世界文化遺産(アンコール・ワット遺跡)
共通 - 全学共通
GSP20910
コース情報
担当教員: ニム ソテイーヴン
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 水3
形式: オンデマンド授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
詳細情報
概要
アンコール王朝は約600年続いた「帝国」であることが最近わかりました。それ故に,アジアで最大級の石造伽藍アンコール・ワットが建設できました。アンコール王朝の歴史と文化は未だ謎に包まれた部分が多く,王都と地方を結ぶ街道による物流ネットワークや灌漑システムの問題,あるいは遺跡に彫刻された浮彫の研究など,様々な観点から研究が進められており,その成果の一端を紹介します。こうしたアンコール遺跡の歴史解明のため,上智大学アジア人材養成研究センターは「カンボジア人の手によるカンボジアの遺跡修復」を掲げ,28年あまり現地調査を継続し,274体の仏像発掘(これまでの歴史を書き替える大発見)やアンコール・ワット西参道の第1期修復工事など現地に寄り添う活動を行なってきました。 この講義では,アンコール遺跡群は世界遺産としても有名ですが,カンボジアにおける世界文化遺産の登録事情や文化遺産保護をめぐる問題も取り上げます。また,カンボジア現地からの数々の大発見をパワーポイントでお伝えします。アジアの歴史の醍醐味を肌で感じてください。1年生から4年生まで多くの学生に受講してもらいたい。
目標
東南アジアの歴史において輝かしい大帝国を建設したカンボジア史の全体像を把握し,アンコールの歴史や美術および世界遺産といった幅広い視座から,日本との交流を学ぶことを目標とする。
授業外の学習
授業時間内には,集中して授業に参加し,学習することが大切です。 授業時間外には,その時々カンボジアおよび東南アジア諸国に関する文化遺産の最新情報などを調らべ,関心を持つよう心掛けてほしいと思います。
所要時間: 190分
スケジュール
- *授業の進捗状況により若干の変更がありうる。 ①講義概要 ②私はカンボジア人,私の国の歴史概説
- アンコールと各地を結ぶ街道のネットワーク
- アンコール建築とインド建築との比較考察
- アンコール王朝が衰退した原因は何か?
- 中世期(ポスト・アンコール期)の歴史解説
- 17世紀の日本とカンボジアの関係
- アンコール王朝史の研究 ―フランス人・日本人・カンボジア人―
- カンボジア人にとってのアンコール・ワットとはどんな意味があるのか。
- アンコール遺跡が世界遺産に登録されるまでの経緯
- 世界観を変える壮大な山岳大寺院―プレア・ヴィヒア遺跡
- サンボー・プレイ・クックは「大化の改新」の時代の都城
- カンボジア人からみた壁面浮彫の解釈
- 村人にとって「生きている遺跡」の意義
- 世界文化遺産アンコール遺跡群の保存修復-過去・現在・未来-
教科書
必要に応じてMoodleあるいはLoyolaで資料(データ)を配布します。
参考書
書籍情報はありません。