数の世界

共通 - 全学共通

GSP20610

コース情報

担当教員: 角皆 宏

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 木4

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

0%

授業参加

5%

リアクションペーパー

75%

レポート

20%

その他

「リアクションペーパー」は授業時実習課題や次回までに提出の演習課題などで,「出席状況」の評価も含む。授業内実習への参加を「授業参加」とし,他に演習問題の発表などを加味することがある。授業内容に関連した「レポート」を期末に課す。「期末試験」は行なわない。

0%

詳細情報

概要

小学校の算数以来馴染みの深い「数」,とりわけ「整数」の振舞いについて,様々な奥深い現象を紹介する。剰余と合同式,ユークリッドの互除法による最大公約数の計算法,連分数展開,方程式の解法理論の歴史,素数の概念の意義と見直しなどの話題に加え,暗号など近年の情報化社会における応用などを通じて,数理現象の探求が数理技術として活用されている様子にも触れる。高校の「数学Ⅱ・数学B」程度までの予備知識を想定する。 講義中心で行なう。数学の講義では,一つ一つの主張について「本当にそうか」「具体例ではどうか」「何故そうか」など常に主体的批判的に考えながら納得し理解することが重要である。そのように講義中心の授業にアクティブに取組むための留意点について注意し,授業内で取組みを適宜促す。それに加え,一部の回では数理を体感する実習を交えた授業を企画している(前年度実績5回・今年度も同程度以上の予定)ので,乞ご期待。 初回授業までに履修登録の上,Loyola授業掲示板を確認して,moodleコースに登録すること。 ・Loyola授業掲示板・moodleを通じて解説資料・実習ワークシート・演習問題を事前に提示することがあるので,目を通した上,必要に応じて予め手元において受講されたい。 ・指示された演習課題について,清書した答案を,授業終了後にmoodleを通じて提出する。提出方法の詳細についてはmoodleで指示する。 ・Loyola授業掲示板・moodleを通じて,まとめや自習課題,より進んだ学修に向けての補足などのプリントを配布することがある。 (授業開始後の状況により,変更することもあり得る。) この科目は全学共通科目CP3に掲げられた「展開知」科目群4カテゴリーのうちの「視座」に属す科目で,数学に関する学習機会の提供を行ない,整数を主とする数の振舞いに関する幾つかの現象や,その数理技術としての活用に触れることを目的とし,受講生各人の専門分野に関わらず幅広い学びに資する科目である。

目標

・「数」に関する様々な話題に親しみ楽しむ。 ・「数」の振舞いに関して興味を持った現象について,主体的に観察・実験・探求する。 ・「数」の振舞いが数理技術として活用されていることを知る。 ・理解したことを適切に言語化し,他者に的確に伝えられる。

授業外の学習

特に予習は必要としないが,関連する書籍などを読んで普段から親しんでおくことで,講義内容に馴染み易くなるだろう(週0~1時間程度)。 抽象的な理論構成に傾きすぎず,具体的な計算を多く取り入れる予定なので,各自実際に手を動かして計算することにより,内容に親しむことを望む(提出小課題も含めて週2~4時間程度)。

所要時間: 3〜4時間程度

スケジュール

  1. 初回授業までに履修登録の上,Loyola授業掲示板を確認して,moodleコースに登録しておくこと。(以下は大体の予定。授業の進捗状況により変更することがあり得る。詳しくは担当者のwebpageを参照のこと。) 数体系の概観,特に整数について・整数の整除
  2. 整数に関する割算の原理・剰余と合同式
  3. 最大公約数・ユークリッドの互除法とその拡張版
  4. 最大公約数の特徴付け・互いに素
  5. 中国式剰余定理・Fermatの小定理
  6. 整数の性質の数理技術としての活用(1)有限体の演算と秘密分散
  7. 整数の性質の数理技術としての活用(2)公開鍵暗号
  8. 互除法と連分数展開
  9. 連分数展開(続き) Newton-Raphson法による近似値の計算
  10. 方程式の古典的な解法理論(1)3次方程式の解法
  11. 方程式の古典的な解法理論(2)4次方程式の解法とその後
  12. 円の方程式の有理数解とピタゴラスの3つ組
  13. 素数の概念の意義と見直し・素因数分解の一意可能性とその破れ
  14. 素因数分解の一意可能性の破れと回復

教科書

特定のテキストに沿った授業は行なわず,数に関する様々なトピックについて採り上げる。

    参考書

    「数」「数論」などに関する本はたくさん出版されているので,書店・図書館などで自ら手に取って興味を持ったものを積極的に読んでもらいたい。また数学図書室にも関連書籍を用意しているので,活用されたい。

    • 数の世界 (ISBN: 9784000055000)

      著者: 和田秀男

      出版社: 岩波書店・1981

    • 初等整数論講義 (第2版) (ISBN: 9784320010017)

      著者: 高木貞治

      出版社: 共立出版・1971

    • 連分数 (ISBN: 9784764906433)

      著者: 木田雅成

      出版社: 近代科学社・2022

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