グローバルメディアと日本

共通 - 全学共通

GSS20470

コース情報

担当教員: 李 ウォンギョン

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火1

形式: 対面授業+オンライン授業(オンデマンド授業,同時双方向型授業(Zoomなど)) /Alternating face-to-face & A

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

10%

授業参加

30%

リアクションペーパー

30%

レポート

10%

その他

グループワークとその発表を評価する。 授業参加(30%)は,通常の授業での参加とCOILでの活動を反映する予定である。

20%

詳細情報

概要

本科目はグローバル時代,日本と日本文化が海外メディアやソーシャルメディアにどのように描かれているか,又,日本はその表象をどのように受け入れているかを「多文化共生」の視点から学ぶことを目指す。 授業の前半では,従来のマスメディアとは異なるグローバルメディアとデジタル社会における情報リテラシーを理論的・実践的側面から考察する。また,日本文化やコンテンツがデジタルの世界へ融け込んでいる現状,それを基に日本が持つソフトパワー,いわゆるクールジャパンが国際社会の共感を得ることが可能か,特に東アジアの近隣国と共存できるかについて考える。 授業の後半は,外に向けてのグローバル化の視点から,内に向けての『内なる国際化』をテーマに,多文化社会としての日本の現状を評価し,今後の進むべき道を考える。 加えて,一部の授業実施においては,米国などの大学と連携し,オンライン上での交流や協働学習(Collaborative Online International Learning: COIL)を行うことで,多層的・持続的なグローバル教育を実現する。

目標

本科目は,関連産業・研究機関・国際機関・大使館での職務経験を持つ担当教員の問題提起をもとに,ソフトパワーの多面性などのテーマについて受講生でディスカッションを行い,国際関係や国際協力の現実をより深く理解することが期待される。 各授業のテーマは決められているが,授業実施期間中のグローバル問題をタイムリーに取り上げ,受講生間のディスカッションを集中的に行う予定である。講義中に各々で興味を持った事柄等についても,個人的見解を基に自主的に調べ,リアクションペーパーに自分の理解とそれに基づく意見を書くことで情報リテラシーを身につける。 その後,一部の授業実施においては,米国ジョージア工科大学などの学生との交流でグローバル課題を共に考えることで,各国間の文化・社会・経済的な状況の違いを認識しあいながら多角的な問題解決案を考えるというグローバル人材として必要な知識を身につけることを目指す。

授業外の学習

- 米国などの大学とのオンライン上での交流や,講義の関連資料は英語のものが多いため,語学に自信の無い者は関連分野の用語を中心に自習が必要である。 - COILや授業前後の課題としてPCを使ったアクティビティを多く行う予定である。資料の共有,課題のための情報収集ではICT機材の活用が必須であるため,PCやタブレットなどが活用できるよう準備する。 - 授業に関する連絡や提出物の受付,学生間の意見交換などはMoodleを通じて行うため,授業開始時までに大学のメールアドレス,Moodleのアカウント名やパスワードを確かめて,小まめにMoodleを確認する必要がある(Moodleのサーバー問題やうまくアクセスできない問題を防ぐため,Loyolaの授業掲示板などを通じても一部の資料を共有する予定)。 - 各回の授業の前には,指定された資料や文献(Moodleにアップロードする予定)を講読したり,授業で指示された内容に関連する情報を各自で検索し,その内容をまとめたりする必要がある。

所要時間: 毎週190分。詳細はMoodle参考。

スケジュール

  1. <Introduction> HARD POWER, SOFT POWER, SMART POWER, SHARP POWER等の概念,「富を生み出す原動力」としてのソフトパワーと「抑止力→安全保障」としてのソフトパワーの側面を理解する。 ※以下は予定であり,講義の進捗や受講者の理解状況等によって修正・変更する。The schedule is subject to change at the discretion of the instructor. Changes will be notified ahead of time.
  2. <グローバルメディアとソフトパワー> 日本はグローバル化する社会においてメディアの多様性をどのように把握するか,日本・米国・アジア諸国のメディア産業が置かれている現状,文化と国の政策・国際関係,日本と日本文化が海外メディアやソーシャルメディアにどのように描かれているかに関して考える。
  3. <日本に対するポジティブ・ネガティブイメージ> 日本のソフトパワーを考え直す,世界から見る日本に対するポジティブとネガティブなイメージとその原因,メディアの役割について考える。 *米国ジョージア工科大学(Georgia Tech)とのCOIL予定
  4. <ソフトパワーと外交> パブリック・ディプロマシーの視点から日本のソフトパワー戦略を,韓国と中国の文化外交を比較する。また,デジタル技術を利用するソフトパワー戦略や外交戦略の特徴を把握する。
  5. <高齢化社会としての日本とソフトパワー> 日本はグローバル化・デジタル化する社会においてどのように認識されているか,日本の多くの社会問題と繋がっている高齢化問題に対しての海外の認識に関して考える。
  6. <多様化する日本社会:内なる国際化> 日本と世界の移民・難民問題に関して考える。日本社会の多様化,ソフトパワーの創出・転送の主体としての移住・移民について論じる。
  7. <人権とソフトパワー>
  8. <デジタル社会のコミュニケーション> インターネットを利用したコミュニケーションの特徴,デジタル社会とそのコミュニケーションの特徴,ソフトパワー・外交との関係,サイバー空間で広がっているナショナリズムの現状とその背景などを理解する。言語の壁を越え,ヘイトスピーチが拡散されている現状なども認識する。サイバー空間でのコミュニケーション手段やパターンを予測しながら,個人情報やデータの扱い方について考える。
  9. <科学技術とソフトパワー>
  10. <Pop-Cultureとソフトパワー>
  11. <言語・教育とソフトパワー>
  12. <国際機関とソフトパワー> グローバル企業あるいは日本の企業のグローバル展開に参加するため,又は日本のパブリックセクターのグローバル展開に参加するため準備すること,国際機関と国際NGOでの国際協力活動の違いに関して考える。
  13. <Group presentation>
  14. <Rethinking Soft Power, Rethinking Japan> グループワークの内容について,担当教員・COILパートナー大学の学生・教員からの感想を聞き,それに対する意見や国際協力の可能性について議論する。

教科書

参考文献は,テーマに合わせて授業中紹介する予定で,Moodleでのダウンロード・図書館のリザーブブックが利用できる。

    参考書

    • Soft power: the means to success in world politics

      著者: Joseph S. Nye, Jr.

      出版社: New York: Public Affairs, 2004.

    • Nationalism in Asia: a history since 1945

      著者: Jeff Kingston

      出版社: Chichester, West Sussex : Wiley Blackwell, 2017.

    © 2025 上智非公式シラバス. All rights reserved.