グローバルベンチャープログラム
共通 - 全学共通
GSS30360
コース情報
担当教員: 高橋 透
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 月5
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
その他
定期試験は行いません。成績は毎回の受講レポート内容,個⼈レポート(事業計画書)を重視します。出席状況は毎回の受講レポートの提出を通じて確認します。基本的に全日出席が前提です。(健康上の理由などは除きます) レポートは日本語以外に,英語でも受け付けます。 ・毎回の授業での簡単なレポートの提出を義務とします。提出⽅法は指定OneDriveフォルダへのファイル提出とします。OneDriveのURLは初回授業1週間前までに Loyola「授業掲⽰板」に掲出します。 ・最終課題は講師指定メールアドレス宛に提出してください。メールアドレスは,最終課題提出⽅法詳細と共に Loyola「授業掲⽰板」に掲出します。 ・各回の受講レポート,最終課題ともに,提出⽅法の詳細は必ずLoyola「授業掲⽰板」をご確認のうえ指⽰通りにご提出をお願いします。
詳細情報
概要
【講義概要】 ・大企業,政府,行政,非営利組織,組織の目的,形態に関わらず,社会や利害関係者の変化を先取りし,これまでにないイノベーティブな製品・サービスを企画し,立ち上げること,つまりベンチャーマインドと知識・スキルは,社会で生き残るうえで重要なコンピテンシーといえます。どの学校,どの会社組織に属するかということよりも,「あなたはどのような新しい価値をつくりましたか」が問われる時代になっています。 ・イノベーションの重要な環境トリガーはグローバル社会とそれを加速化するIoT(モノのインターネット)やAI(⼈⼯知能)などのDX(デジタル・トランスフォーメーション)です。コロナ後はさらにSDGsの観点が巨⼤な投資を呼び込み,⼤きな時代の転換期を迎えています。グローバル社会では,政治・経済,⾦融に関わらず格差問題,環境問題などの社会課題までもがグローバルにネットワークされることで,これまでにない新たな⽂脈の事象が創発される現象が私達の⾝近なところで起こっています。このような潮流は社会や私たちの⽣活や働き⽅を⼤きく変え,新たな顧客経験価値を創発しています。 ・本学の創立の起源は1549年聖フランシスコ・ザビエルであり,また本学の創立は,イギリス人,ドイツ人,フランス人の3人のイエズス会士の努力によるものです。我々の先人はそれぞれの社会のグローバル化の潮流を先取りし,大胆な挑戦をしてきた人達です。地域,国家を超え,新たな智のネットワークをつくることで,グローバル社会を切り開いてきたといえます。現在の我々のグローバル社会は,いくつもの厳しい課題を突き付けられています。新型ウイルスによるパンデミック,保護主義による経済戦争,各地で止まない紛争とその犠牲,経済優先主義による格差社会,AI,IoTなどの情報技術をいかに適正に制御するかなどの社会課題です。 ・本プログラムは,学生の方々に,様々なグローバル社会の課題を認識していただき,自分自身の可能性を感じ取り,イノベーティブなことに挑戦する機会とその方法を提供し「新たなグローバル社会を切り開くイノベ―ターの育成」を目指すものです。そのために授業では自分自身が考える社会課題解決,新しい顧客経験価の実現としてのイノベーションを構想するワークショップを中心に進めます。ワークショップは,テキスト,参考文献をツールにして,ディスカッションや社会課題解決の演習を通じて,事業構想・計画書を作成いただき周りを説得するインベーダーとしての「学習力」を身につけていただきます。
目標
本プログラムは,学生の方々に,グローバル社会での個⼈の可能性を感じ取り,イノベーティブなことに挑戦することを,ディスカッション,実在する社会課題,ビジネス課題解決の演習を通じて学んでいただき,「グローバル社会に貢献するイノベ―ターの育成」を目指すものです。 1.AI,IoTなどのDX時代のイノベーションのあり⽅について未来志向で考える 新たな社会文脈でかつ確実に影響力を持つDXは,我々の社会にどのような影響を与えるのかを自らの視点で考え,イノベーションの起こし⽅を考察する。DXは人類の歴史の中で,どのような位置づけにあるのかを,専門横断的,学術的に検討し,その意味を考えてみる。 2.フィジカルなモノやサービスの提供だけでなく,顧客の自己実現など精神面の満足を重視した「顧客経験価値」の企画構想とそのための顧客・市場観察,顧客との共創などを行う。 3.社会課題の解決を前提に,学生自身が発想した事業アイデアを題材に,イノベーションを起こす事業提案を企画構想し提案する グローバル社会の社会課題を分析し,その課題解決のために学生自身が事業アイデア,そして事業提案を企画構想し,事業計画を書き上げる体験をする。事業提案を企画する過程で,対象に対し,主観的,客観的な関わりを持ち,新たな顧客・社会経験価値を創造する。その顧客・社会経験価値を実現するビジネスモデルを構想し,投資計画,利益計画を立て,財務的シミュレーションを行い,そこからみえたリスクを分析し,対応策を検討する。 4.事業計画作成のプロセスを通じて,社会課題の分析,顧客経験価値の分析,パーパス設定や,イノベーションに必要な思考,学習力を身につける 事業計画策定におけるテクニカルな知識・スキルは当然ですが,その前提となる社会課題の分析や,その課題解決の視点となるパーパスの設定や,その社会課題を解決するためのイノベーションに必要な思考,学習力,さらには学習の方法を学ぶ。
授業外の学習
