宇宙の科学
共通 - 全学共通
GSP20581
コース情報
担当教員: 吉田 慎一郎
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 木2
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
定期試験
定期試験期間中
小テスト等
詳細情報
概要
私たちの眼に見える宇宙を構成する基本単位は星(恒星)です.私たちに最も近い星である太陽もその一例である星とはどんな存在なのでしょうか.この講義では主に星の科学的性質をお話し,併せてこれらの性質を知るために人類が用いてきた科学的手法を紹介していきます.宇宙科学の発展により,我々自身を含む世界を構成する物質の多くは星が作ってきたものであることがわかってきました.本講義では現代宇宙科学で解明されてきた「世界の起源」のストーリーを紹介したいと思います. また,近年恒星を周る天体(惑星)が太陽系の外でも多数発見されてきました.これらの天体のなかには地球と似た環境にあり,その上で生物が発生しているものがある可能性も議論されています.このような惑星の起源は星の誕生と密接な関わりがあります.ここではこのような惑星の形成についてもお話しします.
目標
私たちの生活に直接影響を与える太陽とはどんな天体か,恒星の構造と進化およびその終末,宇宙における元素合成に果たす恒星の役割を理解する.また星や惑星がどのような過程を経て誕生するか,現在の太陽系の惑星および太陽系外で発見されている惑星がどのような性質をもつかを知る. 更に私たちが直接触れることができないそれら天体の性質を調べる手法を理解する.
授業外の学習
第二回以降,講義終了後に前回の講義を踏まえた復習クイズを出題しますので,講義後は教科書や配布したスライドを読み返しておいてください.(95分)
所要時間: 95分
スケジュール
- 宇宙の始まりー宇宙論概略;星空の見え方(天体の日周運動,星座,季節変化)を復習する.
- 太陽とその表面現象.太陽面爆発現象とその地球への影響.
- 天体観測の基礎:光と電磁波について.望遠鏡の仕組み.さまざまな望遠鏡.
- 天体の明るさとスペクトル.天体までの距離の表し方.
- 恒星はどうやって光るのか.核融合について.主系列星ー水素核融合で光る星.
- 中小質量星の進化:赤色巨星への進化.ヘリウム核融合.漸近巨星分枝星.
- 太陽の最期ー惑星状星雲.白色矮星.
- 大質量星の進化と終末:超新星爆発と元素合成
- 中性子星ー宇宙最強の磁場を持つ最高密度の天体.
- ブラックホールとはどんな天体か.相対論的天体の世界.
- 連星系:食連星,分光連星の観測.近接連星系と降着円盤.
- 激動する連星:新星爆発とIa型超新星爆発.中性子星連星と重元素の起源.
- 星の誕生:分子雲から原始星,そして主系列星へ.宇宙における物質大循環と元素進化.
- 惑星の誕生,太陽系の天体.
教科書
講義で使用するスライドはMoodle上にアップロードします.
なぞとき宇宙と元素の歴史
著者: 和南城伸也
出版社: 講談社・2019
参考書
書籍情報はありません。