東洋史

共通 - 全学共通

GSP20050

コース情報

担当教員: 新飼 早樹子

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 水3

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

40%

定期試験

定期試験期間中

40%

小テスト等

20%

詳細情報

概要

本講義は,高校までの歴史授業ではあまり触れられてこなかった朝鮮半島に主眼を置き,巨視的かつ複眼的な視点で東洋史を見通し,「暗記」する歴史ではなく,「考察し思考する」歴史学の力を身に着けることを目標とする。 高校までの世界史の授業では,両者の関係は”一衣帯水”の関係にあるものの,朝鮮半島の歴史については,あまり触れられていない。教科書をみても古代から近現代を通して,朝鮮半島関係の事柄について多くのページが割かれているとは言い難い。結果として教科書の記述は,断片的なものにとどまっている。したがって学習者は,教科書に書かれた記述に対し,考察するための背景や前提知識を得ることが難しく,朝鮮半島の歴史についての考察材料が十分にあるとは言い難い。 本講義はこのような朝鮮半島の歴史について,時代ごとの主要トピックに注目し,朝鮮半島に軸足を置きつつも,中国やその他の東洋史世界に目を向けることで,朝鮮史・韓国史の流れと歴史過程への眼差しを持てるようにする。これは単に通史を知るのではなく,受講者自身がそれぞれの問題意識を持ち,東洋史という枠組みで朝鮮半島,朝鮮史・韓国史を捉える意味を考え,結果として自身の問題意識を解決することへ導く糸口をつかむことを目標とする。 また現在朝鮮半島の歴史に関しては,歴史教育と歴史学研究の場での乖離だけではなく,世界レベルで考えた際,歴史学の方法論やアプローチの仕方においても様々な乖離がみられる。そのため本講義では,現在世界で行われている朝鮮史・韓国史研究の最前線での方法論や議論を積極的に紹介し,受講者にはグローバル視点で朝鮮半島の歴史および東洋史について考察する視座を持つことを期待する。 *評価に関して 毎講義ごと500字程度のリアクションペーパーを授業内に作成し提出してもらう。また(古代・高麗)の内容が終了した時点で,1000字程度のレポートを小テストとして書いてもらう。最終的には,講義の内容に関連する大問を投げかけ,それに対して解答してもらう形式で期末筆記試験を行う。以上3点の項目を総合的に判断し,評価の対象とする。 *ダイバーシティに関する項目 本講義は全ての学生に対し広く開かれています。そのため,講義におけるノートテイク,ノートテイカー,その他の配慮が必要な場合には,初回授業前までに本学ウェルネスセンターに相談するようにしてください。

目標

「朝鮮史,韓国史からのぞむ東洋史」を考察することにより,期待される最終的な到達目標を以下3点にまとめる。 1)朝鮮半島に主眼を置き,巨視的かつ複眼的な視点で東洋史を見通すことを通して,多角的な視点で物事を捉える力を身に着ける。 2)学生自身が疑問点や問題意識を持ち,その上で問題解決のために調べ,それをもとに考察・思考できる素地を持てるようにする。 3)現在朝鮮史・韓国史の分野で議論となっているトピックに対してグローバルな視点でアプローチし,考えられるようにする。

授業外の学習

予習:講義で扱う時代に関して,朝鮮史・韓国史の一連の流れと基礎的知識をおさえておくために,テキスト1で設定した『一冊でわかる韓国史 (世界と日本がわかる 国ぐにの歴史)』の関連部分を読んでおき,疑問点については調べておく。 復習:講義においての疑問点等を解決するために,自身で調べ,講義内で紹介した参考文献を読み込み,自身の問題意識に対しての問題解決を試みることで,次回の授業につなげる。

所要時間: 190分以上(予習復習含む)

スケジュール

  1. ガイダンス:世界史教育と東洋史研究
  2. 東洋史の枠組み①:戦前東洋史学の展開と歴史研究
  3. 東洋史の枠組み②:世界の動向から考える朝鮮史と韓国史
  4. 朝鮮史,韓国史からのぞむ東洋史:古代①
  5. 朝鮮史,韓国史からのぞむ東洋史:古代②
  6. 朝鮮史,韓国史からのぞむ東洋史:古代③
  7. 朝鮮史,韓国史からのぞむ東洋史:高麗①
  8. 朝鮮史,韓国史からのぞむ東洋史:高麗②
  9. 朝鮮史,韓国史からのぞむ東洋史:朝鮮①
  10. 朝鮮史,韓国史からのぞむ東洋史:朝鮮②
  11. 朝鮮史,韓国史からのぞむ東洋史:朝鮮③
  12. 朝鮮史,韓国史からのぞむ東洋史:近現代①
  13. 朝鮮史,韓国史からのぞむ東洋史:近現代②
  14. まとめ:グローバルな視点から考える朝鮮半島の歴史とはー様々な乖離を解決するための糸口ー

教科書

テキスト1の通史的な流れは前提知識があるとして講義を進めて行く。

  • 『一冊でわかる韓国史 (世界と日本がわかる 国ぐにの歴史)』

    著者: 六反田豊監修

    出版社: 河出書房新社・2021

  • 『朝鮮史研究入門』

    著者: 朝鮮史研究会編

    出版社: 名古屋大学出版会・2011

参考書

授業の進行に即して適宜紹介する。 本講義の性格上,最新研究の現状を知るために,日本語以外での研究成果が多く含まれます。講義後これらの語学能力をもつ学生が海外の最新研究成果にアクセスできるよう参考文献についても積極的に紹介していきますが,受講に関して日本語以外の語学能力は問いません。

  • 『論点・東洋史学 アジア・アフリカへの問い158』

    著者: 吉澤誠一郎監修

    出版社: ミネルヴァ書房・2022年

  • 『世界歴史体系 朝鮮史1先史ー朝鮮』『世界歴史体系 朝鮮史2近現代』

    著者: 李成市,宮嶋博史,糟屋憲一編

    出版社: 山川出版社・2017年

  • 『戦前歴史学』のアリーナ

    著者: 加藤陽子責任編者,歴史学研究会編

    出版社: 東京大学出版会・2023年

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