社会の中の数学
共通 - 全学共通
GSS30150
コース情報
担当教員: 五味 靖
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 木3
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
リアクションペーパー
その他
「リアクションペーパー」は各授業回ごとの課題提出で「出席状況」の評価を含む。授業時やmoodleのフォーラムを通じた「授業参加」を加点対象とする場合がある(比率は設けない)。
詳細情報
概要
現在の社会では,日常的に接している商品やサービスの裏側で数学が応用されており,また報道されているニュースの意味を正しく理解するためにも基礎的な数学的な知識が必要である。これらの内容は高校や大学の通常講義で学ぶ数学と深く関係しているものの,より実用的であり幅広い内容に渡っている。この講義では,現代社会に生きる人間が,この様なさまざまな場面で必要となる数学的知識について,専門的な内容に深入りし過ぎずに解説し,社会に出たときに有用となる数学的教養を学ぶ。 以下のように,5名の講師による輪講形式の講義である: 1回目は,導入としてニュース等で触れられる数学的話題に関してありがちな誤解を指摘して正しい理解を学び,社会の仕組みとして数理を活用することに触れる。(角皆) 2~4回目には,簡単な統計的推測の理論を紹介する.これを理解するために必要な確率論の基礎についても触れる。(後藤) 5・6回目には,よく知られたGoogleの検索システム Page rankの数学的背景,特に線形代数学との関わりを中心に紹介する。初回に必要となる数学的な内容について大まかに解説を行う。(中島) 7・8回目には,結び目理論の話題から, 簡単な合同式や連立方程式の応用例を紹介する。(大城) 9〜11回目には,2人遊びゲームの必勝判定の基本原理を基にして,石取りゲームなど様々な2人遊びゲームの必勝法が整数の2進数表示を用いて記述されることを学ぶ。(五味) 12~14回目には,現代の情報化社会を支える数理技術の例として,秘密分散・誤り訂正符号・公開鍵暗号について紹介する。(角皆) 全学共通科目のCP3「思考と表現」およびCP5「展開知」に該当する科目である。
目標
・社会の仕組みとして数理が働いていることに敏感になる ・現代社会において接する出来事の意味を誤解せずに理解する ・数理技術が現代社会を支えていることを理解する ・そのために最低限知っておくべき数学的知識を幅広く身に付ける ことにより,DPに係る共通事項「全学共通科目…を通して得られる「他者のために,他者とともに生きる人間」としての幅広い視野…」を身に付ける。
授業外の学習
一般的に1コマの講義内容を理解するためには,授業時間の倍の時間つまり100分の講義に対して200分の予習・復習とが必要である。また日頃から身の回りや社会にある数理について意識して過ごされたい。 【予習】(50分程度) 参考書やMoodleに用意された講義資料に目を通しておく。内容を把握し,重要語句,疑問点を整理しておく。 【復習】(150分程度) ・講義資料を用いて授業の内容を復習する。 ・参考書や講義資料にある課題や演習問題を解く。 ・レポート課題に取り組む。
所要時間: 200分
スケジュール
- 導入と概観:社会の仕組みとしての数学
- 確率と統計(1)確率論の基礎・条件付確率とベイズの公式
- 確率と統計(2)確率分布と統計的推測(推定)
- 確率と統計(3)確率分布と統計的推測(検定)
- GoogleのPage Rank と線形代数(1)
- GoogleのPage Rank と線形代数(2)
- 結び目の数理(1)結び目理論の概要
- 結び目の数理(2)結び目ゲームの連立方程式を用いた解法
- 石取りゲームの数理(1)
- 石取りゲームの数理(2)
- 石取りゲームの数理(3)
- 有限の算術とその数理技術としての応用(1)秘密分散
- 有限の算術とその数理技術としての応用(2)誤り訂正符号
- 有限の算術とその数理技術としての応用(3)公開鍵暗号
教科書
全体を通じて特定の教科書は用いない。必要に応じて参考となる書籍を紹介することがある。
参考書
参考書1,参考書2はそれぞれ2~4回目,9~11回目の内容に関係するものである。
フリーソフト「R」ではじめる 統計処理超入門
著者: 加藤 剛
出版社: 技術評論社・2012
石取りゲームの数学
著者: 佐藤文広
出版社: 数学書房・2014