文化人類学 Ia

共通 - 全学共通

GSP20071

コース情報

担当教員: 綾部 真雄

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 水2

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

30%

レポート

70%

その他

リアクションペーパーの提出に基づく評価割合は,課題の回数に応じて若干の増減がありうる。

0%

詳細情報

概要

文化人類学とは,世界各地の人々の文化や思考様式に対する「共感力」と,地域的な事実や一見特殊に思える現象から出発してより普遍的な人類像を確立するための力,すなわち「遠心的想像力」を養うための学問である。我々はついつい,自文化にとっての「あたりまえ」が異文化にとっての「あたりまえ」とは異なるという単純な事実を忘れがちだが,その忘却は時に,異なる文化間,国家間に横たわる大きな確執や偏見を助長する。それを避けるためには,「共感力」と「遠心的想像力」が必要である。 本講義では,こうした観点から出発し,世界各地のローカルな文化や歴史的事実を紹介しながら,それぞれのトピックの中に「人間」という存在をより包括的にとらえなおすための様々なヒントを見出そうとする。それはそのまま,長期のフィールドワークに基づいて執筆されたエスノグラフィ(民族誌)と文化人類学的理論の紹介であると同時に,初学者向けの文化人類学の概説ともなる。 ただし,文化人類学は「失われた文化/失われつつある文化」のノスタルジックな探求ではない。文化人類学は,常に人類の「今」を切り取るための視点をヴァージョンアップし続けて今に至る。

目標

・世界各地のローカルなものの見方への共感力を身につける ・自己の視点を相対化する力を身につける ・様々な民族誌的事例の学習を通じて,世界の人々の暮らしぶりや価値感の多様性を理解する ・リアクション・ペーパーの執筆とその講評を通じて,論理運用能力と分析力を身につける ・各種映像の視聴を通じて,知識とイメージを有機的にリンクさせる

授業外の学習

・講義中等に指定する参考資料の事前購読(計5回程度/1回1時間~2時間) ・授業時間外のリアクションペーパーの執筆(計3回~4回程度/1回1時間~2時間)

所要時間: 90分

スケジュール

  1. 人類学という仕掛け(1) ―モンシロチョウは赤いスイートピーの夢を見るか―
  2. 人類学という仕掛け(2) 映像視聴・およびリアクションペーパーの執筆
  3. 人類学という仕掛け(3) デフォルトの人類学
  4. 人類学の思想(1) 文化相対主義の諸相
  5. 人類学の思想(2) 生命との対話
  6. 人類学の思想(3) フィールドワークとアブダクション
  7. 人の分類(1) 人種の虚実①
  8. 人の分類(2) 人種の虚実②
  9. 人の分類(3) 映像視聴およびリアクションペーパーの執筆
  10. 人の分類(4) 同時代のエスニシティ①
  11. 人の分類(5) 同時代のエスニシティ②
  12. 見えないものとの対話(1) アイデンティティ再考①
  13. 見えないものとの対話(2) 課題文の読解およびリアクションペーパーの執筆
  14. 見えないものとの対話(3) アイデンティティ再考②
  15. 指定された課題について,参考資料を読んでレポートを提出する

教科書

特に指定せず,必要に応じて適宜指示する。

    参考書

    • よくわかる文化人類学(第2版)

      著者: 綾部恒雄・桑山敬己編

      出版社: ミネルヴァ書房,2010年

    • 詳論 文化人類学

      著者: 桑山敬己・綾部真雄編

      出版社: ミネルヴァ書房,2018年

    • 『私と世界―6つのテーマと12の視点―』

      著者: 綾部真雄編著

      出版社: メディア総合研究所,2011年

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