世界の音楽 -民族音楽学入門-
共通 - 全学共通
GSP30260
コース情報
担当教員: 山下 正美
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 水2
形式: オンデマンド授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
小テスト等
その他
5回以上欠席(課題未提出)した場合は,単位認定できない。
詳細情報
概要
この授業では,世界のさまざまな音楽を取り上げながら,民族音楽学の基本的な考え方や諸理論について学んでいく。 世界の音楽を見渡してみると,私たちが普段あたりまえだと感じている「音楽」や「楽器」,「美しい歌声」といった既成概念や既存の枠組みでは捉えきれない事例がたくさんあることに気づかされる。本講義では,自身や他者の音楽文化を往還しながら,それらの固有性や共通性・類似性を分析的に捉えていくことができるよう,民族音楽学の視座やアプローチの方法を示していく。 五線譜の読み書き能力など音楽の専門的な知識が無くとも理解できる内容とし,詳しい解説を付す。 ほぼ毎回リアクションペーパーの記入(Moodle)や小テストへの回答が課されるので,期日までに提出すること。
目標
1) 民族音楽学と,音楽学・比較音楽学・音楽人類学など隣接する学問分野の基本的な考え方,研究のアプローチ,研究方法を理解する。 2) 世界のさまざまな音楽に親しみ,音楽に人や社会,地理,政治・経済,歴史,言語・文化,宗教など多くの側面がかかわっていることを理解する。 3) 自分自身の持つ既成の音楽観に自覚的になり,世界のあらゆる音楽を対象とする/してきた民族音楽学的な思考を養う。 4) 音楽をただ耳で聴くだけでなく,身ぶり・手ぶりと共に理解したり,音楽の奏される媒体・時間・場所・空間等にも注意を払うなど,音楽を人間の総合的な営みとして捉えられるようにする。 5) 音源・映像資料等の視聴を通して,見たり聴いたり,観察したことを適切に文章で表現できる能力を培う。 5) 課題資料配信型の授業も含むので,文献資料の読解力を養い,自身の意見を簡潔に述べられる文書表現の能力・技術を高める。
授業外の学習
授業内やMoodleを通して参考文献・参考サイト・資料等を紹介するので,予習・復習の参考にしてほしい。 【予習】 シラバスや授業計画に沿って,関連する資料を講読する。また音源・映像資料等を閲覧する(30~45分程度) 【復習】 講義資料を用いて復習する(30~45分程度) リアクションペーパーの記入,小テストへの回答等の課題に取り組む(30分~45分程度) 講義中に触れた参考文献を読み込み,理解を深める(100~120分程度) 講義を機に,これまでの自身の音楽経験を振り返ったり,身の回りにある音楽とそれらを成り立たせている社会的背景等との関連にも注意を払ってほしい。 楽器博物館や音楽会・コンサート,行事や各種イベント等へ足を運ぶなど,音楽を実際に見たり聴いたり,体験する機会を持つことも,本講義の予習・復習として大いに役立つので推奨する。
所要時間: 190分以上
スケジュール
- イントロダクション:民族音楽学入門 (以下は予定であり,若干の変更を伴う場合がある)
- 音楽の概念化:音楽をどう捉えるか
- 民族音楽学のフィールドワーク
- 声の研究
- 楽器の研究
- 変化する楽器 楽器製作の諸問題ほか
- 事例研究1 バリ島のケチャ
- 観光と音楽
- 音楽の伝承と身体性
- 事例研究2 江差追分
- グローバル化と著作権問題(課題資料配信型)
- 人の移動と音楽
- 事例研究3 ミャンマーの音楽
- 事例研究4 サハの口琴ホムスの音楽
教科書
テキスト(教科書)の指定はありません
参考書
『民族音楽学12の視点』
著者: 徳丸吉彦(監修)増野亜子(編集)
出版社: 音楽之友社,2016年
『諸民族の音楽を学ぶ人のために』
著者: 櫻井哲男;水野信男編
出版社: 世界思想社,2005年
『ミュージックスとの付き合い方―民族音楽学の拡がり』
著者: 徳丸吉彦
出版社: 放送大学叢書,2016年