東南アジア史入門(近現代)
共通 - 全学共通
GSP21540
コース情報
担当教員: 櫻田 智恵
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 水2
形式: 対面授業+オンライン授業(オンデマンド授業,同時双方向型授業(Zoomなど)) /Alternating face-to-face & A
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
小テスト等
その他
最初の授業で,「東南アジア」に対するイメージがどのようなものか提出してもらいます。期末には,そのイメージに変化はあったか,あったとしたらどのように変化したかなどについて,先行研究を用いて論拠を示しながら600字程度で記述してもらいます。詳しくは初回の授業で説明します。
詳細情報
概要
この授業では「東南アジア」という地域について,単に年代順に出来事を追うのではなく,さまざまな角度からその成立過程や内実をみていきます。 「東南アジア」という言葉から,みなさんは何をイメージするでしょうか。ASEANのような経済的集合体,仏教やイスラム教などのそれぞれの宗教のあり方,多様な食事,少数民族などを思い浮かべる人もいるかもしれません。いずれにせよ,そのイメージは地域としてのまとまりを欠く,比較的雑多なものなのではないでしょうか。これには,「東南アジア」という地域の成り立ちや,辿ってきた歴史的な経緯が大きく影響しています。 では,「東南アジア」という地域の共通性は一体なんなのでしょうか。また逆に,多様で多元的な内実はなぜ,どのように維持されてきたのでしょうか。 この授業では,政治や経済の面からはもちろん,食や服装などの文化,ジェンター,教育などのさまざまな観点から,ゲストスピーカーによる講演も聞きながら東南アジアという地域への理解を深めます。
目標
1.「東南アジア」という地域の成立過程を知り,その共通性や多様性の背景を理解できるようになる。 2.歴史を,事件史のような単線的なものではなく,さまざまな事象の積み重ねとして重層的なものとして捉えることができるようになる。
授業外の学習
毎授業ごとにMoodleでリアクションペーパーを提出してもらいます(20分)。 また,定期的に小テストを課し,理解度の確認をします(Moodle上で出題,解答。15分)。 授業のテーマについて,参考文献等を使用した予習・復習を心がけてください(60分)。 特に,アジア地域に関心を持つ学生は,授業で示す資料(映像資料含む)に積極的に触れるようにすると,理解が深まります(120分)。
所要時間: 190分
スケジュール
- 「東南アジア」とはどんな地域か:その共通性と多様性,多元性 ※初回提出のリアクションペーパーから受講生の関心を判断し,それに応じて下記の予定を変更する場合がある
- 人口変動と農業,経済,疫病の歴史
- 衣食住の特徴と変遷
- ゲストスピーカーによる講演 ※タイからオンラインで市場の様子や食文化について解説してもらいます。授業は教室で対面で実施します。
- 「国家」の創造①:外圧による「近代化」の波
- 「国家」の創造②:国民,民族の構築
- エリートたちとヨーロッパ式の教育,その影響
- 日本の南進・占領,そして独立へ①:日本の南進・占領がもたらしたもの
- 日本の南進・占領,そして独立へ②:革命と交渉
- 東南アジアの民主主義①
- 東南アジアの民主主義②
- 得たモノ,失ったモノ:経済成長,環境破壊,人口
- ナショナルアイデンティティとグローバリスム ※期末コメントペーパーの提出
- 総括,期末コメントペーパーの振り返り
教科書
特に教科書は定めない。資料は適宜配布する。
参考書
購入は必須ではありませんが,下記の書籍を予習・復習として読んでおくと理解が深まります
『世界史のなかの東南アジア:歴史を変える交差路 下』
著者: アンソニー・リード 著,太田淳・長田紀之 監訳
出版社: 名古屋大学出版会・2021年