平和構築入門*

共通 - 全学共通

GSP20930

コース情報

担当教員: 東 大作

単位数: 2

年度: 2024

学期: 4クォーター

曜限: 火3, 金3

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

20%

授業内期末試験

授業期間中

80%

詳細情報

概要

現代における戦争や軍事紛争をどう解決し,持続的な平和を構築するのかを学んでいく,入門的な授業です。授業では,教官が,NHKデイレクターとして制作した戦争に関するNHKスペシャルを数本見て頂いた後,研究者として現地調査をしたり,国連アフガニスタン支援ミッション和解再統合チームリーダ,及び,国連日本政府代表部の公使参事官として,実務に携わった平和構築や和平調停に関し,講義を進めていきます。具体的には,「ウクライナ戦争をどう終わらせるか」というテーマ,ガザ紛争の解決への模索,アフガニスタン,イラク,南スーダン,シリア,東ティモール,シエラレオネ,ミンダナオなどにおける平和構築をテーマに,紛争下の和平調停や紛争後の国家再建,平和構築の問題について考えます。教科書としては「平和構築~アフガンと東テイモールの現場から」(岩波新書2009年)と「内戦と和平~現代戦争をどう終わらせるか)(中公新書 2020年),「ウクライナ戦争をどう終わらせるか~和平調停の限界と可能性」(岩波新書 2023年)を学生に読んでもらいながら,授業を進めていきます。 (教員の,経歴や主な本,メディア出演や新聞記事などは,下の「講義概要URL」 リンク参照) (担当教員は国際協力関連の勤務経験を有する。本講義の到達目標に向け,実務に基づいた知見と,多文化な環境や国際的なプロジェクト運営の経験を生かします)

目標

授業を通じ,現代の軍事紛争や,戦争,内戦の問題についての基礎的な知識や理論を学ぶことを目的としています。教員がこれまで経てきた,NHKディレクター,国際政治学者(カナダのブリテイッシュコロンビア大学政治学科でMAとPhDを取得した経験),国際公務員(国連アフガニスタン支援ミッション和解再統合チームリーダー),外交官(国連日本政府代表部公使参事官)などでの経験,そして直近の戦争や紛争地における現地調査の内容を学生の方々に共有しながら,世界中で紛争が多発する今,紛争解決のために日本がどんな役割を果たせるのか,共に考えていきます。

授業外の学習

教科書の該当部分を授業の前に読んで,授業の参考にして頂きます。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. イントロダクション(授業の予定や評価方法等の説明)(基本,対面の授業です。)
  2. 教員が企画・制作したNHKスペシャル「我々はなぜ戦争をしたのか~ベトナム戦争敵との対話」を見て,相手に対する無知や誤解によって,どう戦争が勃発してしまうのか。その拡大を止めるのがいかに難しいかを考える。
  3. 教員が企画・制作したNHKスペシャル「イラク復興 国連の苦闘」を見て,イラク戦争の後の米国による占領政策が破綻し,国連との激しい攻防を広げた状況を学び,平和構築における国連の役割について学ぶ。
  4. 「平和構築」(岩波新書 2009年)の第1章と2章について読んできてもらい,それについて講義やデイスカッションを行う。(平和構築の基本的な概念など)
  5. 「平和構築」(岩波新書 2009年)の第3章,4章,5章について読んできてもらい,それについて講義やデイスカッションを行う。(アフガンの歴史的背景,戦争の背景,アフガンの和解の問題などについて)
  6. 「内戦と和平~現代戦争をどう終わらせるか」(中公新書 2020年)の第3章のアフガンのケースを読んでもらい,それについて議論やデイスカッションを行う(教員が,国連アフガン支援ミッションの和解再統合チームリーダーとして支援した新たな和解プログラムの設立と,その後の和平交渉,2021年のアフガン政権崩壊とその後の人道危機などについて)
  7. 「内戦と和平~現代戦争をどう終わらせるか」(中公新書 2020年)の第1章と第二章を読んできてもらい,それについて議論やデイスカッションを行う(南スーダン初回と和平調停と平和構築の違いなどについて)
  8. 「内戦と和平~現代戦争をどう終わらせるか」(中公新書 2020年)の第三章を読んできてもらい,南スーダンの平和構築について議論やデイスカッションを行う。
  9. 「内戦と和平~現代戦争をどう終わらせるか」(中公新書 2020年)の第4章のイラクの部分を読んできてもらい,それについて議論やデイスカッションを行う(イラクの平和構築の課題)
  10. 「平和構築」(岩波新書 2009年)の第6章及び,「内戦と和平」(中公新書 2020年)の5章「東チモール」の部分を読んできてもらい,それについて講義やデイスカッションを行う。(東ティモールについて)
  11. 「平和構築」(岩波新書)の第7章と「内戦と和平~現代戦争をどう終わらせるか」(中公新書 2020年)の第6章を読んできてもらい,それについて議論やデイスカッションを行う。(日本が和平調停や平和構築に果たせる役割について)
  12. 「ウクライナ戦争をどう終わらせるか~和平調停の限界と可能性」(岩波新書 2023年)の序章から5章を読んできて頂き,ウクライナ戦争を終わらせる課題について考える。
  13. 「ウクライナ戦争終結への課題と日本の役割」(雑誌「外交」東論文)等を読んで頂き,日本の役割について議論する。また,「ウクライナ戦争をどう終わらせるか」の6章と7章を読んで頂き,分裂が深まる世界における,日本のグローバルな課題解決への役割について考えていく。
  14. 授業内テストを行う。

教科書

教科書(特に,「ウクライナ戦争をどう終わらせるか」(岩波新書 2023年)及び「内戦と和平」(中公新書 2020年)を読んで頂きつつ講義を展開します。

  • 「ウクライナ戦争をどう終わらせるか~和平調停の限界と可能性」

    著者: 東 大作

    出版社: 岩波新書 2023年

  • 「内戦と和平~現代戦争をどう終わらせるか」

    著者: 東 大作

    出版社: 中公新書 2020年

  • 「平和構築~アフガン・東ティモールの現場から」

    著者: 東 大作

    出版社: 岩波新書 2009年

参考書

  • Challenges of Constructing Legitimacy in Peacebuilding: Afghanistan, Iraq, Sierra Leone, and East Timor

    著者: Daisaku Higashi

    出版社: Routledge 2015

  • 「我々はなぜ戦争をしたのか 米国ベトナム敵との対話」

    著者: 東 大作

    出版社: 平凡社ライブラリー 2010年

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