科学技術と国際関係
共通 - 全学共通
GSS30210
コース情報
担当教員: 齊藤 孝祐
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 月3
形式: 対面授業+オンライン授業(オンデマンド授業,同時双方向型授業(Zoomなど)) /Alternating face-to-face & A
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
その他
ディスカッションへの参加を評価する。
詳細情報
概要
現代国際関係の展開を理解するうえで,科学技術がはたしてきた役割を無視することはできない。他方,理学・工学にたずさわる研究者も,国際関係や政治の諸問題が科学技術のあり方に影響する側面を意識することの重要性が昨今大きく高まっている。科学技術は,人類社会が抱える様々な問題を解決する重要な手段として発展してきた一方,それ自体が過去にはなかった課題群をもたらすことにもつながってきた。それは安全保障,経済,環境などの諸分野において,しばしばパワーや利益,規範の様相に少なからぬ影響を及ぼすと同時に,その結果として科学技術の発展や利用のあり方,そしてそれらの規制をめぐり,単なる技術論を超えた議論を国内外において喚起する。この講義では,冷戦期から冷戦後にかけての急速な科学技術の発展の中でもいくつかの重要なテーマを取り上げながら,現代国際政治における科学技術問題の位置づけについて理解を深めていくことを目指す。
目標
本講義を通じて,下記の目標を達成することを目指す。 【知識の習得】国際政治学を中心に,社会科学的な視座から科学技術の問題にアプローチするための基本的な知識を習得する。 【知識に基づく理解】そのような知識(枠組み)に基づいて,科学技術の発展が現代の国際関係にもたらす諸問題,また,社会動向が科学技術のあり方に影響を与えるプロセスを理解することができるようになる。 【知識・理解に基づく立論】国際関係の動きと科学技術の発展との関連性を踏まえて,社会と科学知・技術開発のあり方をめぐる論争について整理し,その中で自らの立場や考えを主張することができるようになる。
授業外の学習
・講義内容をふまえて資料や関連文献を調査し,リアクションペーパーを作成する。(60分程度) ・講義で紹介した文献,自分の関心に基づいて選択した論文や政策文書などを読み込み,講義内容を自身の知識として組み立てなおす。(130分程度) ・このほか,科学技術をめぐる諸問題,国際関係についての時事に関する新聞記事等に普段から目を通しておくことが望ましい。
所要時間: 190分以上
スケジュール
- イントロダクション(対面)
- 科学技術を社会科学的にみる視点
- 国際関係を見る視点
- 科学技術と公共政策
- 国際関係と科学技術をめぐる歴史①
- 国際関係と科学技術をめぐる歴史②
- 科学技術の発展と戦争の変化
- ディスカッション①(対面)
- 技術の規制をめぐる諸問題
- イノベーションエコシステムの政治
- リサーチインテグリティをめぐる政治
- AIと国際関係
- 日本の安全保障政策と科学技術
- ディスカッション②(対面)
教科書
以下の教科書に目を通しておくこと。国際政治学に関する参考書については,類似のものがあればそちらを参照しても良い。
『科学技術の現代史―システム,リスク,イノベーション―』
著者: 佐藤靖
出版社: 中央公論新社,2019年。
参考書
『国際政治学をつかむ』新版
著者: 村田晃嗣他著
出版社: 有斐閣,2015年。