グローバル化と言語の多様性
共通 - 全学共通
GSS20150
コース情報
担当教員: 木村 護郎クリストフ
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金3
形式: オンデマンド授業+同時双方向型授業(Zoomなど)
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
授業参加
リアクションペーパー
レポート
小テスト等
その他
割合は予定である。授業進行に応じて課題の数や配分を見直す場合がある。 提出物を4つ以上提出しなかった場合,原則として単位を認定しない。
詳細情報
概要
「グローバル化」(地球規模化)とは何か。また「グローバル化」は私たち個人や社会にどのような課題をもたらすのだろうか。この授業では,このような問いに,言語の観点から迫っていきたい。そのため, ①まず世界および日本での言語に関する動きを把握したうえで, ②そこからうかびあがる課題にどのように向きあうことができるかを考えて行くことになる。 まずあげられるのは英語の世界的な浸透であろう。他方,諸国・地域間の関係の緊密化により,英語以外の言語の意義が再考されている。また人の移動の拡大にともなって,社会の多言語化が進んでいる。さらには,世界各地で少数言語の復興を目指す動きが起きている。これらの動きはいずれも日本にもあてはまる。日本の現在に焦点をあてつつ,私たちが生きている現実を国際的な文脈のなかに位置づけて,具体的な課題への対応および今後の展望を考えていく。 前もって教科書の内容を読んだうえで授業で深めていく反転授業を基本とする。
目標
・言語コミュニケーションにおいて,収れん(英語の世界的な浸透)と多様化(社会の多言語化)が同時進行することに伴う課題を把握すること。 ・世界の社会言語学的な実情をふまえて,英語および諸言語を用いたコミュニケーションの可能性や限界を理解すること。 ・異なる言語を使用する人同士のコミュニケーションにはどのような課題があり,どのような対処法があるのかを把握したうえで,履修者一人ひとりが自分の事情や目的にあわせて適切に対応できる能力を養うこと。
授業外の学習
・前もって教科書の該当部分を読んで内容を理解し,コメントを提出する(160分程度)。 ・授業後に,講義資料を復習して,小テストに備える(30分程度)。
所要時間: 190分(目安)
スケジュール
- 導入:言語の画一化傾向と多様化傾向の同時進行
- 現在の歴史的な位置づけ:「新しい中世」としての現代
- 今後の展望:英語普遍化シナリオと機械翻訳普遍化シナリオ
- 環境(問題)としての言語(問題)~言語道具観をこえて~
- 社会基盤としての言語
- 「節英」という発想の転換
- 異言語間コミュニケーションにおける効率と公正
- 日本における異言語話者とのコミュニケーション
- 英語学習の適正化
- 共通語としての日本語の可能性
- 複言語主義と言語分業社会 <オンデマンド>
- 通訳と翻訳の活用~人工知能/機械翻訳を含むさまざまな可能性とどう向き合うか~
- 言語教育のパラダイム転換に向けて
- ふりかえりとまとめ
教科書
木村護郎クリストフ『節英のすすめ』萬書房2016年 ※紀伊国屋書店の教科書販売を手配しているので,早めに用意しておくこと。
参考書
行動する社会言語学
著者: かどやひでのり/ましこひでのり編
出版社: 三元社・2017年
媒介言語論を学ぶ人のために
著者: 木村護郎クリストフ/渡辺克義編
出版社: 世界思想社・2009年