未来創造ワークショップ
共通 - 全学共通
GSS20750
コース情報
担当教員: 日下部 淳
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 水5
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
その他
「最終発表」の内容 個人あるいはグループでのビジネスアイディアの内容 授業期間中の取り組みなどを総合的に評価します。
詳細情報
概要
本講座は,「未来社会創造」をテーマに,社会課題に向き合い,自分ごととしてアイディアを発案,皆で議論し,ブラッシュアップし,作り,試すというプロセスを経て,最終的に「実行する」ことを目指します。参加者一人一人が,視聴者・傍観者ではなく,行動者・実施者となることが求められ,そのために必要な起業家精神,リーダーシップ,ビジネスを立ち上げるために必要なスキルを習得していきます。 アクティブラーニングとして,グループワーク,ディスカッション,ケーススタディー等を隔週程度で実施予定です。
目標
本講座は,不確実で変化の激しい世界で,自分が生きる現実を直視し,理解しながら,よりよい世界を目指して他者と協働できる人,持続可能な未来のために奉仕できる人を育てるためのものです。新たな社会を創造するために必要なスキルセットと実践の機会,卒業後も役立つネットワークを提供し,“FOR OTHERS, WITH OTHERS”という,上智大学の理念を実現する人材を育成することを目指します。 また,この授業では,参加者各自のアイディアを発表し,そのアイディアの実現に向け一緒に取り組むチームを作成します。さらに,起業家等の社会人メンター,参加者同士の交流,議論を通じ,視野の広がりや新たな視点の獲得を図ります。
授業外の学習
・ゲスト講師がいる場合,事前にweb等から記事を検索し,読んでおくこと(随時:30分〜45分) ・履修内容を踏まえ,発表を行うための準備,資料作成,チームでの作業などを行うこと(個人作業45分〜60分,チーム作業60分〜90分) ・講師やゲストが指定あるいは推薦する参考図書や論文,Web記事等を読むこと(60分〜90分)
所要時間: 195分~285分
スケジュール
- イントロダクション「未来社会創造に求められる“アントレプレナーシップ”とは何か」 「アントレプレナーシップ」とは,社会課題を自らの手で解決し,顧客等に支持される価値を提供し,かつ持続的な仕掛け作りを行うために必要なマインドセットであり,すべての人々(大学生,サラリーマン,公務員,研究者等)に必要な考え方です。一方,その真髄は漠然としていてなかなかつかみきれません。この講義では,より良い未来社会創造に求められるこの精神について,実例を挙げてわかりやすく解説し,一人一人が自分ごととして理解を深めることを目標とします。
- 「社会を変える”意味のイノベーション”」 イノベーションという単語について,日本語では「技術革新」と訳されますが,実際には技術に基づかない事例も数多く存在します。イノベーションとは,顧客や社会の行動変容が起こすことであり,本講座で目指す姿の一例でもあります。学生やスタートアップでも実行可能な「意味のイノベーション」について解説します。
- 「ビジネス・スプリングボード① 未来を描く・課題に向き合う」 本講義では,最終成果物として,社会課題を解決し,理想の未来を実現するためのビジネスプランを作成していただきます。3回にわたってプラン作成の解説を行い,新事業創造を検討する際の基本的ステップや初期検証の方法について解説し,効果的かつ印象に残る事業計画書を構成するための必要項目やストーリーの重要性について学んでいただきます。本講座では,社会創造の第一歩として,「志」「情熱」「理念」を言語化し,「実現したい未来や理想の社会」を具体化します。次に,その理想状態が実現していない根本要因を深掘りし,課題の本質を深掘りします。また,これをグループでディスカッションすることにより,初期アイディアを正しくブラッシュアップします。
