ジェンダーの平等 国連・国際協力,世界と日本*
共通 - 全学共通
GSS20600
コース情報
担当教員: 佐崎 淳子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 3クォーター
曜限: 火6, 木6
形式: 同時双方向型授業(Zoomなど)
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
授業参加
レポート
詳細情報
概要
グルーバル化が進む中,国連,国際協力の在り方も,歴史を通して変化・変遷してきている。 2010年にミレニアム開発目標(MDGs),そして2015年に,「2030年アジェンダ - 持続可能な開発目標(SDGs)」が採択された。 そして,「ジェンダーの平等」,「女性の地位向上」,「男女共同参画」と「人権」なくして,真の意味での開発・貧困削減は達成されず,人道・緊急援助における,「ジェンダーの平等」の重要性も認識されるようになった。 SDGs(持続可能な開発)を達成する上で,国際協力に,「ジェンダーの平等」をさまざまな分野に組み込むことは不可欠な要素となっている。 日本はG7のメンバーであり,また開発援助支援国である。しかし,世界経済フォーラムでのグローバル・ジェンダーランキングのおいては125位(2023年)であり,韓国(105位)や中国(107位)や,また日本の支援国であるアジア(フィリピン16位,ラオス55位),アフリカ(ルワンダ12位,ナミビア8位)や中南米の国々(ニカラグア7位,コスタリカ14位)よりも後れをとっている。その要因,そこからくる社会的弊害,また日本の現状と課題について考えてみる必要がある。 日本では,少子高齢化により人口減少が進む一方,世界の人口は開発途上国で増え続けている。少子高齢化や人口増加も顕著にジェンダーが関与しており,その対策にも真の意味での早急なジェンダーの平等・女性の地位向上が必要とされている。 少子高齢化に直面する国々は,労働人口確保の必要性に迫られている。移民政策だけではなく,ジェンダーの平等,男女共同参画や女性の地位向上などの政策設定に試行錯誤しながら,様々な社会的変革が起きている。 授業では, 1) 「ジェンダーの平等」,「男女共同参画」,「女性の地位向上」を,国連やグローバルな観点,国際協力,日本や世界のさまざまな国の事例から学び,理解を深める。 2) 「ジェンダーの平等」や「女性の地位向上」が,次のような様々な課題 (貧困削減,食料支援,人口と開発,リプロダクティブ・ヘルスと権利,ジェンダーに基づく暴力,国際医療保健,教育,労働,気候変動,難民,移民,紛争下における人道援助等) においてどのように配慮されているかについて,実例を挙げて考察する。 3) SDGs(持続可能な開発),貧困削減,国際保健医療(感染症,Covid-19),人口と開発,教育,気候変動,人道・緊急援助等を「ジェンダーの平等」の観点から考察し,その政策・戦略方針を理解する。 4) SDGs達成にむけて,「誰も取り残さない」貧困削減・撲滅のにおいてどのように「ジェンダーの平等」に基づいた開発政策・計画の必要性があるかを考察し,統計や実例を用い,ケース・スタディ,グループ・ディスカッション等を活用して参加型の授業形態をとる。 5) 国連,各国政府,NGOs,市民社会,メディア,国会議員,研究機関や私企業等の役目や,国際協力プログラムに触れる。 6) 国連機関・組織内における「ジェンダーの平等」の為の組織的戦略,国連などの多国間技術協力やJICA(独立行政法人国際協力機構)等の二国間国際協力における「ジェンダーの平等」,「女性の地位向上」,「男女共同参画」の開発プログラム戦略を検証する。
目標
1)グローバルに,「SDGs - 持続可能な開発」 (経済・社会開発,保健医療,教育,平和構築等)を促進する上で,「ジェンダーの平等」,「男女共同参画」,「女性の地位向上」等が,分野横断的(Cross-cutting)な戦略として,国際協力や国家開発政策・計画において,その目標達成の為に不可欠な要素となっている事を理解する。 2)グローバル化する世界において,日本の「ジェンダーの平等」,「女性の地位向上」,「男女共同参画」における現状を理解し,取り残された課題に対してその対策を考慮・検証する能力を高める。 3)国連や国際協力に関する包括的な「ジェンダーの平等」,「男女共同参画」「女性の地位向上」についての理解を深める。 4)実践力を備え,国際機関や政府,民間セクター等で働け,更に多様化する「グローバルな課題」の解決を担う人材となる。 「人材育成」 1) 国際社会と日本の「ジェンダー平等」の歴史,立場,実状,残された課題を把握する。 2) 「グローバルな課題」また「日本の課題」としてジェンダーの平等について理解を深める。 3) 国際社会,日本における「ジェンダーの平等」と「SDGs-持続可能な開発」の関係を理解する。 4) 国際協力における「ジェンダーの平等」,「女性の地位向上」,「男女共同参画」に関する包括的な理解を深める。 5) 「ジェンダーの平等」に基づいた国際協力の最前線と実務,開発プログラム戦略を把握する。 6) 国連機関・組織内における「女性の地位向上」「ジェンダーの平等」に関する政策・戦略を理解する。 7) 「ジェンダーの平等」,個々の立場,また多様化する社会・課題を理解し,グローバルな視点をもって,国際機関や政府,民間セクター,NGO等において働ける人材となる。
授業外の学習
授業で提示された講義のPDFやWebsite Link等を参考にして学習する。
所要時間: 190分
スケジュール
- オリエンテーション (自己紹介,講義目的と内容の説明) (※以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数や順序,やゲストスピーカーはまだ確定しておらず,確定後も変更の可能性あり。)
- SDGs(持続可能な開発)と「ジェンダーの平等」「女性に地位向上」と「男女共同参画」
- 日本におけるジェンダーの平等と課題(ゲストスピーカー)
- ワークショップ
- 国連のジェンダーの取り組み(世界と日本)少子高齢化(ゲストスピーカー)
- 人口と開発とジェンダーの平等(国連・国連人口基金/UNFPA,世界と日本)
- ジェンダーに基づく暴力 児童婚 様々な社会的課題 (国連,世界と日本)
- 人道緊急援助(食料支援・自然災害・人的災害,防災)とジェンダーの平等 (国連・世界食糧計画/WFP・国連防災機関/UNDRR,世界と日本)
- ワークショップ
- 教育とジェンダーの平等 (国連・国際連合教育科学文化機関/UNESCO)(ゲストスピーカー)
- 移民をジェンダー (国連,世界と日本)(ゲストスピーカー)
- 国連機関のジェンダーの平等を組み入れた国際協力・開発プログラム
- 総括・ あなたとジェンダーの平等,国連・国際協力機関におけるキャリア・インターンシップ - ジェンダーの観点から
- 質疑応答・レポート
教科書
教科書は指定せず必要に応じて資料を配付する。関連参考資料を,PDFやWebsiteで,その都度指定する。
参考書
講義資料をLoyola, Moodle 等にアップロードする。 ジェンダーに関して理解を深め,また広めるために,必修としてではなく自由に読む参考書物のリストを, 授業で配布する。