中国家族の社会学
共通 - 全学共通
GSP21570
コース情報
担当教員: 朱 安新
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 木3
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
リアクションペーパー
レポート
その他
なし
詳細情報
概要
本科目「中国家族の社会学」は,現代中国の社会的変化にアプローチする重要な手掛かりを提供する。21世紀前後の中国社会は,「改革開放」をはじめ,市場化,グローバル化,情報化,少子高齢化,「個人化」などの著しい変動によって特徴付けられる。家族を通じて,変動の激しいここ40年来の中国社会を捉えることは,学問的に重要な課題であるだけでなく,中国社会あるいは東アジア社会を生きる人間一人一人に直結する実践的課題でもあり,また,グローバルな社会変動についての教養の一部を成している。こうした課題にアプローチするために,社会学における理論,視角や手法に基づいて,中国家族の様々なトピックについて知識と思考を深めることが有意義であり,必要である。 本科目は,総合人間科学部社会学科が海外教員を招聘して開講する全学共通科目(新設科目)である。変動の激しい現代中国家族について,幾つかのトピックに即して,社会学基礎理論と最新の研究成果を踏まえて理解を深めることが本講義の目的である。授業では,家族という集団,ジェンダーや青年期の異性交際,配偶者の選択,結婚,家族の役割構造,家族機能,家族の変動などのトピックについて,事実の把握を踏まえて社会学の視点からアプローチする。受講生は,激しく変動する中国家族の実相と,それをとらえる社会学の視点について学びを深めることが期待される。 アクティブ・ラーニング(グループワーク,ディスカッション等)は,授業毎に実施する。
目標
以下を到達目標とする。 1.現代中国家族に関する主要な知見を理解する。 2.家族への社会学的アプローチの特徴を理解する。 3.現代中国家族と関連づけながらグローバルな社会変動への認識を深める。
授業外の学習
予習として,事前に指定された文献や資料を精読し,分からない点などを調べておいてください(合計して週60~80分程度)。復習として,(1)授業の内容を確認し,概念や用語を参考書や辞典類で調べること,(2)不定期に実施するリアクションペーパーを作成し所定の方法で提出すること,(3)授業中に紹介した文献をできるだけ多く読み,社会学の考え方に慣れること(合計して週120~150分程度)が期待される。
所要時間: 190分以上
スケジュール
- ガイダンス
- 社会学は家族をどのようにとらえるか
- 現代社会における中国家族変動の概論
- 中国家族の地域的多様性――空間,地域社会から見た家族
- 中国における青年期の異性交際
- 中国社会の配偶者選択
- 結婚
- 家族の内部構造
- 中国における家族意識の世代間変化
- 家族機能(①子どもの社会化)
- 家族機能(②老親の扶養)
- 中国家族と社会的支援
- 家族変動の二つの側面
- 家族のこれからのゆくえ
教科書
教員がパワーポイント資料を用意し,配付する。
参考書
『現代中国家族の多面性』
著者: 田渕六郎(共編著)
出版社: 弘文堂,2013年
『生育制度 : 中国の家族と社会』
著者: 費孝通(著),横山廣子(訳)
出版社: 東京大学出版会,1985年
『21世紀家族へ(第4版)』
著者: 落合恵美子(著)
出版社: 有斐閣,2019年