,作品理解を適切な語彙で言語化できる力を習得すること。 2)小説,絵画,マンガ,舞台演劇,実写ドラマ等の他表現ジャンルとアニメ表現の共通性と差異を理解し,言語化して説明できる力を養うこと。 3)消費者としての視点だけでなく,制作者の視点から作品制作における重要な事柄,必要不可欠な事柄,難しい事柄,高度な事柄などについて着眼できるようになること。 4)アニメ産業の国内外での拡がりを,正確な知識でもって一定程度に把握できるようになること。あわせて,各受講者のキャリアデザインに資する知見を獲得すること。

授業外の学習

授業内容に関連する作品の視聴と分析に十分な時間を割くことと,製作の構造の理解,それらを言語化して説明できるようになるための語彙の研鑽習得が求められる。(その余力と意欲がない者は受講しないほうがよい。)

所要時間: 190分 (上記参照)

スケジュール

  1. イントロダクション 【川口茂雄】 ※以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数は変更することがあ りうる
  2. 近接表現分野との関連:オペラ・人形浄瑠璃・バレエ・ミュージカル 【川口】
  3. 理論的視点① 画面と構図 【川口】
  4. 理論的視点② 編集と時間 【川口】
  5. 理論的視点③ 視覚的なものと非-視覚的なもの 【川口】
  6. プロデュースの実際 【藤本紀子(プロデューサー)】
  7. 絵コンテとは 【榎田敬宏(演出家)】
  8. 演出の仕事 【榎田敬宏】
  9. 絵と音を総合する 【榎田敬宏】
  10. 作品企画の練り上げ 【村山真大(企画営業・プロモーター)】
  11. 広告・関連商品等の展開 【村山真大】
  12. 《異世界もの》作品とライトノベル 【加藤之敬】
  13. 《異世界》が表現するもの 【加藤之敬】
  14. 学期のまとめ 【川口】

教科書

下記参照

  • 〈戦い〉と〈トラウマ〉のアニメ表象史 ――「アトム」から「まどか☆マギカ」以後へ

    著者: 森茂起・川口茂雄(編)

    出版社: 日本評論社・2023年

参考書

書籍情報はありません。

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