現代物理学の世界B(ノーベル賞とテクノロジー)

共通 - 全学共通

GSP20530

コース情報

担当教員: 星野 正光

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 水4

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

授業参加

30%

リアクションペーパー

30%

定期試験

定期試験期間中

20%

中間試験

授業期間中

20%

その他

前半7週と後半7週,それぞれ2回以上正当な理由無く欠席した場合,または,中間試験と期末試験の少なくてもどちらか一方を正当な理由無く受験しなかった場合には不可となるので注意すること。正当な理由の定義についてはガイダンスで説明する。

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詳細情報

概要

今から約100年前に,量子力学や相対性理論など,それまで主流であったニュートン力学や古典電磁気学を超えた物理学が提唱された。これら現代物理学の考え方により,人類は原子・分子・物質・空間といった身の回りの現象や事柄を系統的に理解することが可能となった。それらの性質を巧みにコントロールすることにより,20世紀には数多くのデバイスが開発され,我々の生活は豊かなものとなった。本講義では,ノーベル物理学賞を受賞した先人の先駆的な研究内容とその成果,その仕事が現代物理学や社会に与えた影響を紹介することにより,現代社会における物理学の役割や位置づけについて講義する。具体的には,春学期に開講された「現代物理学の世界A(ノーベル賞のインパクト)」に引き続き,毎回の講義で1名の受賞者を対象に,ノーベル物理学賞を受賞した仕事の具体的な内容と,人物像や歴史的背景,その仕事から派生した現代社会におけるテクノロジーを紹介し,それらの根底にある現代物理学の考え方を幅広く理解する。本科目は,全学共通教育におけるカリキュラム・ポリシー5,特に「視座」の分野に位置づけられる。春学期に開講された「現代物理学の世界A(ノーベル賞のインパクト)」と併せて履修することより関連した内容の理解が深まることが期待されるが,受講していなくても,独立した講義として実施する予定である。 本講義は,原則Moodleでの教材提供による対面形式で実施する。Moodleの登録キーは,初回授業の1週間前までにLoyola「授業掲示」に掲出するので忘れずに確認すること。

目標

物理学とは,数式という便利なツールを用いて,観測された現象を論理的に説明し,そこから演繹的に導かれる未知の現象を予測し,それを観測する手段を考察,実現することが要求される学問である。しかしながら,高度に深化した現代物理学において,適用できる領域があまりに広く,概念が抽象的であることから,初学者の「目の前の問題だけを解決する」というニーズに応えることが難しく,結果として現代物理学は敷居が高い学問となりがちである。そこで本講義では,複雑な数式は極力用いず,ノーベル物理学賞を受賞した偉人らの積み重ねてきた仕事や,その人物像,現代社会への影響を説明することで,文系学生には現代物理学の成果を概観し,物理学という敷居の高い学問の本質を理解し,様々な視点で物事を判断する能力を,また理系学生には,自分が発見・発明した成果やこれから発見・発明するであろう成果の予測を,平易な言葉を使って説明できる知識と能力を身に着けることを目的とする。これは,多様化する現代社会の抱える科学・技術の諸問題を幅広いおよび国際的視野から解決する能力をノーベル物理学賞という観点から習得することに対応する。

授業外の学習

【予習】事前にMoodleにアップロードされた講義資料に目を通す(30分/回)。また,講義開始前までに参考図書やノーベル財団ホームページの記事,関連動画の視聴などからその週の講義内容について調べる。具体的な内容については講義中に指示する(100分/回)。 【復習】授業参加に対する習熟度の評価,発展的学習意欲の啓発のため,リアクションペーパーの提出をガイダンスの時間を除く毎回の講義で課す予定である。講義終了後に講義中に出題されたリアクションペーパーや課題について解答しMoodle上から提出する(60分/回)。 また,中間試験・期末試験それぞれについても,試験準備に対して同様の時間を要する。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. ガイダンス:講義概要の説明とノーベル物理学賞の紹介 ※LOYOLAとMoodleを利用するので,IDとパスワードを準備しておくこと。詳細はLOYOLAとMoodleから案内する ※以下は予定であり,授業の進捗状況により講義スケジュールは変更される場合がある
  2. レーナルト博士が研究した「陰極線」(星野)
  3. トムソン博士が発見した「電子」から「テレビ」への展開(星野)
  4. ボーア博士の描いた原子模型と「電子」の不思議な性質(星野)
  5. フランク博士とヘルツ博士が研究した衝突する「電子」(星野)
  6. ビーニッヒ博士らの発明した不思議な「顕微鏡」(星野)
  7. タウンズ博士らの発明した「メーザー・レーザー」とその応用(星野)
  8. 中間試験 ※詳細については講義中,またはMoodleにてアナウンスする
  9. ピーブルス博士の「宇宙の始まり」(平野)
  10. ティン博士らの発見した「クォーク」(平野)
  11. ウォルトン博士らが加速した「陽子」(黒江)
  12. ギルビー博士らの発明「集積回路」(黒江)
  13. ボイル博士らの発明と「フィルム・カメラ」の終焉(黒江)
  14. カオ博士の発明と「海底横断ケーブル」(黒江)

教科書

講義はMoodleにアップされた講義資料,Moodleに記載された情報を元に講義を行う予定である。参考書は必ずしも購入の必要はない。物理の内容にも立ち入っており,少々難しい箇所もあるかもしれないが,興味のある方はぜひ読んでみて欲しい。

    参考書

    • ノーベル賞でたどる物理の歴史

      著者: 小山 慶太

      出版社: 丸善出版 (2013/10/10)

    • ノーベル賞でたどるアインシュタインの贈り物(Kindle版あり)

      著者: 小山 慶太

      出版社: NHK出版 (2011/2/24)

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