自主研究(グローバル課題研究):人間の安全保障と平和構築
共通 - 全学共通
GSE20050
コース情報
担当教員: 東 大作
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 火6
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
レポート
詳細情報
概要
この授業では,人間の安全保障と平和構築という,現代に生きる人々にとって極めて重要な概念について,包括的に学んでいきます。 授業では,「人間の安全保障と平和構築」の連続セミナーにも参加しつつ,この概念と運用について学びます。上智大学では2016年4月より「人間の安全保障と平和構築」をテーマに連続セミナーを実施しており,2017年度には,それと連動している本授業「自主研究(グローバル課題研究)」が,学内で学生から最も高い評価を得た授業に送られる「グッドプラクテイス賞」も受賞しました。2024年度も,4月から7月にかけて,人間の安全保障と平和構築に関し,日本を代表する専門家や政策責任者を講師として招待します。人間の安全保障と平和構築に関する歴史的な変遷,最新の動向,そして日本が果たし得る役割などについて話をして頂き,参加者と共に,今後の平和構築の課題や,あるべき姿について議論を深めていきます。 この授業では,上の連続セミナーに参加しつつ,人間の安全保障や平和構築の理論や実践について,担当教員である東大作教授から指導を得て,戦争をどう克服するかという現代の世界にとって非常に重要なテーマについて総合的かつ包括的に学んでいきます。 (担当教員の,経歴や主な本,メディア出演や新聞記事などは,下の「講義概要URL」 リンク参照)
目標
本授業では,人間の安全保障と平和構築という概念が,現代の戦争の克服や平和の実現に向けてどのように活かされているのかを学びます。それぞれの現場でどのような取り組みが行われているかを様々な角度から学びつつ,包括的に,人間の安全保障と平和構築のコンセプトと,その現代的な意義と運用について理解を深めます。それを通じて,将来的に,一国では解決できないけれど世界に住む人々にとって命に関わる脅威(グローバル課題,もしくは人間の安全保障の課題と呼ばれます)を克服するような仕事や活動に関わって頂くための教養を培ってもらうことが本授業の目標です。
授業外の学習
課題図書をよく読んで,人間の安全保障や平和構築についての基本的な知識を得ていくことも大切です。
所要時間: 190 分
スケジュール
- 東が本授業の内容や,評価基準について説明を行う。
- 人間の安全保障と平和構築の概念について講義する。
- 月30日(火)午後19時05分―午後21時05分 ※2号館17階 国際会議場(予定)※5回の公開セミナーは全て国際会議場で主催予定。全てのセミナーで講演は約50分。その後,参加者との議論) 講師:黄川田仁志 (自民党国防部会長,前衆議院外務委員長,国際人口問題議員懇談会事務総長) 「日本外交・安全保障の現場から考える『人間の安全保障』の理想と現実」
- 人間の安全保障と日本の役割について講義。前回のセミナーも受けた質疑応答なども。
- 月14日(火)午後19時05分―21時05分 セミナー2回目 講師:大串 博志 (立憲民主党選挙対策委員長,衆議院議員) 「人間の安全保障と,国際社会における日本の生き方」
- 平和構築というコンセプトと日本の役割について講義。また前回のセミナーの質疑応答なども。
- 平和構築の具体的なケース(アフガニスタン)について講義
- 平和構築の具体的なケース(南スーダン)について講義
- 月11日(火)19時05分―21時05分 セミナー3回目 講師:安藤 直樹 JICA理事 (欧州,中東・アフリカ担当。ウクライナやガザを含む) 「JICAの平和構築への挑戦~国際機関との連携も含めて~」
- 学生の自主研究リポートのテーマについて学生と議論を実施
- 学生の自主研究リポートのテーマについて(残りの)学生と議論等を実施しつつ,補足の講義
- 7月2日(火)19時05分―21時05分 セミナー4回目。※この日はみなし金曜日ですが,講師のご都合や,会場の確保,6限であることなどから,7月2日(火)に実施します。 講師:弓削 昭子(元UNDP管理局長,前法政大学教授,UNITAR常任理事) 「国連と人間の安全保障とSDGs ~現場とニューヨークで向きあい,直近の課題を考察する」
- 7月16日(火) 19時05分―21時05分 ※セミナー5回目 山本理夏 (NGO ピースウィンズ・ジャパン事務局長) 「世界中で難民支援,平和構築支援に携わって~NGOの強みと課題~」
- まとめの講義。自主研究リポートの提出に向けた最後の助言等
教科書
教科書「人間の安全保障と平和構築」(東大作編著 日本評論社 2017)と内戦と和平(東大作著 中公新書 2020)については,自主研究の一環として読んでいただくことになります。
人間の安全保障と平和構築
著者: 東 大作
出版社: 日本評論社 2017年
内戦と和平~現代戦争をどう終わらせるのか
著者: 東 大作
出版社: 中公新書 2020年
ウクライナ戦争をどう終わらせるのか~和平調停の限界と可能性
著者: 東 大作
出版社: 岩波新書 2023年
参考書
我々はなぜ戦争をしたのか~米国ベトナム敵との対話~
著者: 東 大作
出版社: 平凡社ライブラリー 2010年
平和構築~アフガン,東ティモールの現場から
著者: 東 大作
出版社: 岩波新書 2009年