中東イスラーム研究入門 II

共通 - 全学共通

GSP20780

コース情報

担当教員: 澤江 史子

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 月2

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

40%

授業内期末試験

授業期間中

60%

詳細情報

概要

グローバル化時代において,中東イスラーム地域の理解は大変に重要です。日本においてはまだイスラーム教徒は多くありませんが,イスラームは中東に発祥したとはいえ,人口的には南アジアや東南アジアが中心であり,アフリカはもちろんのこと,欧米でも重要なインパクトを有するようになっています。つまり,世界のどこに出かけて行っても,私たちはイスラーム教徒と当たり前に接する時代になっています。このような状況にもかかわらず,日本におけるイスラームのイメージや情報の源は,メディア報道で取り上げられる事件や紛争があまりにも大きな比重を占めています。そこで,この授業では,イスラームの信仰や実践に関する基本的な知識を前半で学びます。後半では現代の中東イスラーム地域における主要な政治社会的争点や問題を取り上げて,その具体的内容を理解するとともに,それが国際政治や私たちの認識に潜む偏見やステレオタイプ,グローバル化など,多様な要因とどのように結びついて形作られてきているのかという側面についても考えていきます。

目標

本講義の履修によって学生はより高度な中東イスラーム地域研究の履修に前提となる基礎知識を習得することを目指します。 ・イスラームの基本事項(教義,信仰実践内容,歴史的展開など)について習得する。 ・私たちがイスラームという異文化をどのように見ているのかという,私たちの認識に潜む偏見やステレオタイプについて学生の自覚を促す。 ・現代の中東イスラーム地域の政治社会的事象として国際的な関心や重要性が高いと考えられる,イスラーム社会における女性の地位問題やパレスチナ問題,グローバル化や経済社会発展がイスラーム社会に及ぼすインパクトについて,具体的に学ぶことにより,日本や欧米世界と同時代を生きているイスラーム社会という視点から,日本社会への振り返りも促しつつ,学生が関心を深めることを目指す。

授業外の学習

この授業には教科書がありませんので,積極的にノートをとり,わからなかった用語を自主的に調べ,中東イスラーム地域の国際ニュースにも日ごろから関心をもって接するといった姿勢が必要になります。また,ムードルに提示する授業関連資料を通じて,授業前後に自主的に関連テーマに関して知識を深めていくことが期待されます。

所要時間: 190分(予習40分:レジュメ内の用語を調べて授業に臨む。復習150:レジュメ掲載の参考資料や関連するニュースなど通じて授業内容の定着を図る。)

スケジュール

  1. 中東イスラーム世界
  2. イスラームの教義と世界観
  3. イスラームにおける共同体志向と個人
  4. イスラームの普及と分化
  5. イスラーム社会における法と多元的共存の基盤
  6. オスマン帝国の実践
  7. イスラームと女性
  8. 様々なヴェール
  9. グローバル化の中のイスラーム
  10. 西洋近代のゼノフォビアとイスラモフォビア
  11. 欧州ユダヤ人問題からパレスチナ問題への展開
  12. イスラエル/パレスチナ紛争と宗教
  13. 中東イスラーム世界をめぐる用語問題
  14. 授業内期末試験

教科書

指定教科書はありませんが,必要に応じて参考文献を授業中に提示します。

    参考書

    イスラムに関わる用語や考え方について押さえたい時には,授業で示す参考書の他に以下のようなものが便利です。

    • 岩波イスラーム辞典

      著者: 大塚和夫他編

      出版社: 岩波書店,2002年

    • イスラーム文化事典

      著者: イスラーム文化事典編集委員会

      出版社: 丸善出版,2023年

    • イスラームとは何か

      著者: 後藤明・山内昌之

      出版社: 新書館,2003年

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