自然科学史I

共通 - 全学共通

GSP20570

コース情報

担当教員: 吉田 幸司

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火3

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

10%

リアクションペーパー

30%

定期試験

定期試験期間中

60%

詳細情報

概要

夜空を見上げて,みなさんは何を感じますか。近代の哲学者パスカルは,沈黙する無限の宇宙に畏怖を覚えました。かつて宇宙は,神々の住む調和的なコスモスと信じられていましたが,近代科学の成立とともに物質的・機械的に理解され,そのなかで人間は「存在の根拠」をも喪失していきます。科学では満たされない,しかし,神話を信じることもできなくなった現代人は,宇宙に何を思い描けるのでしょう。 本講義では,哲学思想や文学との相関のなかで,古代から現代までの宇宙像の変遷を辿ります。また,占星術や超心理学といった事例も取り上げながら,科学史・科学哲学・科学社会学の観点から,「科学とは何であるか」について考えていきます。 ※授業内で提示された問いについて,近くに座っている人とグループディスカッションする時間が毎回あります。どんな話になったか,いくつかのグループに口頭で発表していただきます。

目標

・歴史的・思想的な観点から科学および科学技術に関する基礎知識を習得する。 ・哲学や文学,宗教との相関の中で科学史を辿ることで,分野を横断して多角的に物事を捉えられるようになる。 ・リアクションペーパーやディスカッションを通じて思考力と表現力を鍛える。

授業外の学習

(1) 毎回,授業後には講義内容の復習,ディスカッションを通じて得た気づきの振り返りを各自でおこなうようにしてください。(60分) (2) 科学や宇宙に関わる情報を,書籍,新聞,ウェブページなどを通じて日々リサーチすることを心掛けてください。(40分) (3) 配布資料を予め熟読し,疑問点や自身の考えを整理してから授業に臨んでください。(30分) (4) サイエンスカフェや宇宙関連のイベント,科学に関わる映画・小説ほか,授業内容に関わることに自主的に触れるようにしてください。(60分)

所要時間: 190分

スケジュール

  1. イントロダクション ※以下は予定であり,授業の進捗状況によりスケジュールに多少の変更を加える場合があります。
  2. 古代のコスモロジーと現代科学の比較
  3. 近代科学の成立とコスモロジーの転換
  4. 科学と疑似科学:占星術を事例として
  5. 近代科学の方法論
  6. 近代科学へのロマン主義的反動
  7. カントのコペルニクス的転回
  8. 近代科学の限界と現代科学の成立
  9. 科学の目的と方法の反省
  10. 論理実証主義と反証主義
  11. 新科学哲学
  12. 科学社会学の展開と科学リテラシー
  13. 現代宇宙論
  14. 総括

教科書

特になし。必要な資料は配布します。

    参考書

    • 『科学哲学への招待』

      著者: 野家啓一

      出版社: 筑摩書房,2015年

    • 『疑似科学と科学の哲学』

      著者: 伊勢田哲治

      出版社: 名古屋大学出版会,2003年

    • 宇宙図2018

      出版社: 科学技術広報財団,2018年

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