文化人類学 Ib

共通 - 全学共通

GSP20080

コース情報

担当教員: 綾部 真雄

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 水2

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

30%

レポート

70%

その他

提出回数の増減によって,リアクションペーパーの配点割合を変更する可能性がある。

0%

詳細情報

概要

文化人類学とは,世界各地の人々の文化や思考様式に対する「共感力」と,地域的な事実や一見特殊に思える現象から出発してより普遍的な人類像を確立するための力,すなわち「遠心的想像力」を養うための学問である。我々はついつい,自文化にとっての「あたりまえ」が異文化にとっての「あたりまえ」とは異なるという単純な事実を忘れがちだが,その忘却は時に,異なる文化間,国家間に横たわる大きな確執や偏見を助長する。それを避けるためには,やはり「共感力」と「遠心的想像力」が必要である。 本講義では,こうした観点から出発し,世界各地のローカルな文化や歴史的事実を紹介しながら,それぞれのトピックの中に「人間」という存在をより包括的にとらえなおすための様々なヒントを見出そうとする。それはそのまま,長期のフィールドワークに基づいて執筆されたエスノグラフィ(民族誌)と文化人類学的理論の紹介であると同時に,初学者向けの文化人類学の概説ともなる。 ただし,文化人類学は「失われた文化/失われつつある文化」のノスタルジックな探求ではない。文化人類学は,常に人類の「今」を切り取るための視点をヴァージョンアップし続けて今に至る。

目標

・世界各地のローカルなものの見方への共感力を身につける ・自己の視点を相対化する力を身につける ・様々な民族誌的事例の学習を通じて,世界の人々の暮らしぶりや価値感の多様性を理解する ・リアクション・ペーパーの執筆とその講評を通じて,論理運用能力と分析力を身につける

授業外の学習

・講義中等に指定する参考資料の事前購読(計5回程度/1回1時間~2時間) ・授業時間外のリアクションペーパーの執筆(計3回程度/1回1時間~2時間)

所要時間: 90分

スケジュール

  1. ガイダンス―文化という豊かな無駄―
  2. 人は交わす(1) 課題文読解およびリアクションペーパーの講評
  3. 人は交わす(2) 交換と全体性の経済①
  4. 人は交わす(3) 交換と全体性の経済②
  5. 人は交わす(4) 贈与としての国際協力
  6. 人は分かつ(1) 課題文の読解およびリアクションペーパーの講評
  7. 人は分かつ(2) 分類論メモランダム
  8. 人は分かつ(3) ジョークとスティグマ
  9. 人は分かつ(4) ケガレを読み解く①
  10. 人は分かつ(5) ケガレを読み解く②
  11. 人は祀る(1) 課題文の読解およびリアクションペーパーの講評
  12. 人は祀る(2) 儀礼的生き物としての人間
  13. 人は祀る(3) 儀礼における意味と規則
  14. 人は祀る(4) 調和と紛争の二律背反 / まとめ
  15. 指定された課題について,参考資料を読んでレポートを提出する

教科書

特に使用せず,必要に応じて講義中に指示する。

    参考書

    • よくわかる文化人類学(第2版)

      著者: 綾部恒雄・桑山敬己編

      出版社: ミネルヴァ書房,2010年

    • 詳論 文化人類学

      著者: 桑山敬己・綾部真雄

      出版社: ミネルヴァ書房,2018年

    • 私と世界―6つのテーマと12の視点―

      著者: 綾部真雄

      出版社: メディア総合研究所,2011年

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