立場の心理学1:マジョリティの特権を考える
共通 - 全学共通
GSP20871
コース情報
担当教員: 出口 真紀子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 木5
形式: オンデマンド授業+同時双方向型授業(Zoomなど)
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
詳細情報
概要
授業の内容としては,特権的集団の特徴(文化的・制度的支配,正常性(Normalcy),優越性,特権)や,個人レベルでの特徴:(1)特権があるという認識の欠如,(2)社会的抑圧の現実を否定・回避,(3)優越感と権利意識,(4)自分に特権があるという認識に抵抗を示す,などを学び,心理学の理論を通して,特権集団の心理的特徴やアイデンティティの社会化のプロセスを学びながら,必ず自分自身の生い立ちを含めて振り返り,自己の立場性と向き合おうことが狙いである。内容としては,差別に「中立」は存在するか?「平等」とEquityとの違い,人種的アイデンティティ発達理論でマジョリティとマイノリティの違い,インターセクショナリティ(交差性)の概念などを取り上げる。また,多様なアイデンティティの持つゲストスピーカーに来てもらい,どのように自分自身の特権について考え,向き合ってきたか,そして,マイノリティの場合,どのように特権がなかったか,また特権の持つ人と接する上でどのような要望があるか,など生の声を聞く機会を与える。ビデオやドキュメンタリー映画の上映によって特権をより深く考察する。
目標
特権集団のカテゴリーには,人種・民族(エスニシティ),ジェンダー,性的指向,性自認,社会階級,学歴,年齢,などがあり,その各カテゴリーに属する人々の特権について学び,学生自身が自分自身との振り返りを行いながら,本人の気づきや学びを促すのが目的。
授業外の学習
授業時間外では,リーディング,リアぺ,その他課題があります。最後にA43枚~4枚のレポート提出があります。 課題は毎週あります。 教科書購入必須。
所要時間: 授業 1 回あたり 190 分以上
スケジュール
- イントロダクション:特権とは何か 特権について学ぶ意味 初回と最終回はZoomライヴですが,授業は録画され,オンデマンドとして視聴可能です。
- プリビレッジ・スタディーズの紹介(白人特権・北米の事例) 差別の概念・立場理論・人種的アイデンティティ発達理論
- 社会階級特権 家庭環境,アタッチメント理論 ゲスト・スピーカー(1):水木理恵(臨床心理士)
- 社会階級特権 学歴特権 ゲスト・スピーカー(2):水木理恵(臨床心理士)
- 映画上映: 青い目茶色い目 (日本語字幕) 白人特権に関するドキュメンタリー映画
- ジェンダーと特権1(ジェンダー・プリビレッジ) 女性専用列車は女性特権か?
- ジェンダーと特権2 無意識の偏見とステレオタイプ・好意的セクシズムとは?
- ジェンダーと特権3 性暴力を考える
- 日本における人種的・民族的マジョリティとマイノリティ 1 日本人特権を再考する
- マイクロアグレッション とは何か ゲスト・スピーカー(3):在日コリアン当事者
- 日本における人種的・民族的マジョリティとマイノリティ2 アイヌ・沖縄・ミックスルーツ・日本における外国人
- 異性愛者・シスジェンダー特権 ホモフォビアとトランスフォビアと向き合う
- 部落出身者の視点から:部落外出身者特権 ゲスト・スピーカー(4):部落出身者当事者
- 特権集団の社会への責任とは? 最終回はZoomライヴですが,授業は録画され,オンデマンドとして視聴できます。
教科書
テキスト以外の論文・記事などはMoodleにアップします。
真のダイバーシティをめざして:特権に無自覚なマジョリティのための社会的公正教育 教科書購入必須。
著者: グッドマン著,出口真紀子監訳
出版社: 上智大学出版 2017
参考書
書籍情報はありません。