ロジカルシンキングとデータリテラシー

共通 - 全学共通

GSD20370

コース情報

担当教員: 百瀬 公朗

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 木3

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

50%

リアクションペーパー

50%

詳細情報

概要

・本講義では,データサイエンス学習のベースとなる「ロジカルシンキング」と「データリテラシー」について学ぶ。この2つはビジネスや社会問題の課題解決にあたり,統計分析ツールやプログラミングを活用する以前に身に着けるべき不可欠のスキルとなっている。 ・具体的には【データの読み方】【ロジカルシンキング】【データの扱い方】【ツール演習】の4つのモジュールで構成し,各3回ずつの講義と演習を組み合わせながら行う。最新状況を踏まえて ChatGPT など生成AI の活用法などについても触れる。講師は主担当教員(百瀬公朗)およびビジネス現場のデータ活用に詳しい現役ビジネスパーソン(トランスコスモス・アナリティクス株式会社フェロー 萩原雅之)が担当する。 ・なお,授業内容のレベルは総務省統計局が開講する「社会人のためのデータサイエンス入門講座」に準拠するが,数学的な知識は問わない。データサイエンスによる課題解決プロセスでは,メンバーがそれぞれの得意分野で力を発揮できるように協力し合いながらプロジェクト推進に取り組んでいる。数学に苦手意識があっても,将来はビジネスや社会問題に取り組むためにデータサイエンスを活かしたいと考える主体的な学生の受講を歓迎する。

目標

ロジカルシンキングとデータリテラシーを学ぶことによって, 1) ビジネスや社会問題の課題をどのように捉えるのかを理解する。 2) 捉えた課題をデータ活用でどのように解決するのかを理解する。 3) 課題解決に向けたリサーチデザインからデータ収集・分析・解釈の要諦を理解する。 4) データから得られた知見をどのように伝えて人を動かすのかを理解する。

授業外の学習

予習:事前資料,参考資料などに目を通しておく 復習:授業の振り返りおよびリアクションペーパー提出

所要時間: 予習:授業1回あたり70分 復習:授業1回あたり120分

スケジュール

  1. 【イントロダクション】データによる課題解決 ・ロジカルシンキングとデータリテラシーが不可欠な理由 ・ビジネス問題や社会問題にデータをどう活かすか
  2. 【データの読み方1】質問紙調査を読む ・データを使った記事や分析の歪曲・誇張・誤謬をどう見抜くか ・アンケート調査,世論調査,意識調査など
  3. 【データの読み方2】公的統計を読む ・データを使った記事や分析の歪曲・誇張・誤謬をどう見抜くか ・公的統計,業界統計,ランキングなど
  4. 【データの読み方3】ビッグデータを読む ・データを使った記事や分析の歪曲・誇張・誤謬をどう見抜くか ・行動ログ,購買データ,センシングデータなど
  5. 【ロジカルシンキング1】論点を定める ・価値ある課題解決の大前提「論点」 ・論点はなぜ重要か,論点を捉えるにはどうすればよいか
  6. 【ロジカルシンキング2】構造化して捉える ・全体を構造化してとらえることの意義 ・MECE,イシューツリー
  7. 【ロジカルシンキング3】課題を設定する ・課題とは何か(問題と課題との違い,課題と解決策) ・課題設定のポイント(目的は何か,誰の課題か,どこまでの範囲か)
  8. 【データの扱い方1】データを収集する ・課題解決のための仮説構築とリサーチデザイン ・一次データ(質問紙,実験,観察)と二次データ(統計,レポート)
  9. 【データの扱い方2】データを分析する ・データの集計と加工,相関関係と因果推論 ・ビジネス現場で使われる主な分析手法(クロス集計,分類,回帰) ・知っておくべきExcel のデータ処理機能(関数とグラフ表現)
  10. 【データの扱い方3】データを表現する ・データの可視化とコミュニケーション ・ハンス・ロスリングに学ぶ課題解決のためのストーリーテリング
  11. 【ツール演習1】Excel ・ビジネス現場で使われる高度な Excel データ処理・分析機能の実習 ・関数,ピボットテーブル,統計分析,グラフ表現
  12. 【ツール演習2】ChatGPT ・生成AIをデータの分析,解釈支援に使うための実習 ・ChatGPT,Copilot,Bing など生成 AIを使える環境を事前に準備 ・プレゼンテーションのストーリー構成
  13. 【ツール演習3】eStat/Gapminder ・国内外の公的統計ポータルのデータを活用するための実習 ・収録データの範囲,構造,検索,入手,加工
  14. 【ディスカッション】データ活用のリアル ・学んだことがビジネスや社会問題の解決にどう活かすかを考える ・授業全体を通しての質疑応答,およびディスカッション

教科書

無し。授業で配布する講義資料をもってテキストに代える。

    参考書

    授業時に必要に応じて関連する参考書等を紹介する。

    • イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

      著者: 安宅 和人

      出版社: 英治出版,2010年

    • FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え,データを基に世界を正しく見る習慣

      著者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング ほか

      出版社: 日経BP,2019年

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