社会学

共通 - 全学共通

GSP20690

コース情報

担当教員: 金﨑 一郎

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 木2

形式: 同時双方向型授業(Zoomなど)

レベル: 200

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

出席状況

10%

その他

平常点によって評価する。具体的には,小レポートを単元のまとまりに応じて課すことになるが。なお,レポートはLoyola「レポート管理」にて課題を適宜掲出,指定日までにレポート管理画面より提出すること。

90%

詳細情報

概要

社会学は従来イメージしにくい学問であると考えらてきたが,近年その研究対象の広さからか,「社会学の時代」と言われるまで一般に受け入れられた感がある。社会の様々な領域に応用され,ポップな印象を持っている学生も多いだろう。この講義では,3つの議論に分けて社会学の内容を見ていくことにしたい。 A 社会学の前提に関わる議論 B マクロな社会についての社会学的な説明に関わる議論 C ミクロな社会についての社会学的な説明に関わる議論 まずAにおいて,社会学だけでなくより広く社会科学の見地から概念や理論構成,人間観,文化・集団・個人についての基本的な議論を,Bでは,マクロに捉えられた社会を近代・資本主義・産業社会という点から,そしてCで,ミクロな社会として対面的状況における他者との関係性を表出的行為の視点から,それぞれ見ていくことになる。講義を通じて最終的に,マクロ・ミクロ様々な現代社会の諸現象を社会学的な視座から捉え,記述・説明できるようになってもらいたい。

目標

①人間の社会性についての社会学的な理解を深める ②社会学的な記述・説明のタイプを理解すること ③自分を取り込んだ具体的な対面的状況の記述・説明ができること ④学習した概念を具体的な社会現象に適用・応用できること

授業外の学習

基本的な概念の整理と理解に努め,また新聞・メディア等で政治・経済・社会・文化等の現実の諸現象を周知し,習得した諸概念を適用・応用してみること。

所要時間: 210分(30分程度/1日☓7日間の国内外の授業テーマに即した社会情報の収集と分析・考察)

スケジュール

  1. ガイダンス ・講義の概要,進め方,予習・復習についての説明 A1 社会科学の用語法(1) ・定義と認識 ・科学言語の構成 ・理論構成のタイプ
  2. A1 社会科学の用語法(2) ・科学と価値判断 ・価値自由と社会的責任
  3. A2 社会学の前提 ・社会学はどのように<人間>を捉えるか 社会学の「人間観」について ・経済学との対比 <社会的存在>としての人間 ・自己現象からみる人間の<社会性> ・知覚からみる人間の<社会性> ・「自明性」からみる人間の<社会性>
  4. A2 自己現象からみる人間の<社会性> ・Cooleyの「鏡映自己」 ・G.H.Meadの「役割取得」,「I と Me」 ・吉田民人の「自己包絡図式」
  5. A2 知覚からみる人間の<社会性> ・視覚と他の知覚について ・Bruner&Goodmanの「過大視実験」 ・Sherifの「規範形成実験」
  6. A2 「自明性」からみる人間の<社会性> ・性に関わるアイデンティティと文化の拘束 A3 文化と価値 ・生物の進化段階と文化 ・丸山圭三郎の「見分け」と「言分け」 ・言語について ・意味と価値
  7. A3 集団と個人(1) ・近代・前近代における集団との関わり ・個人主義の歴史的変容 ・欲望の個人主義の登場
  8. A3 集団と個人(2) ・Girardの「欲望の三角形」 ・Mertonの「準拠集団」
  9. B1 DurkheimとWeberにみる社会学の方法 Durkheimの捉えた<自殺と社会>の関係 ・『自殺論』から ・集合意識と自殺
  10. B2 Weberの捉えた「宗教と資本主義」について ・『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』から ・Weber vs. Marxについて ・資本主義の精神(ethos)
  11. C1 対面的状況での相互行為について ・活動としての行為と表出としての行為 ・Goffmanの演出論的社会学の視点
  12. C2 「パフォーマンス(performance)」について ・外面(front) ・劇的具象化(dramatization) ・理想化(idealization)など
  13. C3 「チーム(team)」及び他の表出論的概念について ・チームのメンバーの関係性 ・チーム単位で行うパフォーマンスの方針
  14. C4「局域(region)」について ・「表局域」と「裏局域」 ・「局域」の統制 D これまでの授業全体の議論における質問・補足・まとめ

教科書

<社会学の用語法>の部分を除き,基本的にテキスト1にある井上・大村による「社会学入門」の項目に沿って講義を進めるが,テキスト等については随時提示する。

  • 社会学入門

    著者: 井上俊・大村英昭

    出版社: 日本放送出版協会

  • 行為と演技

    著者: E.ゴフマン

    出版社: 誠信書房,1974年

  • The Presentation of Self in Everyday Life

    著者: Erving Goffman

    出版社: DOUBLEDAY 1959

参考書

  • Sociology, 8th ed.

    著者: Giddens,A. & Sutton,P.W.

    出版社: Polity, 2017

  • Sociology, 16th ed.

    著者: John J. Macionis

    出版社: Pearson, 2018

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