科学技術の倫理
共通 - 全学共通
GSS30130
コース情報
担当教員: 小出 泰士
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火4
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
授業内期末試験
授業期間中
中間試験
授業期間中
その他
授業期間中に中間試験(50点満点)と期末試験(50点満点)を実施する。合計60点以上を合格とする。
詳細情報
概要
今日,科学技術は,空気や水と同様,もはや人間が生きていくのになくてはならないものである。人間生活の質は,科学技術のもたらす利益と危害に左右されている,と言っても過言ではない。したがって,日常生活において科学技術といかに付き合っていくべきかは,現代に生きるすべての人々が考えなければならない喫緊の問題である。 科学や技術が抱える本質的な問題について,科学技術に関連した過去の事件・事故の事例を参照しつつ,倫理的に考察する。科学技術と人間の,それぞれの本質を哲学的に掘り下げて理解することにより,今日科学技術が生命,人間,社会,自然に対して突きつけている倫理問題の根本的原因とその解決の方向性について検討する。
目標
1. 今日の科学技術の基礎をなす機械論的自然観について学習することで,現代人が無反省に真理だと思い込んでいる「科学的なものの見方」の有用性と限界について考察する。 2. 科学技術および人間性(生命,人格)の本質について哲学的に検討することで,両者の根本的な違いを認識する。そこから,科学技術を人間に適用する場合の問題点について考える。 3. 科学技術と社会との関係に注目し,科学技術が社会や自然に及ぼす影響について理解する。その上で,科学技術に対する人間の責任について考える。 4. 多様な価値観を許容し物事を多角的に認識できるようになることで,個別的状況の根底にある倫理的葛藤を洞察する能力を身につけ,原則に依拠しつつ状況に応じて倫理的に的確に判断できる力を養うこと。
授業外の学習
【予習】(80分) 毎回授業で取り上げる内容に該当する教科書の章をよく読んで,自分なりに学習内容を把握すること。 【復習】(110分) ・テキストと授業中に取ったノートを参考に,授業中に学習した内容を再確認し,学習内容の理解に努める。
所要時間: 190分
スケジュール
- なぜ科学技術の倫理が必要か
- 現代技術とリスク(第1章:組織の中の技術者)
- 科学技術の説明責任(第3章:説明責任)
- 製造物責任(第4章:製造物責任)
- 科学技術に関する倫理的判断の枠組み(第6章:費用‐便益分析)
- 守秘義務と内部告発(第7章:内部告発)
- 中間試験 科学技術の基礎(機械論的自然観)(1)
- 中間試験の解説 科学技術の基礎(機械論的自然観)(2)
- 医療技術と生命(西洋医学の使命と限界)
- 科学技術とグローバリゼーション(第10章:グローバル化と価値観の多様性)
- 科学技術と社会(第10章第5節:ユニバーサルデザイン)
- 科学技術と予防原則(第11章:予防原則)
- 科学技術と環境問題(第12章:技術者と環境)
- 期末試験とその解説
教科書
小出泰士『技術者倫理入門』(丸善) 必要に応じて,Loyolaの掲示板で,適宜資料を配布する。
参考書
書籍情報はありません。