ESG概論 I

共通 - 全学共通

GSP20940

コース情報

担当教員: 引間 雅史

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火3

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

15%

授業参加

25%

リアクションペーパー

30%

定期試験

定期試験期間中

30%

その他

*日頃の学修の記録としてリアクション・ペーパーの内容を重視します。 (評価割合:30%) リアクション・ペーパーは一般的な感想ではなく,講義内容を踏 まえた自らの考えや問題意識をしっかり記述すること。講義内容をどの程度消化し,学修成果に繋げたかはリアクション・ペーパーに端的に表れてきます。 *授業参加を重視(評価割合25%)ディスカッションでの発言はクラスにおける思考の深化への貢献とともに,予習を含む授業への取組み姿勢の表れと見做します。 *出席回数が講義回数の3分の2未満の人や期末試験を受けなかった場合は原則として評価の対象外とする。 *就職活動等でやむをえず欠席する場合は該当イベントのエビデンスとともに申請してきた場合のみ考慮する。

0%

詳細情報

概要

*本講座は定員110名とします。 *本講座は2021年度までの「グローバル共生社会における金融と投資」の後継講座なので当該講座の既受講生は本講座を受講できません。 *アクティブ・ラーニングの方法: 毎回の授業内容に関わる検討テーマを提示し,それについてのディスカッションを行う(グループワークを行うこともある)。またリアクションペーパーでの重要な意見については授業で紹介しディスカッションを行う。 本学ではSDGsに代表される社会課題を様々な側面から学修する機会を設けていますが本講座では投資と社会課題の密接な関わりに焦点を当て,社会課題解決に向けた企業と投資家の協働が投資成果と良好な社会的インパクトの両立につながる道筋を検討していきます。ESGの各側面で重要性の高い社会課題やテーマについて丁寧に見ていくとともに中長期の企業価値向上を目指す投資家の意思決定や投資行動について学修します。 まず個人の金融取引や投資行動が社会に与える影響の経路を捉え,サステナブル投資が発展してきた背景を探ります。ESG投資の海外における歴史的変遷を学修するとともに日本における実態と課題を探っていきます。サステナブルファイナンスや情報開示に関わる国際的な取組みや規制は現在進行形でダイナミックに動いているわけですが,そういった国際的潮流を理解しつつ,日本の目指す方向性を考えていきたいと思います。 次に地球規模で大きな変革が起きつつある気候危機対応・脱炭素化について企業・投資家・政府それぞれの対応について見ていきます。特にこの面での世界の機関投資家の代表的ESG投資アプローチであるダイベストメント(投資撤退)とエンゲージメント(投資先との対話)について相違点や効果を考えていきます。また自然資本や生物多様性と企業経営や投資の関わりについても取り上げます。 S課題(社会面)については人権・労働問題,ジェンダー・ダイバーシティ,人的資本マネジメントなどの重要課題と企業価値との関係や投資家の役割などを考えていきます。コロナ禍を経てこれらの社会面の課題への関心は高まっていますが一方では評価基準が十分定まっていない問題点もあります。 最後にG課題(ガバナンス面)として国際比較を交えながら取締役会構造や役員報酬制度・政策保有株式などの問題を取り上げます。ガバナンスは企業のEとSの取組みにも影響する土台でもあり機関投資家も重視している要因であることから日本固有の課題も探っていきます。 本講座は投資に関するテーマを扱いますが,投資の技術的な側面は最小限に留めます。また短期的な収益を追求する投資は本講座の対象外となることを付け加えておきます。

目標

1.「他者のために,他者とともに」「グローバル課題の解決やサステナブル社会構築への貢献」といった本学の建学の理念や教育精神を具現化するような金融や投資のあり方を学修し,金融面での国際協力の実態や課題を理解する。 2. 環境面,社会面,ガバナンス面それぞれの社会課題解決と金融や投資の密接な関わりを理解する 3.社会的責任投資やESG投資の歴史的変遷を学修し,インベストメント・チェーンの中での個人,アセット・オーナー(年金基金・大学基金等),アセット・マネジャー(資産運用機関),投資先企業それぞれの役割を理解する。 4. 世界の政府・企業・機関投資家の取組みを学修することによってグローバルな視野を身に付ける。 5. 社会課題解決に向けた企業と投資家の協働が投資リターンと社会的リターンの両立につながる道筋を理解する。

授業外の学習

*受講生は毎回moodleに掲載された授業レジュメ資料に目を通し,提示された検討ポイントについて考察した上で授業に参加することが求められる。(約90分程度の予習) *授業後は授業内容を振り返りながら,自分なりの意見や疑問点,要検討テーマなどを整理し,リアクションペーパーにまとめる。当該授業のよくわからなかったところや特に関心を持ったところについて教員に質問したり,参考文献(授業内で紹介)を当たることで,上記の授業目標を効果的に達成することができる。(約100分程度の復習および参考文献学修)

所要時間: 授業1回当たり約190分

スケジュール

  1. イントロダクション(以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数や順番は変更することがありうる)
  2. なぜサステナビリティ投資か
  3. ESGの歴史的変遷
  4. E課題 気候変動問題とESG投資
  5. E課題 ダイベストメントとエンゲージメント(グループディスカッション)
  6. E課題 世界の企業・投資家・政府の対応とパートナーシップ
  7. E課題 森林保全と農畜産業におけるESG
  8. 世界のサステナブルファイナンス動向(グループディスカッション)
  9. S課題 人権・労働問題
  10. S課題 ジェンダー・ダイバーシティ
  11. S課題 人的資本マネジメント,人材育成投資
  12. G課題 国際比較,取締役会構造
  13. G課題 役員報酬制度,政策保有株式など
  14. まとめ サステナブル社会構築に向けて

教科書

講義ごとにレジュメを用意し,特定のテキストは使用しない

    参考書

    テーマごとに参考文献を提示する

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