- 「アイディア創出ワークショップ」 アイディアを出すことはセンスではなく技術であり,技術であるということは練習することで誰でも良いアイディアをたくさん出せるようになります。本講義では,課題解決,社会創造につながる新たなビジネスアイディアを創出すべく,思考の発散や整理に役立つツールを紹介し,実際に使っていただきます。また,この講義中に共通する関心事やテーマを持ったメンバーを探索し,チームを組成していただきます。なお,この授業内で,今後課題に取り組むチームを構築していきます。
- 「ビジネス・スプリングボード② 価値を確立する」 第2回に続き,ビジネスアイディアの初期構築作業を行います。本講座では,解決方法=提供価値が正しく設定されているか,実現のために必要なリソースや次のアクションは何かなど,事業の基盤となる項目について解説し,議論と検証を行います。
- 起業家講演(1回目:スタートアップ系) 先進的な取り組みで社会にインパクトを与えている起業家,経営者,投資家等をお招きし,事業のご説明のほか,挑戦することの意義や価値,人生における意味,参加者に対するメッセージなどをお話しいただきます。 ゲスト講師候補: 石川 明氏 佐治 友基氏 西田 隆一氏
- 「人を動かすプレゼンテーション」 プレゼンテーションとは,単なる報告・発表・宣伝ではなく,人の心を動かし行動に結びつけることができなければ意味がありません。本講義では,効果的かつ印象に残るプレゼンテーションに必要なエッセンス,プレゼンに盛り込まれるべき項目やストーリーの構成について解説します。
- 中間発表(希望者を優先する) 参加者の皆さんの事業アイディアを発表していただき,ゲストやコーディネーターのコメントを得たり,相互フィードバックを行います。助言や指摘を得たり,参加者で学び共有することで,事業アイディアのブラッシュアップや協力者集め等に繋げていきます。なお,このタイミングでチームの変更を可能とします。
- 「ビジネス・スプリングボード③ 事業を構築する(収益モデル)」 これまでに「理想の未来」を描き,「解決方法」を検証してきましたが,顧客から適正な収益を得なければその事業は継続できません。特に新規事業では,どのように収益モデルを構築するかが非常に重要なことであり,適切なモデル構築により将来の成長可能性が高まります。本講義では,既存事業の収益モデルを解説することに加え,履修者のアイディアが現実的な事業計画となるよう検討を行います。
- 起業家講演(2回目:社会起業家系) 先進的な取り組みで社会にインパクトを与えている起業家,経営者等をお招きし,事業のご説明のほか,挑戦することの意義や価値,人生における意味,参加者に対するメッセージなどをお話しいただきます。
- 「チームビルディングと意思決定の罠」 ケース教材を用いたディスカッションを行います。参加者を宇宙船のパイロットに見立て,滅亡の危機に陥った地球から脱出する際,市民10人から宇宙船に乗せることができない3名を選択するものです。まず何をすべきか,誰を選ぶか,その正当性は何か,他のメンバーを納得させられる理由は適切かなど,この意思決定のシミュレーションを通じ,コミュニケーションや,チームでのタスク実行,判断への影響などの考え方を学ぶものです。
- 「社会と自分を変えるリーダーシップ」 起業家精神は起業する人にはもちろん,社会の問題を発見し解決するという視点で,ビジネスマンや政治家,公務員にも必要なマインドセットです。ここまで学んできたことの確認となる授業として,教材となる映画を鑑賞し,出来事,周囲の状況,リーダーの意思決定,メンバーや周囲の人々との関わりなどストーリーの中から,テーマにあるマインドとスキルを学びます。
- 「最終発表会(1回目)」 これまで取り組んできた成果として,考案した事業計画を発表していただきます。複数のゲストをお招きした発表の機会とします。
- 「最終発表会(2回目)と最終講義」 これまで取り組んできた成果として,考案した事業計画を発表していただきます。複数のゲストをお招きした発表の機会とします。
教科書
教科書は指定せず,必要に応じて各種資料(最新の論文や文献等)を授業内で案内する
参考書
書籍情報はありません。