現代物理学の世界A(ノーベル賞のインパクト)
共通 - 全学共通
GSP20520
コース情報
担当教員: 星野 正光
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 水4
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
授業参加
リアクションペーパー
定期試験
定期試験期間中
中間試験
授業期間中
その他
前半7週と後半7週,それぞれ2回以上正当な理由無く欠席した場合,または,中間試験と期末試験の少なくてもどちらか一方を正当な理由無く受験しなかった場合には不可となるので注意すること。正当な理由の定義についてはガイダンスで説明する。
詳細情報
概要
今から約100年前に,量子力学や相対性理論など,それまで主流であったニュートン力学や古典電磁気学を超えた物理学が提唱された。これら現代物理学の考え方により,人類は原子・分子・物質・空間といった身の回りの現象や事柄を系統的に理解することが可能となった。それらの性質を巧みにコントロールすることにより,20世紀には数多くのデバイスが開発され,我々の生活は豊かなものとなった。本講義では,ノーベル物理学賞を受賞した先人の先駆的な研究内容とその成果,その仕事が現代物理学や社会に与えた影響を紹介することにより,現代社会における物理学の役割や位置づけについて講義する。具体的には,毎回の講義で1名の受賞者を対象に,ノーベル物理学賞を受賞した仕事の具体的な内容と,人物像や歴史的背景,それがどのように理学・工学,さらには現代社会にインパクトを与えたかを紹介し,それらの根底にある現代物理学の考え方を幅広く理解する。本科目は,全学共通教育におけるカリキュラム・ポリシー5,特に「視座」の分野に位置づけられる。秋学期に開講予定である「現代物理学の世界B(ノーベル賞とテクノロジー)」と併せて履修するとより関連した内容の理解が深まることが期待される。 本講義は,原則Moodleでの教材提供による対面形式で実施する。Moodleの登録キーは,初回授業の1週間前までにLoyola「授業掲示」に掲出するので忘れずに確認すること。
目標
物理学とは,数式という便利なツールを用いて,観測された現象を論理的に説明し,そこから演繹的に導かれる未知の現象を予測し,それを観測する手段を考察,実現することが要求される学問である。しかしながら,高度に深化した現代物理学において,適用できる領域があまりに広く,概念が抽象的であることから,初学者の「目の前の問題だけを解決する」というニーズに応えることが難しく,結果として現代物理学は敷居が高い学問となりがちである。そこで本講義では,複雑な数式は極力用いず,ノーベル物理学賞を受賞した偉人らの積み重ねてきた仕事や,その人物像,現代社会への影響を説明することで,文系学生には現代物理学の成果を概観し,物理学という敷居の高い学問の本質を理解し,様々な視点で物事を判断する能力を,また理系学生には,自分が発見・発明した成果やこれから発見・発明するであろう成果の予測を,平易な言葉を使って説明できる知識と能力を身に着けることを目的とする。これは,多様化する現代社会の抱える科学・技術の諸問題を幅広いおよび国際的視野から解決する能力をノーベル物理学賞という観点から習得することに対応する。
授業外の学習
【予習】事前にMoodleにアップロードされた講義資料に目を通す(30分/回)。また,講義開始前までに参考図書やノーベル財団ホームページの記事,関連動画の視聴などからその週の講義内容について調べる。具体的な内容については講義中に指示する(100分/回)。 【復習】授業参加に対する習熟度の評価,発展的学習意欲の啓発のため,リアクションペーパーの提出を,ガイダンスを除く毎回の講義で課す予定である。講義終了後に講義中に出題されたリアクションペーパーや課題について解答しMoodle上から提出する(60分/回)。 なお,中間試験・期末試験それぞれについても試験準備に対して同様の時間を要する。
所要時間: 190分
スケジュール
- 講義概要の説明とノーベル物理学賞の紹介 ※LOYOLAとMoodleを利用するので,IDとパスワードを準備しておくこと。詳細はLOYOLAとMoodleから案内する ※以下は予定であり,授業の進捗状況により講義スケジュールは変更される場合がある
- レントゲン博士の「 X 線」(黒江)
- ラウエ博士のアイディア,「結晶」という名の分光器(黒江)
- バークラ先生の発見した「特性 X 線」(黒江)
- プランク博士の発見した「粒子としての光」(黒江)
- オネス博士が開拓した「低温物理学」の世界(黒江)
- ブリッジマン博士の作った「圧力」発生装置(黒江)
- 中間試験 ※詳細については講義中,またはMoodleにてアナウンスする
- 南部博士らの「空っぽでない真空」(平野)
- ソーン博士らの「重力波」の発見(平野)
- ミリカン博士の行った「油滴実験」と電気素量の発見(星野)
- ウィルソン博士の発明した「霧箱」(星野)
- ヘス博士の発見した「宇宙線」(星野)
- 小柴博士の開拓した「ニュートリノ天文学」(星野)
教科書
講義はMoodleにアップされた講義資料,Moodleに記載された情報を元に講義を行う予定である。参考書は必ずしも購入の必要はない。物理の内容にも立ち入っており,少々難しい箇所もあるかもしれないが,興味のある方はぜひ読んでみて欲しい。
参考書
ノーベル賞でたどる物理の歴史
著者: 小山 慶太
出版社: 丸善出版 (2013/10/10)
ノーベル賞でたどるアインシュタインの贈り物 (Kindle版あり)
著者: 小山 慶太
出版社: NHK出版 (2011/2/24)