個人でビジネスプランを作成するための情報収集,分析,企画のワーク(190分)
所要時間: 190分
スケジュール
- ベンチャーに最も重要なのは社会課題の設定と新たな顧客経験価値の創造 ・世界はどう変わってきたか?DXでこれからどう変わっていくか ・その中で個⼈はどう生きるべきか?何を目指すべきか? ・個人と社会,組織全体の関係 ・新たな顧客経験を創造できるかが勝負 ・クリエイターやイノベーターのマインド,思考,行動が重要 ・貢献の対処を「グローバル社会」として広い視野を持つ ・社会全体のコンテクストを読む ・デジタル社会のイノベーションのあり方
- 個人でのテーマの設定 ・スタートアップのマインド,思考,事業機会の発見(第1回振り返り) ・チームビルディング ・アイスブレイク ・自分を表現する,相手のことを知る,関心をもつ ・自分自身を顧客と見立て顧客経験価値を想像してみる ・チームとして目的,目標を持つ ・チームでのビジネスプラン作成に関して
- 仮説設定のための思考法 ・イノベーション発想の基本「デザインシンキング」「ロジカルシンキング」「システムシンキング」 ・デザインシンキングで顧客経験価値の発見力を磨く ・ロジカルシンキングで本質思考を深める ・システムシンキングでモデル発想をする ・3つの思考法を活用したコンセプト原型作成の実習
- イノベーション仮説の4つの視点 ・イノベーション仮説の4つの視点とは ・顧客経験価値仮説(顧客の経験のインサイト) ・コア技術,コアコンピタンス仮説(強みを異なる視点で捉え直す) ・エコシステム・ビジネスモデル仮説(新文脈) ・3つのイノベーション仮説を文脈化するマクロトレンド,世界潮流 ・イノベーション仮説の作成実習
- 社会・顧客経験価値の企画 ・顧客は製品・サービスを購入するのではなく,経験価値を購入する ・顧客経験価値の5つのラダー ・Fell(感覚) ,Sense(感情),Think(思考),Act(行動),Relate(関係,共有) ・顧客経験価値デザインのフレームワーク ・顧客経験価値でデザインのためのデザインシンキング ・カスタマージャーニーマップ
- 事業コンセプトの企画 ・事業コンセプトとは新たな文脈である ・仮説をベースにしたアイデア発想とコンセプト原型 ・コンセプト原型から事業コンセントへ ・コンセプトテスト修正
- ビジネスモデル戦略 ・製品・サービス戦略とビジネスモデル戦略の違い ・ビジネスモデル戦略とは何か?その本質は? ・顧客経験価値を想像する ・情報,データの点を結び付け,オープンシステムを構想する ・何をプラットフォームにするか? ・ビジネスモデル企画の4つの条件
- 仮説検証のための市場調査と分析 ・社会の大きな文脈を分析するマクロトレンド分析 ・産業の文脈を分析するエコシステム(業界構造)分析 ・顧客経験価値を分析する顧客調査の基本 ・競合企業の文脈を分析する競合企業調査 ・すべての文脈から事業成功要因を見つける
- マーケティング戦略 ・デジタルマーケティング戦略の全体像 ・顧客経験価値を基軸にする ・SNS(シェアドメディア)オウンドメディア(ブログ,メールマガジンなど)アーンドメディア(メディア番組,プレスリリース)ペイドメディア(広告,展示会,PR記事)などの活用戦略 ・専門知識,情報の重要性(ターゲット領域の第一人者になる)
- 事業計画の策定 ・なぜ事業計画は必要か ・ベンチャー企業の事業計画はどうあるべきか ・少ない資源で成功を勝ち取るための逆転の戦略発想(グローバル・ベンチャーの戦略発想) ・経営理念,ビジョン,人・組織,オペレーションマネジメント,業績管理の方法 ・事業戦略の基本と作成フロー ・事業計画,利益計画の基本,リスクマネジメント
- 顧客経験価値を検証するPoC(概念実証:Proof of Concept)の企画 ・PoC(概念実証:Proof of Concept)とは何か? ・PoCでは顧客経験価値とビジネススモデル仮説が重要 ・顧客経験価値を実現するKPIを明確にする。KPIの立て方 ・KPIの検証方法 ・事例:スマートフォンを利用した顧客経験価値のPoC
- プロから見た事業計画の評価とプレゼンテーション ・ベンチャーファンドの方の講演「ベンチャーファンドは事業計画の何を評価するのか」 ・ベンチャー投資の仕事とは ・どのような企業,人が投資対象となるのか ・事業計画に必要な要素(イノベーティブか,市場はあるか,競合との違いはなど) ・ベンチャーを始める,勤務することで何を身につけるか ・事業計画のプレゼンテーションの方法 ・プレゼンテーションの狙いとゴールとは何か? ・決められた時間で何を話すか ・プレゼンから何を学ぶか
- ベンチャービジネスの事業計画とプレゼンテーション(選抜)※2回にわたり実施 ・事業計画の評価視点 ・優秀者プレゼン,質疑 ・プレゼン7分,質疑8分,ジャッジ ・講師による評価,コメント ・プレゼンからの教訓抽出 ・表彰
- ベンチャービジネスの事業計画とプレゼンテーション(選抜)※2回にわたり実施 ・事業計画の評価視点 ・優秀者プレゼン,質疑 ・プレゼン7分,質疑8分,ジャッジ ・講師による評価,コメント ・プレゼンからの教訓抽出 ・表彰 ・まとめ講義 「グローバル・ベンチャー」で学んだことをいかに人生に活かすか
教科書
「顧客経験価創造のための商品開発入門」(高橋透著・中央経済社)を使用します。テキストは授業1週間前までに Loyola「授業掲示板」 で提供します。授業の情報は全てLoyola授業掲示板に掲示しますので,必ず確認してください。
顧客経験価創造のための商品開発入門
著者: 高橋透
出版社: 中央経済グループパブリッシング・2013年
参考書
書籍情報はありません。